第50回:他社比較のページで信頼を失わないために、「誰に合うか」を伝える

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

分かりやすい比較が、信頼につながるとは限りません

自社の商品やサービスの違いを説明するとき、他社と比較することは避けて通りにくいと思います。何が違うのかを示せば、説明は分かりやすくなりますよね。ただ、考えずに作ると逆効果になることがあります。

普段の会話で、ほかの店やサービスの悪いところばかり言っている人を想像してみてください。あそこはここが駄目だ、自分ならこうするのに、と言い続ける人に、よい印象を持てるでしょうか。Webサイトでも、同じようなことが起こり得るんです。

他社との違いを分かりやすくするだけでなく、その伝え方が自社への信頼を損なっていないかを考えてください。比較を読んでも信じてもらえないなら、せっかく作ったコンテンツが役に立たなくなります。

自社だけに丸が並ぶ表を、お客さんはどう見るでしょうか

A社はバツ、B社は三角、自社は丸。こういう項目が二十も三十も並んでいる表を見掛けることがあります。売る側としては、優れている点をたくさん伝えたいのでしょう。

ただ、お客さんから見ると、自分たちに都合のよいことばかり書いているのではないか、と感じることがあります。露骨に相手を下げている印象になれば、会社そのものを好きになれないかもしれません。

もちろん、実際に多くの点で優れているという場合もあると思います。それでも、事実として優位な点があることと、そのまま並べて信頼されることは別です。こちらが伝えたつもりの強みより、比較の仕方に対する不信が残ってしまっては困りますよね。

私も、比較表の書き方を変えることで数字が改善した例を経験しています。情報として分かりやすければ十分、というものではないんです。

「どんな人にもよい」ではなく、合う条件を示す

比較で伝えたいのは、本来、このような人にとって自社の商品が合っています、という話です。どんな人にも自社が一番ということではありません。

こういう条件で、こういうことを求めている方なら、こちらのサービスが向いている。そのように説明すれば、お客さんは自分の状況と照らし合わせられます。

誰が何を求めているときに、自社のよさが生きるのかを明確にしてください。比較する項目も、そのお客さんにとって意味のあるものかを考えます。自社が勝てるところを多く並べることだけに意識が向くと、この視点が抜けてしまいます。

相手を落として自分を上げる説明になっていないか、条件に合う人が選べる説明になっているか。その違いを確認していただきたいと思います。

比較コンテンツの目的は、選ぶ基準を渡すことです

マーケティングとして、自社が選ばれやすい判断基準を伝えたいという気持ちはあるでしょう。ただ、他社を批判するために比較するのではありません。お客さんへ、こういう基準で選ぶとよいですよ、と伝えるために行います。

その考え方で作ると、あそこが悪い、ここが駄目だという個別の批判より、どう選べばよいかという説明が中心になります。判断の仕方を理解した方が、自分に合うものとして自社のサービスを選んでくれる。そうした流れを考えるんです。

優劣の一覧だけで終わらず、お客さんが自分で選べる考え方を伝えてください。比較というコンテンツのよさを生かすには、お客さんの気持ちを考えた表現が必要です。

個人が趣味でいくつかの商品を並べて、自分はこれが好きだと話す場合と、企業が自社の商品を売るために比較する場合では、受け取り方も違います。企業として出す内容だからこそ、注意して作りたいところです。

名前を伏せるだけではなく、第三者の率直な感想を聞く

A社、B社と名前を伏せていればよい、というわけでもありません。読んだ印象が、ただの他社批判になっていないかを見てください。社内では当たり前に思える表現が、外から見ると違って見えることがあります。

そこで、第三者に読んでもらって、信頼できる比較だと感じるかを聞くことをお勧めします。できれば、遠慮のない意見をもらいたいですね。

自社の主張が通るかだけでなく、読む人が安心して判断に使えるかを確認してください。比較は効果的なコンテンツですが、伝え方を間違えると、気付かないうちに機会を失うこともあります。皆さんの比較ページも、誰に合うかが伝わる内容になっているか、一度見直してみてください。

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