第12回:Webサイト改善案の発案と実行のコツ

課題が見えたら、次は「どう動くか」

WEB解析HTML_アイキャッチ画像アクセス解析やユーザーテストを通じて、Webサイトの課題が浮かび上がってきたとします。ここからは、その課題をいかにしてクリアしていくか、つまり改善案の発案と実行の局面に入ります。

この局面で意識しておきたいことは、大きく四つあります。

  1. 必要最低限の少数メンバーでブレストを行うこと
  2. 一度にたくさんの施策をやらないこと
  3. 細かいところの積み重ねが効果を生むと忘れないこと
  4. きちんと結果を計測できるようにしておくこと

一つずつ見ていきましょう。

ブレストは「必要最低限の少数メンバー」で行う

まずは関係者を集めてブレインストーミングを行います。司会はWeb担当者であるあなた自身が務めてください。サービスや商品を売ることが目的ならば営業部門と一緒に、ブランディングが目的ならそれに加えて広報も入ってもらいたいところです。

議論の軸は、「サイトの目的、つまり会社の目的を達成するために何が足りないか、何が必要か」、そして「その中でWebサイトがフォローできることは何か」の二点です。Webサイトは、あくまで顧客や見込み客との接点の一つにすぎません。その前提のもとで、今の経営上の課題をWebでどこまで解決できるのかを、関係者の間で意識合わせしていきましょう。

Webを特別視しないこと

ここで強調しておきたいのは、Webを特別扱いしないということです。電話、FAX、訪問、Web。チャンネルが違うだけで、本質的には並列の存在だと捉えるくらいがちょうどよいバランスです。

「Webは今までの営業とは違う新時代のものだ」とお高くとまってしまうのが、実は一番よくありません。現実として、成功企業と言われるDELLでさえ、初回購入後のアフターフォローは人間が行っています。Webはあくまで入り口を作ったにすぎませんし、そもそもDELLというブランドを築いたのは先人たちの積み重ねです。SNSで売上が上がったという話も耳にしますが、その何十倍もSNS以外のチャンネルで売り上げているのが実際のところです。

こうした前提に立つと、他部署との連携が欠かせないことが自然と見えてきます。リアルの営業部門とWebサイトの運営部門の関係が良好であるほど、情報交換が活発であるほど、両者にシナジーが生まれます。

部署を横断したシナジーを意識する

営業サイドは、見込み度の低い顧客へのアプローチ手段としてWebサイトを活用できます。一方、Webサイト運営側は、インターネットの世界では非常に貴重な「生の顧客の声」を営業サイドから得ることができます。お互いの強みを持ち寄ることで、単独では到達できない成果が見えてくるわけです。

可能であれば、サービスのアフターフォロー部門とも関係を持ってください。アフターフォローの担当者は、自社の商品を実際に使っている顧客について、おそらく社内で一番詳しい存在です。どのあたりが顧客の心に刺さったのか、精度の高い情報を持っています。

ただし、メンバーは絞ること

部署横断の連携は大切ですが、ブレストに参加するメンバーは「必要最低限」に絞ってください。人数が増えると、意見がまとまらなくなるからです。直接の利害関係がない部署は、思い切って外しましょう。目的を共有する人たちの中で、スピーディに意識合わせができればそれで十分です。

全社的な合意は必ずしも必要ありません。言い方は少々きついですが、うまくいかなければ「そらみろ、言った通りだろう」と言い、うまくいけば「予算をかけたのだから当たり前だ」と言う人は、どの組織にも存在します。そうした声に振り回されてイライラし、短期的な施策ばかり打つようになるのが一番もったいない。Webサイトは長い目で育てるものですから、必要最低限のメンバーの意志だけを聞くようにしましょう。

一度にたくさんの施策を打たない

改善案が出そろうと、つい一気に手を打ちたくなります。しかし、一度にたくさんの施策を実行するのはおすすめしません。理由はシンプルで、どれが功を奏したのか分からなくなってしまうからです。

Webサイトは改善の余地がたくさんある一方で、ある一手で革命的に変わることはまずありません。細かく「良くなった要素」を積み上げていくことこそが、成功への王道です。そして、その「良くなった要素」をストックし、きちんと計測しておくことが、今後のためにも欠かせません。

一度に多くの策を打ってしまうと、たとえ数字が改善したとしても、何が主要因なのかが見えなくなります。それではノウハウが溜まらず、次に活かすことができません。逆に、成功要因を一つひとつ丁寧に溜め込んでおけば、次にサイトを作るとき、あるいは次の改善に取り組むとき、成功へのスピードは格段に速くなります。担当者としての自信にもつながるはずです。

計測できる状態を先に整える

施策を打つ前に、結果を計測できる状態を整えておくことも忘れないでください。せっかく改善に取り組んでも、ビフォー・アフターを数字で示せなければ、施策が有効だったのかどうかの判断がつきません。前回までにお話ししたアクセス解析の基盤がここで活きてきます。

改善案の発案から実行までの流れをまとめると、少数精鋭でブレストし、施策は一つずつ打ち、結果を計測して次に活かす。地味に見えるかもしれませんが、この積み重ねがWebサイトを着実に成長させる土台になります。

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