こんにちは、ラウンドナップ・Webコンサルティング代表の中山です。
この記事を読もうとしている方はきっと
- Webコンサルティング会社に依頼すると、普通のHP制作会社や広告代理店と何が変わってくるのだろう
- Webコンサルタントというのは、いったい何をしてくれるのだろう(Webマーケターとは何が違うの?)
- 良い意見も悪い意見も聞くけれど、実際はどうなんだろう
- うちって、Webコンサルティング会社入れる必要あるのだろうか
などの疑問をお持ちではないでしょうか。
ただ、そう思ってネット上で検索しても、
- 一般的な言葉の定義を元に膨らませただけの内容
- 結果的に、自社サービスの優位性の話に持っていく内容
- 個人的な体験をもとに、一般論を推測する内容
が多いのが現状です。ただ、それは実際として「しかたない」部分が大きいのです。
そこで、この記事では、
- 曖昧にならざるを得ないその理由
- 「Webコンサルタント」「Webコンサルティング会社」の大まかな分類
を扱います
私はWebコンサルタントと名刺に書き始めてから10年以上、Web業界には20年近くおります。
また、特定の団体や協会、暗黙のグループなどには所属していません。なので、比較的フラットに書けるかなと。
とは言え私もWebコンサルティングを主軸業務としているので、その辺りは割り引いてお読み下さい。
そもそもはじめの一歩を踏み出せない…という方はこちらの動画もご覧下さい。
「Webコンサルタントです」は「サッカーを教えています」と同じくらいの粒の大きさ
結論から言えば、Webコンサルタントという肩書きからある程度推測できるのは
- この人は、Web業界にいる人なのだな
- 誰か・何かの課題を解決する役割を担っているのだろうな
くらいです。
例えるなら「サッカーを教えています」と同じくらい、ぼやっとしています。もし、初対面の人に「サッカーを教えています」と自己紹介されたらどうでしょうか。
「誰に?小学生?大学生?社会人?技術の部分だけ?戦術とかも含めて?監督やコーチっていうこと?もしや今の時代eスポーツとか?」など、いろいろな疑問がわくのではないでしょうか。
そしてきっと「例えば…どんなことをされてるんですか」と聞きますよね。
それくらい、なんとも言えない自己紹介なのです。「Webコンサルをやっています」という言葉も。Webコンサルを名乗ることも。
Webコンサルに定義はない
そして、Webコンサルタントに決まった定義はありません。
税理士・社労士・司法書士・行政書士・弁護士・弁理士の方々のように独占業務もありません。
国家資格も必要ありません。
民間資格はたくさんありますが、オーソリティのある資格、言いかえると、転職で有利になる資格は私の知る限りではありません。
なので、下記のような質問には
「特に決まっていません、みな好きなように言っています」
と返すのが誠実な答えだと、私は思っています。
- Webコンサルタントって何?定義は?
- Webコンサルティングの業務内容は?何をしてくれるの?
- Webコンサルティングって必要?
実際、コンサルによって得意分野も違いますし、カバーしている範囲も全然違います。そのため業務内容も、費用も、必要性も、一概に答えを出せません。
そして、なぜそんなに違うかというと、
「一般的なWeb業界の肩書きからはみ出た人」がまず思いつく行き先が「Webコンサルタント」だからです。
定義を追っても意味が無い、自分たちのニーズを叶えてくれる所を選べばいい
Webコンサルの定義を追っていても、何も進みません。そうではなく、
「自分たちのニーズに答える所を探そう、結果的にそれはコンサルになるかも知れないし、制作会社や代理店かも知れないが」
と考えることをお勧めします。
ただ、とは言えどのように相手が自分のニーズを叶えてくれそうか判断するかは悩ましいところです。スキルはなかなか目に見えないからです。
バックグラウンドが参考になる
私のお勧めは、バックグラウンドをまずは知ることです。
コンサルになるためには、大きく3つのルートがあります。どのルートを通ってきたかで、コンサルの得意分野が見えてきます。
それは
- 「ホームページ制作会社(Webサイト制作会社)・Web広告代理店から入ってくるケース」
- 「リアル系コンサル会社から入ってくるケース」
- 「フリーランスのオールラウンダーが転身するケース」
です。
I型人材、T型人材、π型人材、H型人材なんていう言葉が一時流行りました。
その最初の1本目のスペシャリスト軸が、そのコンサルの考え方や得意分野を決めます。
※特にコンサル歴が短い人はそうです。
長くやっていると、目線が上がってくる人は自分の過去にとらわれずに発想するようになります。
それぞれ、あくまで私見ですが以下の様な傾向があります。
1「ホームページ制作会社・Web広告代理店から入ってくるケース」
端的に言えばWebデザイナーやディレクターが、スキルのカバー範囲を広げる過程で名乗りも変えた形です。
なので、その前にやっていた業務のスキルを軸に戦います。
結果として
- 現場の技術に強い、HPを自分で作ろうと思えば作れるし、現場で手を動かす際に必要となるスキルや情報収集に強い
- 制作会社の場合はSEO寄りの施策になることが多い(大手案件の会社にいると全然違いますが)広告代理店は、広告ありきでそれを伸ばすためにSEOや制作の部分に造詣があるケースが多い。
- 通年計画を立てたり、経営者と対話したり、ビジネスそのものからのコンサルは興味関心の問題で、手薄になっているケースが多い
- 事業会社側のビジネスの経験が直接的にも間接的にも無いことが多い
という傾向があります(もちろんはみ出る人はいます、あくまで傾向です)
2「リアル系コンサル会社から入ってくるケース」
国内・外資問わずコンサルティングファームがあります。有名な所以外にも、知られていないような小さいけれど一部に影響力のあるコンサル会社など、さまざまです。
そういったところが、Webをやらないわけには行かないということで業務を水平に広げてくるケースがあります。経営コンサルや戦略コンサルなどを行っている会社でWebをやっていない会社はゼロではと思います。
やっていないところはバックオフィス系の業務コンサルですとか、そもそも広げる必要が無い会社ですね。M&Aですとか。
こういったところは、以下の様な傾向があります
- 今までコンサルを行ってきたので、プロジェクトを動かしていくことに慣れている
- 経営層や執行役員レベルとのスムーズな対話や、先回しての準備に長けている
- ネットをあくまでツールとして見ており、特定の手法やWeb的な常識にとらわれず全体を見たコンサルを受けられる事が多い
- Webの詳しい部分は下請けに投げていて、コンサル自身は詳しくないことがある。そのため、今はリアルは良いので、ウェブに力を入れたいという思いだと、ミスマッチになることがある
- 良くも悪くも担当者がしっかりついて動かすことが前提なので、現場に少なくない負荷をかける事が多く、費用も高いことが多い。
私も外資系大手や国内の中規模コンサル会社さまと、Webの部分だけきりだしてこちらでやったことがありますが、基本的には「全体の経営や戦略コンサルをやる前提」で「その中でWebについてもカバーしてもらえる」位で考えないとギャップが大きいように思います。
ただ、優秀な人たくさんいるのも事実ですし、業種毎に経験豊富ですので、なんというかWebコンサルという枠組みで依頼するのがそもそも良くないと思う所です。
ちなみにリアル系から独立して、Webの知識がないけれど、パートナー会社がいて丸投げできるから、Webコンサルを名乗っている人も時々いますが、私は正直お勧めしません。
Webの世界は大なり小なり、現場経験が無いと、上手く動かないと思うからです。
私もDTPデザイナーから入りWebデザイン、ディレクション、システム開発、UIデザインなど幅広くやってきたことで、いろいろな立場の人と腹を割って話せるので「やっててよかった実務経験」と日々強く感じています。すぐに質問回答できますしね,
細かい所も。
3「フリーランスのオールラウンダーが転身するケース」
3つ目ですが、これが一番難しいです。
そして、ネットで目にする個人系のコンサルはこのケースが多いです。
これは本当にまちまちです。
様々な出自のもと、その経験を活かして素晴らしいコンサルをしている方もたくさんいます。そのまま小規模な会社に法人化しているケースも多いです。
逆に、言葉は悪いですがブロガーやアフィリエイターが法人に業務を広げたくて名乗るケースもあり、その場合自分の得意分野以外は期待できません。いわゆるコンサル的な目線での助言や行動は、難しいケースが多いです。
バッサリここを切り捨てるのは勿体ないので
- 得意分野は何か
- 過去何をやってきてコンサルになったか
- 普段どんなことをお客さまに対してやっているか
など、バックグラウンドを中心に評価をするのが良いと思います。私も初めてお仕事する方にはその辺りをうかがっています。
ちなみに、法人か個人事業主かと聞かれれば、やはり法人の方が良いです。なぜなら、少なくともそれを維持する売上はあると言うことですし、法人になればいろいろな経営数字を見なければなりませんので、話が合いやすいからです。契約書等もしっかりしています。
また、政府のインボイス制度導入の流れなども考えると、課税業者とのお付き合いがお勧めです。
…
と、3つご紹介しました。
どれを選ぶにしても、バックグラウンドを知ることが大切なように思います。また、コンサルの方も、それをきちんと表に出すとマッチング精度が上がり、お仕事も楽になるのではないでしょうか。
コンサルの定義はまちまちだが…さておきおすすめはワンストップ対応型
その上で「どこまでやってくれるの?」「何が得意なの?」という疑問の答えですが、「自分がやって欲しいことをスムーズにこなせる所と契約する」と考えて下さい。
Webコンサル会社にこんなこと頼めないのでは…といった心配は不要です。
また、「何を結果として欲しいのか」を伝えて下さい。「SEOをやって欲しい」「ホームページをリニューアルして欲しい」のではなく「ターゲット顧客の集客を●倍にしたい」「反響を月20件まで伸ばしたい」などです。
ここまでお伝えしました通り、Webコンサルというのは業務の枠組みがバラバラです。
なので、依頼したいことをカバーしてくれる会社に頼むと考えて下さい。
…
そして、結論としては、多くの中小企業の場合は「ワンストップ型が安心」だと思います。
制作や運用、SEOや広告など基本的な部分の対応ができてかつ、戦略提案や問題発見をしてくれるところです。
提案のみ型とワンストップ型、どちらを選べば良いか
Webコンサルティング会社は、「提案と助言だけ(MTG参加・随時のアドバイス・月次提案書だけ等)」と「一緒に制作やマーケティング施策などもやってくれる型」のどちらかに分かれます。
自分たちで別に制作会社を探している、付き合いがある、あるいは制作は社内でできる、マーケティングの施策も実行できるのであれば、提案助言だけのところが良いでしょう。
しかし、多くの場合ワンストップ型が良いです。なぜなら、ロスが少ないからです。
現場で少なからず遭遇するのが
「戦略を立てたコンサルの意図が、うまく実作業チーム(Webマーケティングチームやウェブ広告運用チーム、Web製作チームなど)に伝わらず、思ったような物ができず進まず沈没した」
ケースです。大体こういう状態の会社は月次MTGがお通夜か、静かな責任の押し付け合いに終始します。
複数の会社と付き合いながらプロジェクトを進めるのは大変です。
しかしワンストップ型なら、意思疎通がスムーズですから、速度も品質も上がります。(実は制作は外に丸投げ等だった場合、意味がありませんが)
また、合わせての方が、コミュニケーションコストが抑えられるので費用も少なく済みます。
プロジェクトを回す人材が社内にいない場合は、ワンストップ型のサービスと付き合うことをお勧めします。
○○コンサルという肩書きは気にした方がいい?
ただのWebコンサルタントではなく、いろいろな単語がついているケースがあります。
Webがない時代からのコンサルはいろいろ分類されていますが、私としては大きく2つに分ければ十分と思っています。それは
- 経営コンサルタント
- 業務コンサルタント
経営コンサルタントは、文字通り会社全体を見るものですね。マーケティングや販売はもちろん、人事評価制度やブランディング、投資、新規事業など経営者が考える内容をサポートします。
業務コンサルタントは、ITであったり、販促であったり、人事労務であったりと特定分野のコンサルです。Webは基本は業務コンサルだと思っています。
その上で、Webも戦略とか、中小企業とか、業界名とか、マーケティングとか、いろいろつきます。
私としては「一切気にしなくて良い、ただし業種特化だけはチェック」をお勧めします。
なぜ気にしなくていいかというと、そんなに明確にノウハウが区切れないからです。こういう肩書きを気にしなければならないのは、その名前によってノウハウが大きく変わってくる場合です。
Webの場合ほとんど無いと思います。強いて言えばECはちょっと独特かもしれません。とにかくEC通販!ならECコンサルタントを探した方がいいかもしれません。
ただ、業種特化型は、自分の業種に合った物があれば、話を聞く価値があります。なぜならノウハウは、こなしたトライアンドエラーの量で決まるからです。そして業種と区切ると、ノウハウの洗練が速いからです。
業種特化型系は、言うほどの物ではなかったり、関連資格を持ったスタッフがいるだけだったりと、実態は様々なので飛びつくのは危険ですが、視野に入れて良いのではないでしょうか。
まとめ:Webコンサルが必要か?と考えても答えはありません、結果的にそうなるか、ならないかです
長くなりましたが、Webコンサルタント・Webコンサルティングと一口に言っても様々だということが伝われば幸いです。
HP作成は制作会社、広告は広告代理店、全体のアドバイスはWebコンサル…と、縦割りで考えるのはお勧めしません。
きっちりノウハウが分かれているわけではなく、重なり合っているからです。
あなたが実現したい事をまとめて、それを相談して、一番「ここが相性が良い」と思ったところと長くパートナーとしてやっていくのがよいです。
そして、その中に弊社が入ればとてもうれしいです。その際はお気軽にお問合せ下さい。
ラウンドナップ 中山