メールマーケティングにおいて「開封率」はとても大切です。これは紙のダイレクトメールでも電子メールでも変わりません。ホームページで言うと「クリック率」。インパクトとしては「直帰率」に近いです。
そして、この「開封率(Open Rate)」を改善するためにまず最初に考えるのは何かと、考えると、まず思いつくのは「件名」です。
しかし、大事なのはそこだけではありません。具体的には「差出人(Sender)」の改善も行うことをお勧めします。
モバイル端末と、以前のデスクトップクライアントでは見栄えが違う
この画像を見ると、確かに件名が大事だなと感じます。
これは、Outlook 2003のリスト部分のスクリーンショットです。「検索結果を簡単に検索フォルダとして保存する|Outlook (アウトルック)|Microsoft atLife TIPS アーカイブ」から拝借しました。
懐かしいです…。このUIは当時ですとMozillaThunderbird、Beckyなども同じ見栄えだったかと思います。メールソフトといえばこの見た目でした。
では今はどうなっているかというと
今、どうなっているかというと、例えばGmailやAppleのMailなど大きな画面を使うクライアントは同じような見栄えになっています。
ただ、モバイルに目を向けると一転します。
iPhoneの純正メールアプリ
例えばiPhoneのメールアプリはこんな感じです。
右側はいいとして左側。(Apple公式サイトの画像です)
むしろ大きいのは「差出人」であって「件名」ではありません。件名はなくても送れますし。
つまり「何が送られてきた」よりも「誰が送ったか」が大きく出ているということです。
Gmail for iOS
続いてiPhoneからGmailを見ると。
※いいスクリーンショットがGoogleになかったので、私の迷惑メールフォルダです。
ぼやかしているところは、しなくてもいいかなと思ったのですが、念のため…
こちらも、やっぱり差出人のほうが目立っています。太字になっています。
Android系
基本的に上記と同じです。純正EメールとGmailアプリしか見ていませんが、大きく変わることはありませんでした。
モバイル系の端末では、差出人のほうが目立つ存在になっている
このスクリーンショットを見ると、デスクトップアプリとは異なり、モバイルでは差出人の方が目立つという事がわかります。
そして、プロモーションも含め、メールを見る場面はデスクトップからモバイルに移っていっています。私のメールマガジンは、読者層がWEB系ということで、偏っているとは思いますが、こんな感じです。
iPhoneがほとんど、そしてGmail(これはデスクトップかモバイルかは不明、OSも不明。Android系が多いのではないかと思います。Androidの割合が低いので)
仮にGmailの半分がスマートフォンだとすると、謎の24.1%を除いた75%のうち3分の2の50%近くがモバイル端末だということになります。
…
もちろん、まだまだデスクトップでの閲覧が主流のマーケットもたくさんあると思います。
ただ、長い目で見るとこっちの方向に進んでいくと考えるべきです。
件名より「差出人」が大事だという統計結果もある
eMarketerの記事「For Emails, Name Recognition Drives Opens – eMarketer」によると、
「プロモーション系のメールを読む時に影響を受ける要素はなにか?」という質問に対しての答えが以下です。
1237人、米国での調査なので、日本とモバイルの環境は多少違うかと思います。ただ、傾向として
- 差出人の名前に、親しみを感じる(あるいは、知っている所からのメールである):24.1%
- メールのタイトル・件名:16%
というように、タイトルより差出人が大事と感じている、というのは注目すべき点です。
…
また、同様の理由で「一度買ったショップからのメールは開く」という結果も出ています。
一度買ったというのはリアルでもネットでもどちらでもです。最初の1取引がいかに大事かということを改めて通関する結果です。
終わりに
まだまだモバイルじゃないよ、と言うご意見もあるかもしれませんが、トレンドとしてはモバイルでの情報収集の方向に向いているのは確実です。
今、私が受け取っているメールの中にも、差出人が設定されておらず、メールのユーザ名になってしまい、「info」ですとか「sb」ですとか、それだけが黒い太文字で出てしまっている、そんな残念な事例は結構有ります。
件名のチューニングも必要ですが、一度差出人の部分もスプリットテストなどを行って見てはいかがでしょうか。
中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから