
業種で分けず、届けたい内容で決める
このページでは、中小企業が「何を動画にするべきか」を判断するための考え方をお伝えします。
最初に押さえたいのは、業種名で動画の向き不向きを決めないことです。
動画マーケティングの話では、業種別の成功事例がよく出てきます。
- BtoBならこの動画
- 士業ならこの動画
- 店舗ビジネスならこの動画
- 採用サイトならこの動画
このように業種ごとに考えると、一見分かりやすく見えます。
しかし、動画が適しているかどうかを、自社の属する業界で判断するのはお勧めできません。
なぜなら、どの業種でも動画を活用できる場面はあるからです。
反対に、どの業種でも動画にしなくてよい情報があります。
必要か不要かは、業種名ではなく、届けたい内容の性質で判断するべきなのです。
顧客が検討中に何を知りたいのか。
文字や画像だけでは何が伝わりにくいのか。
体験に近い形で見せた方が、顧客が判断しやすくなる情報は何か。
そこから動画にする内容を考えます。
必要か不要かは、コンテンツの性質で判断する
例えば、スペックや料金、条件で判断しやすい情報は、文字や表の方が向いています。
一方で、文字や画像だけでは伝わりにくい情報は、動画にする価値があるわけです。
- 顧客が体験しないと分かりにくい情報か
- 静止画だけでは流れや動きが伝わりにくい情報か
- 声、話し方、空気感が判断材料になる情報か
- 先に見ておくと、問い合わせや来店前の不安が減る情報か
- 文章で説明すると長くなるが、動画なら短く伝わる情報か
このような情報は、動画に向いています。
業種でくくるのではなく、伝えたい内容で決めるべきです。
顧客が判断したい情報の代表例
ここからは、動画に向く情報を「顧客が何を判断したいか」で分けて考えます。
すべてのパターンを網羅するのではなく、代表的な例として見てください。
業種ではなく、情報の種類で分けると考えやすくなります。
- 例1: 人や場所の雰囲気
- 例2: 相談、来店、訪問、導入の流れ
- 例3: 作業、施術、操作の動き
- 例4: 変化や仕上がり
- 例5: 後から確認したい説明
このような例に近い情報があるかを考えると、自社で最初に作る動画を選びやすくなります。
例1: 人や場所の雰囲気
顧客は、サイトに書かれた「親切」「丁寧」「安心」という言葉だけでは判断できません。
写真があっても、実際の声、話し方、距離感、空気までは伝わりにくいです。
顧客は、問い合わせや来店の前に次のようなことを知りたいものです。
- 実際にどんな人が対応するのか
- どんな声で話すのか
- 店舗やオフィスはどのような空気なのか
- 相談しやすそうか
- 子どもや家族を連れて行きやすいか
- 断りづらい雰囲気ではないか
例えば、税理士、社労士、弁護士、弁理士、コンサルタントなどでは、相談前に対応する人の雰囲気を知りたいものです。
歯医者、整体院、鍼灸院、リラクゼーション、学習塾・各種スクールなどでは、来店前に店舗やスタッフの雰囲気を知りたいものです。
この場合は、次のような動画が候補になります。
- 代表やスタッフの自己紹介
- 店舗やオフィスの紹介
- 面談室やオンライン相談の雰囲気
- 受付や待合の雰囲気
- 実際に顧客と接する場面
大事なのは、会社が見せたい理想像ではなく、顧客が実際に接する場面を見せることです。
過剰に演出すると、かえって嘘っぽく見えることがあります。
一方で、雑でよいわけでもありません。
手ぶれ、聞き取りづらい音声、長すぎる前置き、内輪のノリは避けます。
見ている人の時間を使っていることを前提に、短く分かりやすく整えます。
採用に動画を使う場合も、人や場所の雰囲気を伝えるという考え方は同じです。
ただし、求職者向けの動画は顧客向けの動画とは目的が違います。
同じ素材を使う場合でも、誰に何を判断してもらうための動画なのかを分けて考えましょう。
例2: 相談、来店、訪問、導入の流れ
顧客は、初回相談や来店、訪問、導入の前に、当日の流れを知りたいものです。
流れが分からないと、問い合わせや来店の前に不安が残ります。
例えば、次のような不安です。
- 初回相談で何を聞かれるのか
- どこまで話してよいのか
- 来店後に何をするのか
- 自宅や敷地に来る人は、どのように説明してくれるのか
- 作業前後にどのような確認があるのか
- 導入までに何をするのか
工務店、外壁塗装、リフォーム、修理、訪問型サービスなどでは、自宅や敷地に人が来るため、流れを先に知りたいという需要があります。
BtoBでも同じです。
専門サービス、製造業、ITサービス、業務改善支援などでは、文章や画像だけではサービスの全体像や導入までの進み方が伝わりづらいことがあります。
この場合は、次のような動画が候補になります。
- 初回相談の流れ
- 来店から受付までの流れ
- 訪問時のあいさつや作業前説明
- 作業後の確認
- サービス全体の流れ
- 導入までのステップ
商談前にこうした動画を見てもらうと、顧客はサービスの流れを理解した状態で話し始められます。
その結果、商談では具体的な課題や条件について話しやすくなります。
例3: 作業、施術、操作の動き
静止画では、一場面しか見せられません。
文章では、手順や背景を説明できます。
ただ、作業の動き、施術の進み方、操作画面の変化、使用中の音は、文章や写真だけでは伝わりづらいことがあります。
この場合は、次のような動画が候補になります。
- 作業中の手順や手元の動き
- 施術中の動き
- 商品を実際に使っている様子
- 操作画面がどう動くか
- 製造工程や検査工程
- 使用時の音やスピード感
顧客が知りたいのは、きれいな映像だけではありません。
実際にどのように進むのか。
自分が利用したときに、どのような体験になるのか。
そこを判断できる情報として、動画を使います。
例4: 変化や仕上がり
Before/Afterや仕上がりは、顧客が変化を理解するための判断材料になります。
ただし、見せ方には注意しましょう。
過度に加工した映像や、良く見える角度だけを切り出した動画は、信頼を下げることがあります。
顧客は、きれいな完成映像だけを見たいわけではありません。
作業中の説明、仕上がりの確認、注意点まで含めて見たいものです。
この場合は、次のような動画が候補になります。
- 作業前後の変化
- 使用前後の変化
- 導入前後の業務の変化
- 仕上がりを確認する場面
- 注意点や限界を説明する場面
良く見せることより、顧客が判断しやすい情報を出すことを優先します。
例5: 後から確認したい説明
動画は、自社サイト上で見せるだけでなく、営業資料や提案書にも流用できます。
ただし、営業資料に流用すること自体を目的にするのではありません。
まずは、顧客が文章や画像だけでは理解しづらい内容を動画で伝えます。
その上で、営業資料や提案書から動画を見返せるようにすると、顧客は後から確認しやすくなります。
例えば、次のような内容です。
- よくある誤解への回答
- 事例の背景と進め方
- 比較時に見落としやすい注意点
- 商談で毎回説明している考え方
- 判断前に確認してほしい補足
動画だけで完結させようとしないことが大事です。
動画で流れや雰囲気を伝えます。
資料で条件、料金、比較、導入ステップを確認できるようにします。
このように組み合わせると、顧客は必要な情報を自分のペースで確認できます。
動画にしなくてよい情報もある
文字で十分な情報は、文字で伝える
動画に向く情報を考えるときは、動画にしなくてよい情報も確認します。
例えば、次のような情報です。
- 営業時間
- 料金表
- 対象地域
- 持ち物
- キャンセル規定
- 申し込み手順
- 保証条件
これらは、顧客が必要な時にすぐ確認したい情報です。
動画で説明すると、必要な情報にたどり着くまで時間がかかります。
まず文字で分かりやすく書く方が親切です。
動画は補助として使う
動画は便利ですが、万能ではありません。
動画で、顧客が体験しないと分かりにくい情報を補います。
文章で条件や背景を支えます。
写真で見た目を確認できるようにします。
図解で流れを分かりやすくします。
この組み合わせで考えると、顧客にとって分かりやすいページになります。
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