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Webデザインの善し悪しを評価するには?デザインを目的ではなく、目的達成の手段と考えるべき

コンテンツ作成
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「良いデザインで作ろう」ではない「○○を伝えるために、こういうデザインにしよう」という発想が必要な理由

デザインってなんのためにあると思いますか?

良い印象を与えるため?分かりやすく情報を伝えるため?お客さんに与えるブランドイメージを確固にするため?

どれも、正しいです。では、なんで聞いたのかという話ですが…。

今回お伝えしたいのは「デザインはあくまで手段」だと考えるべきということです。

デザインを手段と考えると変わるもの

特にホームページのデザインというと、ある種の「作品」「絵画」というんでしょうか、結果として見てしまう傾向がありませんか。出来上がったホームページを見て「なかなかカッコいいものができたな」「競合に負けてないな」などと考えてしまったり。

もちろん

  • 見た時の印象など大事ですし、使い勝手も重要です。
  • ただそれは「何かを達成するための手段」として捉えなければなりません。

なぜなら「良し悪しの判断」「改善」ができなくなるからです。

「何かを達成するための手段」とは、例えば

「お客さんに、気軽なことでも相談してもらえるような印象を与えて、敷居を下げよう」
「お客さんに、安心して玄関のドアを開けてもらえるようにHPとユニフォームのデザインを揃えよう」

などです。

目的をベースにデザインを考えれば、それが達成できているかそうでないかで、改善するかしないか、今のものが良いか悪いか、という判断ができます。

例えば「お客さんに、気軽なことでも相談してもらえるような印象を与えて、敷居を下げよう」と思ったなら、

  • 以前より、気軽な問合せ電話やメールが増えた
  • HPの中のサービスページへの遷移数が増えた

など、裾野が広がっていれば「前より良い状況になっている」と判断できます。

しかし、それらの兆候が感じられなければ、更に改善をしなければならないでしょう。その判断ができるのはとても大事なことです。

コンパスを持って荒野をうろつくのか、ただただ宛もなく歩き回るかくらい違うのです。

これからの時代「売れる」デザインのキモとは?

きれいなだけで売れる時代は終わりました。

正確に言うと、そんな時代は多分1-2年位です。ウェブ系のグラフィック雑誌全盛期の頃くらいでしょうか…?

本当に少しの間ですが、他にはない動きで、他にはないデザインであれば、なんだか売れてしまう時期はありました。恐らくネット閲覧者の増加カーブが鋭くなったタイミングとマッチしたのだと思いますが…。

基本的には「きれいなだけで売れる」時代はなく、そしてその傾向はどんどん強くなっているのです。

 

では、何が求められているのか。それは「生々しさ」です。

嘘ではないな、実際の姿より盛ってないな、という生々しさです。

これはデジタル領域に限りませんが、やっぱりなんでも「きれいに見せたい」「魅力的に見せたい」さらに言えば「本物よりも、もっとよく見せられたらいいな…」と思ってしまうものですよね。

コレ自体は昔から変わってはないのですが、変わったのは消費者の側なのです。

「加工の民主化」という概念

結論から言えば「加工」という概念が、知れ渡ってしまっているのが今なんです。私は「加工の民主化」と呼んでいます。

加工は昔はプロだけが行える仕事だった

昔、そうですね、私がDTPデザイナーの時は、だいたい独立して、仕事できるような機材一式を揃えるのに、100万円では足りませんでした。

150万円-200万円くらいですかね?フォントのフロッピーディスクが山のように来るんですよ…Tooとかから…。Mac本体、プリンター、スキャナー、巨大で熱いCRTモニタ、フォント、そしてAdobeのソフトです。

PhotoshopとIllustratorだけでも合わせてソフトだけで15万くらいでしたっけ…。ページものやる場合はPageMakerとかQuarkXPressとか…こちらはもっと高くて20万越えていたような…。

で、現実的にPhotoshopがないと加工ってできなかったんですよ。もちろんテクニックも必要でした。

また、スマホは存在しません(ガラケー時代)アプリもありません。プリクラもスタンプなどはありましたが目を大きくするとか、なかったですよ。

その時代は「加工する」ということは特殊な技能でした。なので一般人としてはプロはやっているのかもしれないけれど、よく分からないし気にしていないものでした。

TVのバラエティなども、わりとガチンコでやっていた時代でもあり、SNSもなく素直に見ていた時代でもあったので、ビジュアル以外の行動の「加工」についても、特に気にしてなかった。

「まぁいろいろきれいにはしているんだろうな」とは思っていても、基本的には受け入れていた時代です。

今は誰しも「加工」じみたことを行える

しかし、今は全然違いますよね。

スマホを使えば、フィルターで簡単に加工できる。ビデオ会議でも、背景をバーチャル背景に入れ替えたり美肌フィルタを使える。インスタではフィルタがいっぱい。

そしてPhotoshopはサブスクリプション化され、月額980円で使えます。使い方?ネットで無料の解説サイトが山のようにあります。

こうやって身近に「加工」がすり寄ってくると、自然と思考がこうなりますよね「こんな簡単に見栄えをいじれるなら、企業も周りの人も、結構加工してるんじゃないの?ちょっと疑ってかからないと」

「生々しさ重視」の価値観への変化

それが加工が民主化したことによる「生々しさ重視」の価値観への変化です。

ストックフォトの多用が問題になった理由

この結果、例えばストックフォトの多用は反応率を下げるようになりました。

なぜなら「こういう人いるわけないよね」「本当の人を出せないなんて胡散臭いね」と思われてしまうからです。(なのでイラストの需要が上がっています)」

また、実際の皆さんの写真でも「きれいすぎる」「整いすぎている」言い方を変えると、一昔前の写真館のような写真は、嘘っぽく感じられてしまうようになりました。

うまいカメラマンさんは、そこも含めて、いい感じの生々しさ&キレイ感を出したものを撮ります。本当に凄いと思います。

なので、今はそのテクニックを追うよりも「自分たちで、ちょっと勉強して撮る」くらいがちょうどよくなりました。スマホなんかのほうがいいんですよ。

動画もいずれどうなるか

動画に対して信頼度がまだあるのは、編集がまだまだむずかしいからですね。

ワンタッチで背景の汚いオフィスがきれいなオフィスになるツールなどが出たら、動画も同様に信頼できないものになるでしょう。

そんなふうに、買い手の「審美眼」と判断基準は大きく変わっています。それを踏まえて、生々しさを追求しなければなりません。

目的思考でデザインを組み立てていく

そしてそれを前提にして「○○という印象をしっかり与えたいから△△という形にしてみよう」という目的思考でデザインを組み立てていく。

そのプロセスを、自分たちでやる場合でも、依頼する場合でも押さえていただくと、改善がうまくいきます

ホームページビルダーか!というデザインだけれども、受注の絶えないお店、その理由は「このホームページなら、自分で更新してるだろうから、嘘はついてないだろうな、本当にこの商売好きなんだろうな」というイメージが伝わっているから…なんていうことがありますので。

ちなみに私はWebデザイナーやデザイン会社を否定しているわけではありません。

成果を出せる会社がたくさんあることもよく知っています。

ただそれは「デザインそのもの」よりは「デザイン作成を通じて行っているお客様からの情報引き出しや整理、ブランディングやポジショニングを考えるプロセス」などの部分が効果を発揮しているのではないかと思う次第です。

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