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第515回:そのデータは信頼できるか?Webサイト競合調査ツールの精度と正しい活用法

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内容について

多くのWeb担当者が利用する競合調査ツールですが、その精度は年々低下しているのが実情です。プライバシー規制の強化により、匿名データに基づくアクセス推計などは信頼性が大きく揺らいでいます。この配信では、なぜ精度が落ちているのか、そして今、本当に信じるべきデータとは何かを具体的に解説。データに振り回されず、ビジネスを前進させるための現実的な競合分析手法をお伝えします。

競合調査ツールは一部の有用な情報を提供してくれるものの、その数値データを鵜呑みにせず、自社の競合動向を総合的に把握することが重要。ツールは補助的な役割に留め、自社の視点から競合を分析し、適切な施策を立案していくことが肝心です。

TOPICS

  1. 競合調査ツールの有用性と使い方について

  2. 競合調査ツールの精度低下の理由とは?

  3. 相対的な変化を把握するための競合調査ツールの活用法

  4. ツールが提供する数値データに注意が必要な理由

  5. 理想的な競合調査の方法とは?

  6. 競合調査ツールを補助的に活用する

このPodcastが解決できる内容

Q1. 競合調査ツールが示すアクセス数などのデータは、どのくらい信頼できますか?
A1. 2024年現在、その信頼性は年々低下していると言わざるを得ません。プライバシー関連の規制強化により、ツールが参照する匿名データの収集が困難になっているためです。絶対値はもちろん、月ごとの変動を追う参考値としても、実態と乖離するケースが多く見られます。
Q2. なぜ競合調査ツールの精度は下がっているのですか?
A2. 主な原因は、プライバシー保護規制の強化です。多くのツールは、ブラウザの拡張機能などを通じて得られる匿名化されたユーザー行動データを基に全体の数値を推計しています。しかし、こうしたデータ収集への規制が厳しくなったことで、推計の元となるデータ量が減少し、精度が低下しています。
Q3. ツールを使わずに競合を分析するには、どうすれば良いですか?
A3. まず分析対象とする競合を明確に定めます。その上で、競合の公式サイトを定期的に訪れ、キャッチコピーやサービスの切り口、キャンペーンなどの変化を観察します。また、自社が狙うキーワードで実際に検索し、競合の順位や表示内容を確認することも重要です。競合の会社名でニュースアラートを設定し、Web以外の活動を追うのも有効な手段です。
Q4. 営業提案で提示された競合のデータは、どう捉えるべきですか?
A4. あくまで参考情報の一つとして捉えるのが賢明です。特に「競合はこれだけアクセスがあるから、貴社には伸びしろがある」といった提案は、意図的に都合の良いデータが使われている可能性も考慮すべきです。そのデータの根拠や取得時期を確認し、鵜呑みにせず判断することが求められます。

配信内容の詳細

競合調査ツールの現状:低下する信頼性

Webマーケティングにおいて、競合の動向を把握することは戦略立案の基礎となります。そのために多くの企業が競合調査ツールを利用していますが、そのデータの信頼性については注意が必要です。結論から言うと、これらのツールの精度は年々低下していると考えられます。

特に、一部の匿名データからサイト全体のアクセス数などを推測するタイプの機能は、実態との乖離が大きくなっています。数年前までは、絶対値は不正確でも、競合間の相対的な変化を追う「モニタリング」用途での価値はありました。しかし、現在ではその相対比較さえも難しい状況です。

実際にデータを定点観測していると、特定のサイトの数値が、事業活動では考えられないほど毎月乱高下することがあります。これは特定のツールに限った話ではなく、複数の主要なツールで共通して見られる傾向です。

なぜ精度は下がっているのか

この精度低下の背景には、世界的なプライバシー保護強化の流れがあります。ツールの多くは、ユーザーの許可を得て収集した匿名データを基に、全体の動向を推計しています。しかし、各種規制によってこの種のデータ収集が困難になり、推計の根拠となる情報が減少しているのです。データ量が少なくなれば、統計的な精度が落ちるのは避けられません。

信じるべきデータとそうでないデータの見極め方

では、競合分析において、全てのデータが信頼できないのでしょうか。そうではありません。重要なのは、推測に基づくデータと、観測可能な事実に基づくデータとを区別することです。

信頼できる「観測可能なデータ」とは

推測に頼らない、客観的に確認できるデータは、今でも十分に活用価値があります。具体的には、以下のような情報が挙げられます。

  • 検索結果:自社が狙うキーワードで、競合がどのあたりに表示されるか(検索順位はパーソナライズなどもあるため参考値になりつつありますが)。これは実際に検索すれば誰でも確認できる事実です。
  • 広告出稿状況:競合がどのようなキーワードで、どんな広告文やクリエイティブを使って広告を出しているか。これも検索結果やツールで観測可能です。

これらのデータは、匿名データからの推計ではなく、公開情報を収集・整理したものです。そのため、信頼性が高く、競合の戦略を読み解く上で非常に有用な情報源となります。

理想的な競合分析のアプローチ

ツールが示す推計値に一喜一憂するのではなく、より本質的な競合分析を行うことが求められます。以下に、そのための具体的なアプローチを示します。

1. 分析対象となる競合を定義する

まず、自社がどの市場で事業を行っているのかを再確認し、真の競合は誰なのかを明確に定義することが出発点です。これはWeb上に限りません。

2. 競合の「行動」を定点観測する

ビジネスの観点では、自社サイトよりも競合サイトを頻繁にチェックするくらいの姿勢が理想的です。以下の点を定期的に確認しましょう。

  • Webサイトのキャッチコピーやデザインの変更
  • 新商品や新サービスの打ち出し方
  • キャンペーンやプロモーションの切り口

3. 検索エンジンでの見え方を把握する

検索エンジン経由の集客を重視する場合、見込み客が検索するであろうキーワードにおける、検索上位サイトのモニタリングは不可欠です。上位にいる競合のページを分析し、自社に足りない要素を考えることが改善に繋がります。

4. Web以外の活動も追跡する

競合の会社名でニュースアラートなどを設定し、プレスリリースや地域での活動といったWebサイト以外の動向も把握しましょう。ビジネス全体の戦略を考える上で重要なヒントが得られます。

まとめ:データに振り回されないための心構え

競合調査ツールは便利なものですが、その特性を理解せずに使うと、誤った意思決定に繋がりかねません。特に、匿名データに基づく推計値は、あくまで参考の参考程度に留めるべきです。

重要なのは、信頼できる観測可能なデータに基づき、競合の「行動」そのものに注目することです。競合を正しく理解することは、自社の市場や顧客を理解することに直結します。地に足のついた分析で、着実にビジネスを前進させていきましょう。

続きはPodcastでお聞き下さい。

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