配信日:2011年11月19日
「事例を鵜呑みにすることの危険さ、企業の強みと資産はハード面からソフト面に。」
こんにちは、中山陽平@WEB戦略ラウンドナップです。
身内に不幸があり、少々間が開いてしまいました。命短し、私も悔いのない人生を送りたいと改めて思いました。
さて、今回は「事例をうのみにすることの危険さ」についてです。
また、企業が持っている「強み」や「資産」が昔と変わってきている、という話をさせてもらえればと思います。
日本人は、例えばアメリカ人と比べて個別事例を重視する傾向があるという話を、アメリカ在住の友人から聞きました。
実際、海外記事を日々チェックしていると、海外の記事で、個別事例がでてくることというのは、あまりありません。
多いのは、全体で通用する「原理」や「法則」などです。
対して、一般の日本企業さまからの問合せや、アクセスのあるページの傾向を見ると、日本では個別事例がよく見られています。
これが民族性の問題なのかもしれませんが、他の人がやっていることを日本では気にする事が多いようです。
別に事例を参照すること自体が悪いというわけではありません。
むしろ、個別の事例情報が海外に比べて充実している日本は素晴らしい環境だと思います。
しかし、問題だとすれば
「その事例を参考にして進めれば、ある程度うまく行くはずだ」
と考えている場合です。
その事例が成功していたとして、その事例は、事例紹介からは見えない要因が複雑にからみ合って成果というものにつながっています。
成功した本人も気づいていない成功要因はたくさんあります。
そういったものは、事例紹介では語られ用がないのですが、実はそれが最も大事な事であることが少なくありません。
とはいえ、この辺りをどう判断して切り分けていくかは難しいですね。
なので、その1つの解決策として「事例に対する姿勢」を変える、ことをおすすめします。
大なり小なり、事例を参考にすればうまくいくであろう、というのはいわゆる「前例踏襲」です。
これは、イチから自分たちでノウハウを貯めていくよりは、特にスタートダッシュについては効率がいいのは確かですね。
なので、初期段階であえて盲信するのはいいと思います。まずは模倣から。しかし、その後もそのやり方をひたすらに踏襲するというのは
- その事例以上の成果をあげることができない
- その事例とは異なる環境にあるので、そのとおりにうまくいくとは限らない。ダメな場合が多い。
- 自社のノウハウがたまらない、自社独自のノウハウ資産がたまらない
という点で、おすすめできません。模倣の段階を過ぎたら、それを自分で壊して先に進まなければいけません。
事例は事例に過ぎません。
おすすめは、幾つかの事例を並べて、成功要因をあぶり出すこと。
「成功要因を分析して」
「自社のビジネス環境を把握し」
「それに合わせて、その要因を実現できる施策を考える」
「効果を計測して改良していく(PDCAサイクル)」
このサイクルを自社で回すことに意義があります。
いいもの、うまく行っているものというのはあくまで、その後ろにある何かの「法則」を捉えているから成功してるんですよね。
事例はあくまでその「法則」をとらえた結果のアウトプットに過ぎません。
事例はHOW-TOではないのです。KNOW-HOWのKNOWの部分に過ぎません。
ぜひ、事例を見る時にはその後ろにある「法則」「定理」を想像して下さい。
そしてそれを仮説として位置づけ、自社で実践することをお勧めします。
そのノウハウの積み重ねが、自社の強みであり他社に対しての参入障壁となるんです。
産業革命の頃と違い、生産手段も我々の手に移り、ある意味どんな企業もほとんど同じ条件で勝負できるようになりました。
地理的条件も果ては国境までも境界条件として意味をなさなくなってきています。
その中で他社と差をつけるとすれば「ノウハウ」「実績」などによる、ソフト面での「資産(アセット)」です。それしかないんです。
まだボーダレスの世界はそれほど近くありません。なので今がチャンス。
事例をうのみにするのではなく、その後ろの法則を考え、それを元に自社でトライアンドエラーを繰り替えす。これを始めてみてください。
早ければ半年、遅くても2年後には他の企業と差が付いているはずです。
それではまた、メールしますね。
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改めて告知しますので、ぜひその際はご覧ください(^_^
仕事の後にヘトヘトになりながら書いております…
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