
このページでは、中小企業が動画マーケティングの成果をどう判断するかをお伝えします。
動画を公開すると、どうしても再生数が気になります。
何回見られたのか。
いいねは付いたのか。
SNSで反応はあったのか。
もちろん、こうした数字を確認すること自体は悪くありません。
ただし、中小企業の動画活用では、そこだけを成果にしない方がよいです。
特に、自社サイト上で検討中の顧客に見てもらう動画なら、注目すべきは、バズっている他社動画との比較ではありません。
明確にデータが取れないものもありますが、注目すべきポイントは、来訪者の動きと行動変容です。
その人が動画を再生したのか。
最後まで見たのか。
問い合わせや商談の前に、不安が少し減ったのか。
そうした動きを判断材料にします。
動画マーケティングの成果を、再生数だけで判断しない
何万再生と比べなくてよい
YouTubeやSNSを見ると、何万回、何十万回と再生されている動画が目に入ります。
それと自社の動画を比べると、ほとんどの場合、少なく見えます。
ただ、そこで落ち込まなくて大丈夫です。
中小企業が自社サイト上で使う動画は、そもそも目的が違います。
目的は、知らない大勢の人に広く見られることではありません。
相談、来店、問い合わせ、商談を考えている人に、判断材料を渡すことです。
自社サイトに来た30人のうち、10人が動画を再生した。
その10人の問い合わせ内容が、以前より具体的になった。
こうした変化があるとしたら、外から見た再生数が少なくても意味があります。
一方で、SNSで何千回再生されても、自社の顧客ではない人ばかりに届いているなら、商売上の成果とは言い切れません。
KPIは、判断の参考となる数字として考える
KPIという言葉があります。
難しく考えなくて大丈夫です。
ここでは、その動画を置いたことが役に立っているかを考えるための、参考となる数字だと思ってください。
大事なのは、数字を増やすことそのものではありません。
数字を使って、次の判断ができることです。
- この動画は、ページを見た人の関心に合っているのか
- 最後まで見るだけの内容になっているのか
- 問い合わせや商談の前に、顧客が内容を理解できているのか
- 続けるべきか、見直すべきか
この判断ができれば、数字は動画の成果測定として十分に役立ちます。
まず確認するのは、自社サイト上での再生率
YouTube全体の再生数だけで判断しない
YouTubeに動画を置いている場合、管理画面には全体の再生数が表示されます。
それは参考になります。
ただ、自社サイトに埋め込んだ動画なら、まず確認したいのは自社サイト上での反応です。
例えば、サービスページに動画を置いたとします。
その場合に考えたいのは、次のようなことです。
- そのページに何人来たのか
- そのうち何人が動画を再生したのか
- どのくらいの割合で再生されたのか
- 再生した人は、どのあたりまで見たのか
ページを見た人のうち、動画を再生した人の割合が高い場合は、その動画はページ訪問者の関心に合っている可能性があります。
反対に、ページは見られているのに動画がほとんど再生されていない場合は、いくつか原因を考えます。
- 動画の置き場所が悪い
- サムネイルや見出しで内容が伝わっていない
- そのページの読者にとって、動画を見る理由が弱い
- そもそも動画にするテーマが合っていない
このように、再生率は「動画そのものの人気」ではなく、「そのページに来た人との相性」を考えるために使います。
ページ閲覧数が少ない場合は、動画だけを責めない
動画を置いたページ自体がほとんど見られていない場合もあります。
その場合、動画の良し悪しだけでは判断できません。
ページに人が来ていなければ、動画を再生する人も増えにくいからです。
この場合は、動画の改善だけでなく、ページへの導線も確認します。
- サイト内のどこからそのページへ行けるのか
- 関連ページからリンクされているか
- 問い合わせ前に見るべきページとして案内しているか
- 営業や商談前に、そのページを共有しているか
動画の成果測定では、動画単体だけを切り出さない方がよいです。
動画を置いたページ、導線、顧客の検討段階を併せて考えていくことが重要ですね。
視聴者維持率で、内容が合っているかを考える
再生された後に、どこで離脱しているか
再生率が高くても、すぐに離脱されている場合は別の問題があります。
動画の冒頭を再生した人が多い。
ただ、数秒で離れている。
この場合、動画の切り口や見せ方が期待とずれているかもしれません。
例えば、次のような可能性があります。
- 冒頭の前置きが長い
- 見たい場面になかなか入らない
- 音声が聞き取りづらい
- 映像が暗い、揺れる、見づらい
- タイトルやサムネイルで期待した内容と違う
- 専門用語が多く、すぐに理解しづらい
視聴者維持率は、動画の内容が見込み客に合っているかを考える材料になります。
最後まで見られている場合は、少なくとも内容や長さに大きなズレは少ないと考えられます。
途中で大きく離脱している場合は、その前後を見直します。
長さよりも、最初に知りたいことへ進めているか
動画の長さだけで良し悪しは決まりません。
短ければよい、長ければ悪い、という話ではありません。
ただし、見込み客は忙しいです。
知りたいことにたどり着くまでが長いと、離脱しやすくなります。
忙しいということは、常に頭に置いておくべきです。
動画の冒頭では、できるだけ早く「この動画で何が分かるのか」を伝えます。
会社のあいさつや前置きが長いと、顧客は待ってくれません。
特に自社サイト上の動画では、顧客はすでに何かを調べています。
その人が知りたいことへ、すぐ入る。
これがとても大事です。
問い合わせや商談の変化も成果として見る
数字だけでは見えない変化がある
動画の成果は、画面上の数字だけでは判断しきれません。
問い合わせ内容や商談時の会話にも変化が出ます。
例えば、次のような変化です。
- 問い合わせ時点で、すでに検討が進んでいる顧客が増えた
- 「だいたい分かったので相談したい」という問い合わせが増えた
- 商談で毎回聞かれていた質問が減った
- 初回説明にかかる時間が短くなった
- 顧客がサービスの流れを先に理解している
- ミスマッチが減った
- 実際に動画を見せると、分かりやすいという反応が返ってくる
こうした変化がある場合は、動画やWeb上のコンテンツが効いている可能性があります。
もちろん、動画だけの成果とは限りません。
ページ本文、写真、事例、FAQ、営業資料、紹介経路。
いくつもの情報が合わさって、顧客は判断を進めます。
そのうえで、動画を置いた後に問い合わせや商談の質が変わってきた場合は、その変化は十分に判断材料になります。
営業や現場の人に聞く
この変化は、アクセス解析画面だけでは分かりません。
営業や現場の人、直接お客様と接している人に聞いてください。
例えば、以下のようなことを聞いてみてはどうでしょうか。
- 最近、問い合わせ内容は変わったか
- 毎回説明していたことを、先に分かっている人は増えたか
- 動画を見たと言う人はいるか
- 動画をその場で見せたとき、反応はどうだったか
- 説明時間は短くなったか
- 相談前の不安は減っているように見えるか
こうした声を月1回集めるだけで、数字だけでは分からない変化が見えてきます。
大がかりなレポートでなくても構いません。
簡単なメモで十分です。
厳密な因果を求めすぎない
顧客は、どの情報を見たか覚えていないことがある
注意したいことがあります。
顧客は、自分がどの情報を見て判断したかを正確に覚えていないことがあります。
Webサイトを見て、動画を見て、口コミを見て、比較サイトを見て、もう一度サイトに戻ってくる。
こうした流れは珍しくありません。
そのため、「この動画だけで問い合わせが何件増えた」と言い切るのは難しいです。
無理に言い切ろうとすると、間違った判断をする可能性があります。
動画の内容や品質だけで成果が決まるわけではありません。
顧客が判断するための材料のひとつです。
そのため、数字と現場の変化を合わせて考えます。
小さな変化を積み上げて判断する
中小企業のサイトでは、母数となるアクセス数が大きくないことも多いです。
ページ閲覧数が少ない月もあります。
動画再生数も、数件、数十件ということがあります。
とはいえ、その数字に意味がないわけではありません。
母数となるアクセス数が少なくても、次のような変化は判断材料になります。
- 以前より再生率が上がっている
- 最後まで見られる割合が上がっている
- 問い合わせ内容が具体的になっている
- 商談での説明が少し楽になっている
- 動画を見せたときの反応がよい
大事なのは、1つの数字だけで断定しないことです。
数字、問い合わせ、商談、現場の反応を合わせて、続けるか、直すかを考えましょう。
SNSの反応を追いすぎると、間違った判断をしやすい
いいねが少なくても、価値がないとは限らない
SNSでは、再生数やいいね数が目立ちます。
少ないと、不安になるかもしれません。
ただ、商売に関係する動画は、良いと思われても反応が残らないことがあります。
見た人が「参考になった」と思っても、いいねを押すとは限りません。
いいねを押すことで、自分のおすすめ表示が変わることを知っている人もいます。
また、検討中の商品やサービスについて、人前で反応を残したくない人もいます。
そのため、SNS上の反応が少ないだけで、その動画をやめるのはもったいないです。
- 自社サイト上で見込み客が再生しているか
- 問い合わせや商談に良い変化があるか
行動変容も含めて、一緒に判断します。
バズを狙うと、見込み客から離れることがある
SNSの反応を追いすぎると、動画の中身が変わりやすくなります。
目立つ話題に寄せる。
強い言い方をする。
エンタメ性を優先する。
短く刺激的にする。
その結果、再生数は増えるかもしれません。
しかし、自社の見込み客が本当に知りたい情報から離れることがあります。
中小企業の動画マーケティングでは、反応を取ることよりも、検討中の顧客に判断材料を渡すことを優先します。
再生数やいいね数は、参考にしてよいです。
ただし、主役にしない。
ここを間違えないことが大事です。
成果が出ているかを判断する簡単な見方
続けてよいサイン
次のような変化があれば、その動画は続ける価値があります。
- 自社サイト上で一定の割合で再生されている
- 視聴者維持率が大きく崩れていない
- 問い合わせ内容が具体的になっている
- 商談で毎回聞かれていた質問が減っている
- 営業や現場の人が説明しやすくなったと感じている
- 顧客に動画を見せたとき、反応がよい
この場合は、いきなり作り直すより、掲載場所を増やしたり、関連ページから案内したりする方がよいです。
見直した方がよいサイン
反対に、次のような場合は見直しを考えます。
- ページは見られているのに、動画がほとんど再生されていない
- 再生されても、冒頭ですぐ離脱されている
- 問い合わせや商談の変化がまったくない
- 動画を見せても反応が薄い
- 内容が長すぎて、見たい部分にたどり着きにくい
- 自社らしさよりも、見栄えや演出が前に出ている
見直すときは、全部を作り直さなくても大丈夫です。
- 冒頭を短くする
- サムネイルや見出しを変える
- 置くページを変える
- 字幕や音声を改善する
こうした小さな改善から始めます。
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- 顧客の行動変容が起きているのか
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