第95回:社内チャットが増えたのに仕事が進まないとき、質問の仕方を見直す

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

やり取りが増えることと、生産性が上がることは別

私もコンサルティングでチャットなどのコミュニケーションツールを使っています。メールでは、過去の話を追いかけるのが大変だったり、引用や署名がどんどん長くなったりしていました。その負担が減るのは、とても便利なことです。

私の場合はお客さんとほぼ一対一のやり取りなので、大きなロスはそれほどありません。一方、人数の多いチームでは、気をつけたい点があります。誰かが気軽に問いかけるたび、周りの人が反応して、やり取りに時間を使ってしまうんですね。

コミュニケーションが活発になったことだけで、仕事がうまく進んでいると判断しないでください。みんなで話しているので良いことをしている感覚はあっても、その間に本来の仕事が進んでいない場合があります。

同僚や上司は、検索エンジンではない

分からないことがあったら、すぐ誰かに聞く。その方が自分は早く答えを得られるかもしれません。でも、答える側はそのために時間を使っています。

特に上司や責任のある人に何でも聞くようになると、その人の仕事を止めることになります。質問する本人からは小さなことに見えても、質問が集まる側では負担が大きくなります。

自分の時間が短くなったとき、代わりに誰の時間を使っているのかを考えてほしいのです。人は検索エンジンではありません。聞けば答えが返ってくるからと、何でも気軽に投げてよいわけではないんですね。

もちろん、相談や情報共有をなくすという話ではありません。必要なやり取りと、自分で確かめられたやり取りを分ける。その意識を持つことが大切です。

調べたことを添えて質問する

例えば、社内のFAQや過去の情報を確認してから質問する。自分なりに調べてみて、それでも分からない点を聞く。そういうルールを作ることをお勧めします。

「分かりません」とだけ伝えるのではなく、ここまで確認した、こう考えたけれどここが分からない、と伝えるんです。自分で考える機会にもなりますし、答える側も状況をつかみやすくなります。

質問する前の確認を習慣にすると、相手の時間を守ることと、自分が学ぶことを両立できます。すぐ人に聞くことばかり続けていると、自分で調べて理解する機会も減ってしまいます。

自分たちのやり取りのログを見返してみるのもよいと思います。この質問は本当に必要だったか、先に確認できたものはなかったか。実際のやり取りから見直すと、どんなルールが必要かが分かりやすくなります。

集まる前にも、目的をはっきりさせる

すぐにつながれるビデオ会議などでも、同じことが起こります。便利だから、とりあえず集まって話そうとなりやすい。でも、それが続けば、多くの人の時間を使ってしまいます。

何のために話すのか、今集まる必要があるのかを確かめてから、相手の時間を使ってください。ツールによって敷居が下がったからこそ、使う側で意識しておく必要があります。

導入したばかりの段階では、まず使ってもらうことを優先した方がよい場合もあります。最初から細かな決まりを増やして、誰も使わなくなってしまっては困りますよね。慣れてきたら、実際の使われ方を見て、運用のルールを整えていく。その順序も考えてください。

コミュニケーションを増やすためにツールを導入したとしても、その先には仕事を良くする目的があるはずです。気軽さは活かしながら、他人の時間を無駄に使わない。チームとして使うなら、そこまで含めて整えていただきたいと思います。

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