第190回:フリーランスが企業の不安を減らすために伝えたいこと

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

中小企業の方から、柔軟に仕事をしてくれるフリーランスの方はいませんかと聞かれることがあります。個人の専門家にお願いしたいという気持ちは、確かにあるんですね。

ただ、得意なことを生かして助けてもらえるからというより、安く頼めそうだからという選び方になることもあります。これは双方にとってもったいないと思います。今回は、受ける側が企業へ何を伝えるとよいかを、私が発注や紹介に関わる立場からお話しします。

企業は、知らない相手へ頼む不安を持っている

少なくとも私がお付き合いしてきた企業では、よく知らない人へ仕事を頼むことに、ためらいがあると感じます。誰なのかが分かり、話ができ、この人なら一緒に仕事をしてもよさそうだと思えることが、前提になっているんですね。

紹介があったり、実績や活動が知られていたりする方へは、お願いしやすくなります。私が以前、個人で仕事をしていたときにも、誰かから、この仕事に加わらないかと紹介していただくことがありました。

発注する側が何に不安を感じているかを、技術や価格とは別に考えてみてください。自分には何ができるかだけでなく、連絡が取れ、必要な話を進められる相手かどうかも見られています。

会社へ頼む場合は、ホームページに説明があり、社内で検討するときの材料にできます。個人であっても、そのように比較し、説明できる材料があるかどうかは、大切だと思います。

「フリーランス」という言葉だけでは、仕事の姿が分からない

フリーランスという言葉は、かなり幅があります。個人事業として継続的に商売をしている人を思い浮かべる方もいれば、空いた時間に仕事を受ける人を想像する方もいます。

どんな働き方をしたいかは、人それぞれです。ただ、同じ言葉を使っていても、発注する側と受ける側の頭の中が違うことがあります。

肩書だけで伝わると思わず、どのような仕事を、どのような体制で受けているかを示す必要があります。専門性を生かして継続的に企業と仕事をしたいなら、その姿が分かる見せ方をしたほうがよいと思います。

自宅など好きな場所で、あまり自分を明らかにせずに仕事を受け、納品していきたい。その希望は分かります。ただ、依頼する企業からすると、どこの誰か分からず、会って話す機会もないとなると、不安を解消しにくい面があります。

名前の付け方だけを変えればよいのではなく、相手が取引を考えられる情報を整えるということです。

仕事の中身と、やり取りできることをホームページで伝える

マッチングサイトへ登録しているだけでなく、自分のホームページで、何者なのか、どんな仕事をしてきたか、何を頼めるかを伝える。そのような情報発信や営業活動が必要だと思います。

企業が依頼するときには、何かあった場合に連絡でき、受け止めてもらえるかも気になります。実績の紹介だけでなく、その人と仕事を進めるイメージが持てるようにしたいですね。

企業が社内で「この方へお願いしたい」と説明できる情報になっているかを考えてください。私も、サイト内の順位や評価の高さだけより、お客様ときちんと話し、必要なコミュニケーションを取れるかを見ています。

プログラムのように、発注側が要件や納品後の確認方法を整理できる仕事もあります。でも、デザインや販促のように、発注側自身が何を頼み、何をもって良いとするかを決めにくい仕事もあります。

そういう相手に対しては、できる作業名を並べるだけでは、頼みやすくならないことがあります。相手の状況を理解し、やり取りできることにも価値があるんですね。

制約があるなら、人とのつながりで補う道もある

事情があって、名前や住所などを広く出しにくい方もいると思います。そういう場合には、間に入ってくれる人を探し、その方の仕事のチームへ加わるなど、人間関係を作る方向もあります。

紹介を通じた仕事では、表に出る名前とは別に、関係者の中で、この方はこういう仕事をしてくれるという評判がたまっていきます。

何を公開できるかという自分の条件を踏まえ、その中で信頼とコミュニケーションをどう確保するかを考えます。同じ形で働けないから駄目という話ではありません。ただ、発注側の不安が残る部分は、別の形で補う必要があります。

チームへ参加するサービスなどもありますが、自分の名前と結びついた評価がどのくらいたまるかは、考えておきたいところです。将来、自分の名前で仕事をしたいなら、今の経験がどのようにつながるかも見ていただきたいと思います。

安さだけで比較されないために、頼める相手だと分かる状態へ

発注の金額には、相手への不安が影響することもあると思います。うまくいかなかったときの対応や、やり直しを考えて、その分を見込んだ金額でしか頼めない。そういう見方をされることもあるんですね。

だから、自分の得意分野や経験を適切に評価してほしいなら、そこに至る前の不安も、減らしていく必要があります。

何ができるかと一緒に、安心して相談し、仕事を進められる相手だと伝えていくことが大切です。安くできることだけを、自分の入口にしないでいただきたいと思います。

私も昔は、顔を出さずに仕事をしていました。個人事業のときに、きちんと表へ出て活動し始めると、つながる相手や仕事の流れが変わりました。その後、法人にしたときにも、発注してくださる企業が変わったという経験があります。

誰もが同じ道を取るべきだということではありませんが、相手からどう見えるかは、仕事に関わります。個々の方が培ってきた経験や、その人だからできることが、きちんと価値として評価されるためにも、企業が比較検討できる情報を整えていただければと思います。

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