ハッシュタグはSNSを活用する上で欠かせない物です。
Twitterからはじまり、FacebookやGoogle+にInstagramでもサポートされました。実質ほぼ全てのSNSで採用されています。
自分が発信した情報をグルーピングするのにも便利ですし、他の人が投稿しているハッシュタグを追いかけることで、特定のイベントや話題をうまく追いかけることもできます。
基本的には時系列で流れていくしか無かったストリーム・タイムラインが、ハッシュタグを使うと横断的に繋がりができるというわけです。
例えば以下の投稿でしたら「#google」「#seo」「#spyw」がハッシュタグです。ハッシュタグは自動的にリンクされるのでクリックするとそのハッシュタグが含まれている投稿を一覧で見ることができます
あ、GoogleのSERP。Search Plus Your World (SPYW)か、これ。 #google #SEO #spyw → pic.twitter.com/SjT8vefeTH
— 中山 陽平@WEB戦略ラウンドナップ (@b_gone) 2014, 3月 8
マーケティング面からはどうか?
このように機能として便利なハッシュタグですが、マーケティングの面から見るとどのように・どの程度使うべきなのか。乱発すれば良い物でもなさそうですし、それでは使わない方がいいのか。また、SNSによって差はあるのか。
これについて、SNS投稿に関するサービスを提供しているBufferが、ノウハウを記事で出しています。Bufferは、最も使われているSNS投稿支援サービス。このデータから導き出した結論です。
▼A Scientific Guide to Hashtags: How Many, Which Ones, and Where
https://blog.bufferapp.com/a-scientific-guide-to-hashtags-which-ones-work-when-and-how-many
この記事では「ハッシュタグは何個くらいが良いのか?そしてSNS事に差はあるのか?」という点を調査しています。
そして、結論から言えば、
- ハッシュタグは一般的に効果はあるが個数には要注意。
- SNSによっては使わない方が良いケースもあるという「ばらつき」を持っている
というものでした。
Twitterにおいては2倍のエンゲージメントを期待できる
Twitterはハッシュタグを使い始めた最初のSNSですが(多分)Buddy Mediaのリサーチによると
- ハッシュタグ付きのツイートは、ハッシュタグが全くないツイートに比べて、2倍のエンゲージメント(RT、Reply、Favoriteなど)を得られている
- ハッシュタグを1個ないし2個使った場合は21%のエンゲージメント率アップ
- ハッシュタグを3個以上使うと、17%のエンゲージメント率ダウン
ハッシュタグをつけたときに2倍のエンゲージメントが得られたというのは、Twitterの公式からの情報に寄ります。正確には「個人は2倍、ビジネスは1.5倍」でした。
Tweets with hashtags (the # symbol, immediately followed by the subject or keyword related to the Tweet) can increase engagement almost 100% (2x) for individuals and 50% (1.5x) for brands.
→ Best practices for journalists | Twitter Blogs https://blog.twitter.com/node/193
Twitterに関しては、因果関係では無く相関関係の話なので、必ずしもハッシュタグをつければすぐにエンゲージメントが上がるわけではありません。
恐らくですが、効果的にハッシュタグを使いこなす人はソーシャルメディア活用能力が高いでしょうから、その分エンゲージメント率が高いのはむべなるかなとも言えます。
ただ、興味深いかつ、最も今回気になったのはSNS毎の差です。
SNSによって、最適値が全然違う
例えばInstagramは、最もエンゲージメントが発生したのは「ハッシュタグが11個以上」の場合だったようです。なのでインスタグラムに関してはハッシュタグの数を気にする必要は内容です。恐らくこれはインスタグラムにおけるタグと、Twitterにおけるタグに対する意識の差なのかなと思います。
Twitterに関してはコミニュケーションの一環、インスタグラムに関してはいわゆる「タグ付け」と同じで、情報と情報を結びつけるための道具に過ぎない(だから多ければ多いほどインタラクションが増える)のではと思います。SNSを利用するときのユーザーの気持ちや期待する物、また、ユーザーインターフェイスにおいても、変わってくる部分でしょう。
…
Twitterがハッシュタグが3個以上が嫌われるというのはやはり「見て見て臭さ」「宣伝臭さ」というものを感じるからではと思います。ソーシャルメディアは「自然に広がり」「自然にバズる」ような方向性が好まれます。そこに金銭が絡むような情報は余り好まれません。言い方を変えると、そういう印象を相手に与えてはいけないと言うことです。
最も極端なのはFacebook…ハッシュタグはマイナス効果!
Facebookユーザーにおけるハッシュタグは、さらに極端です。
Facebookにおいてはハッシュタグは「マイナス」つまり「嫌われています」
以下は、ハッシュタグがある投稿とない投稿のバイラルリーチの差です。むしろハッシュタグがない方がバイラルしやすいという結果になっています。つまり、ハッシュタグ付きの投稿は「拡散しづらい」のだと。
また、同様にバイラルリーチだけで無く、エンゲージメントも低下する傾向があるようです。
これはなぜか?と考えるとやはり「見て見て臭さ」「宣伝臭さ」ではないかと。FacebookはTwitterよりもかなり人と人の距離が近いですから、そこにいきなり「宣伝」が舞い込んできたら、やっぱりそれに対してコメントしたりシェアするのは嫌なのではと思います。
実際、FacebookにTwitterなどと連動して流れてくる投稿があり、そこにハッシュタグがたくさんついていると
- Twitterに投稿するついでにFacebookに投稿しているだけなのか、あまり気合いは入っていなさそうだな
- いかにもたくさんの人に見て欲しい、自分本位のイメージ
が伝わってしまい、コメントやシェアを嫌がられてしまうのではないか、と。
裏を取ったわけではありませんが、そういう気持ちがこのマイナス評価に繋がっているのではないかと、経験上も思っています。
とにかくSNSは心理変化に対して過敏です。
まとめ
ハッシュタグ自体は有用なツールですが、情報を発信する立場としては、使い方に十分留意する必要があります。特にFacebookこれは、ハッシュタグを基本的には使わない方が反応は取れそうです。Twitterについては、1〜2個がベストのようです。
ハッシュタグ1つを取ってもこれだけ結果が変わってきます。
個の結果を基に、やり方をチューニングしてみてはいかがでしょうか。
人間の「気持ち」に近いサービスならあるほど、ちょっとした心理変化が大きな差を呼びます。できるだけ心配りのできる人が、ソーシャルメディア担当には適性があるのかもしれませんね。
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中小企業・小規模事業者の方々に向けて、ウェブの活用やホームページの戦略などについてWebコンサルティング、施策代行実施などを行っている、株式会社ラウンドナップ代表取締役の中山陽平です。中小企業のWeb活用をサポートし、そこからの反響獲得を実現させています。→プロフィール詳細はこちらから