第107回:ホームページを見ただけで「一度行った気持ち」になってもらう

中小企業を強くするWebマーケティングPodcast — ラウンドナップWebコンサルティング 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ホームページの反応を上げようとすると、ヘッダーはこうしよう、写真を載せよう、デザインを変えようと、いろいろなテクニックが出てきます。もちろん、個々の工夫は大事です。でも、その前に考えたいのが、お客様にとって、このホームページがどういう存在になればいいのかということです。

今回は、特に店舗とつながっている地域の商売を例に、目指す姿から改善を考える方法をお伝えします。店舗以外のサービスでも、同じように考えていただけると思います。

初めてでも、一度行ったことがあるように感じてもらう

店舗型のサービスなら、目指す姿としてお勧めしたいのは、「行ったことがないのに、そのお店に行ったことがあるような気がする」という状態です。

一度行ったお店は、二回目がすごく行きやすいですよね。もちろん、そのお店を気に入ったという前提ですけれども、もう一度行こうとする敷居は低いと思います。最初の一回が、一番敷居が高いんですね。

ホームページの情報を通じて、一度そのお店へ行ったような気持ちになってもらうことを考えてみてください。常連のような気持ちになってくれたら、なおいいですよね。その感覚が、実際には初めての来店につながりやすくなると思います。

写真や文章などの施策も、そのためにあると考えると分かりやすくなります。単に載せるものを増やすのではなく、そのお店にいる自分を想像しやすくする、ということです。

写真や説明が、どんな体験につながるかを見る

例えば、店舗の中の写真をきちんと撮る。店長の声や笑顔の写真を載せる。外観を晴れた日にきれいに撮る。そうしたテクニックも、お店に行っている自分を想像しやすくするためにあると考えると、自然ではないでしょうか。

創業したときの話や代表者の思いも、そのお店へ行ったときに感じる印象につながります。分かりやすいサービスメニューや説明は、お店で説明を受けて「よく分かった」と感じる体験を、先にしてもらうようなものですね。

一度来店したりサービスを受けたりして、しかもよい気持ちになったように感じてもらうには何が必要か、と逆から考えます。そこから施策を選んでいくんです。

反応をよくしようとすると、とりあえず今できる改善を積み上げて、最後にゴールへたどり着こうとしがちです。それ自体に効果がないわけではありません。その進め方で成果が出ているサイトもあります。

ただ、どの施策をどの順番で行うか、結果を受けて次に何をするかを決めるのが難しいんですね。何より、いろいろある中から何をやるべきかを選ぶところで迷います。ノウハウを全部実行することはできませんし、自分たちにどれが合うかも分かりません。

そこで、お客様にどういう気持ちになってもらいたいかを先に置きます。そのうえで自分たちのサイトを使ってみると、「この説明がなければ、その体験は想像できないのではないか」と、足りないところを見つけやすくなります。

感想を聞くときも、目指す姿を一緒に伝える

お客様や知り合いにサイトを見てもらうことは、手軽に改善のヒントを得る方法です。ただ、「うちのホームページを見てどう思う」「何か悪いところはない」と聞いても、なかなか意見が出てこないことがあります。

それは、どんなホームページにしたいのかというゴールを共有できていないからかもしれません。見る側も、何となく思いついた、それらしいことしか言いにくいんですね。

例えば、「来たことがない方にも、一度来たことがあるように感じてもらえる、温かいホームページにしたい。でも、今はそこまで行っていないと思う。何が足りないんだろう」と聞いてみます。

目指している姿を共有してから聞くと、「それなら、ここがこうではないか」という意見をもらいやすくなります。単に良し悪しを聞くときより、考える方向が分かりますよね。

これは第三者に聞くときだけでなく、社員同士で話し合う場合も同じです。来た方にどう感じてもらい、どんな行動をしてもらいたいのかを共有しておくと、意見が出やすくなると思います。

直すところが多いときこそ、お客様の体験から順番を決める

お手元のサイトを見れば、分かりにくそうなところや、足りないコンテンツなど、いろいろな問題が見つかると思います。たくさんあるからこそ、手がつかないこともありますよね。

そこで、一度お客様の立場になり、このサイトがどうなっていれば、お店に来たような体験をしてもらえるのかと考えてみます。そうすると、まず直すべきはここだな、と考えやすくなります。

全然分からなければ、ほかのサイトを見てみるのも一つです。「この説明があると、こういう気持ちになる」「ここが分かると安心する」と感じたところから、自分たちのサイトを見直します。一つ直すと、次に必要なところが見えてくることもあります。

改善案の数から入るより、目指す体験に足りないものから考えた方が、優先順位をつけやすくなります。私の経験でも、その方が時間をかけすぎずに、改善を進めやすいと感じています。

ちなみに、これはBtoBでも使える考え方です。相手が担当者なのか、専門知識を持つ人なのか、経営者自身なのかは、業界や対象によって違います。

その人が「ここなら安心して資料を集め、稟議書を作れそうだ」「話を聞いてみてもいいかな」と思う状態を想像する。そのために、自分たちのサイトには何が必要かを考えてみてください。

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