情報収集は欠かさずに
施策を実行し、結果を確認して次の一手を考える。このサイクルを回し続けるために欠かせないのが、日々の情報収集です。
Web業界はトレンドの移り変わりが速く、少し目を離しただけで景色が変わっていることも珍しくありません。
基本的にはトレンドフォローの姿勢が大切ですが、自社のサイトに取り込むとなれば、きちんと情報を深掘りし、メリットとデメリットをまとめられるくらいまで理解しておかないとリスクが高くなります。
押さえておきたい情報の種類
改めて整理すると、Web担当者として押さえておきたい情報は大きく分けて次の四つです。
- Web解析のノウハウや新技術
- 新しい解析サービスの情報
- 最新のSEO・SEM、マーケティング周りの動向
- ネット上での同業他社の動き
業界的な情報が中心になります。ツールやチャンネルとしてのIT業界の情報と、競合他社の動きを含む自社の狙っている市場の情報。この二つの軸を意識しておくと、収集すべき範囲がぶれにくくなります。
情報源はネットと書籍を使い分ける
一般的に業界の情報は業界紙で得ることが多いですが、Web業界には、いわゆる「業界紙」にあたるものがまだ十分に整っていません。
現状、その役割を担っているのはSNSで信頼できるアカウント、ネット上の大手サイトや、オーソリティのあるブログです。
こうしたサイトをRSSリーダーに登録しておき、通勤中や合間の時間にチェックする習慣をつけましょう。あるいはAI等を使って情報収集システムを自分で組んでも良いと思います(私はそうしています)
きっちり記事を読み切る必要はありません。流し読みでも目を通しておくと、何かあったときに「どこかで見た気がする」「あの辺に関係する記事があったはずだ」と思い出しやすくなります。
人間は潜在的に覚えていることもあるそうで、日常的に情報に触れておくだけで自然と発想が広がるとも言われています。スマートフォンがあれば隙間時間を有効に使えますから、ぼんやり過ごす時間を情報チェックに充てるだけでも、蓄積は着実に増えていきます。
体系的な学習には書籍が一番
トレンド情報のように鮮度が命のものはネットから取得するのがベストですが、HTMLをきちんと理解したい、JavaScriptを覚えたい、統計をしっかり学びたいといった半年から1年程度のスパンでも問題ないテーマについては、やはり書籍がおすすめです。
書籍は発行までに多くの人が関わっているため、クオリティが安定しています。構成も体系的で分かりやすく、基礎をしっかり固めたい場合には書籍一択と言ってよいでしょう。
Web解析についても、このガイドブックのようなノウハウ中心のものだけでなく、教科書的に解説している書籍があります。
「ウェブ解析」「アクセス解析」「Webアナリスト」などのキーワードで、大きめの書店を巡ってみてください。日頃読んでいるブログの著者がきちんとした書評記事で薦めている本を手に取るのも、質の高い一冊に出会うよい方法です。
人によって言っていることが違うのは当たり前
さまざまな情報に触れていくと、「まったく逆のことを言っている人がいる。どちらが正しいのだろう」と悩む場面が増えてくるかもしれません。しかし、これは当たり前のことです。
Web自体がまだ比較的新しいプラットフォームであり、セオリーや方程式が生まれては消えるということを繰り返しています。経験則に基づく情報は、その裏にあるシチュエーションに大きく左右されますから、同じ状況下でも成功パターンが変わることは十分にあり得ます。
言ってしまえば、どちらも正解ということも珍しくありません。あまり気にしすぎず、どちらかを選ばなければならない場面では、考えられる範囲で自分の状況により合っているほうを選ぶ。それしかないですし、それで十分です。
集めた情報は共有してこそ価値が増す
ネット上で調べた情報は、ブックマークツールなどでまとめておくと後から振り返りやすくなります。ページの一部だけを切り取って保存できるサービスを使えば、Web関係者用のデータ蓄積庫のようなものを作ることもできます。複数人で共有できる仕組みにしておけば、チーム全体のナレッジとして活用できるのでなおよいでしょう。
忙しくなると、どうしてもこうした情報収集に時間が取れなくなりがちです。しかし、短期的には目の前の作業が優先に見えても、中長期的にはトレンドフォローを続けることのほうが大きな意味を持ちます。「1日1時間は必ず記事チェックの時間に充てる」と決めてしまうのも一つの手です。ルールにしてしまったほうが、かえって気持ちも楽になります。
さらに、集めた情報をまとめて社内にメールで配信すれば、Web以外の部署からも関心が高まりますし、「うちでもこんなことをやっているよ」といったフィードバックが返ってくるかもしれません。情報を発信することで、思わぬ連携のきっかけが生まれるのです。
外向けにブログを書くという選択肢
もし可能であれば、仕事メモとして外部向けのブログを書いてしまうこともおすすめです。
誰かに説明する形で書かなければならないため、実は自分がきちんと理解できていなかった部分が、記事を書きながら浮き彫りになります。インプットとアウトプットを同時に行える、非常に効率のよい学習法です。
記事を書くのは時間がかかりますから、そこは日々の業務とのバランスを取る必要があります。ただ、長い目で見ると外向けに発信を続けることは、自分自身のスキルアップにも、ひいてはサイト改善の質を高めることにもつながっていきます。
コンテンツナビゲーション
コンテンツ一覧・目次
- 第1章:はじめに
- 第2章:読み始める為に必要なスキル
- 第3章:解析の第一歩 – 現状把握
- 第4章:歴史を調べる – 現状把握
- 第5章:指標を確認・決定する – 現状把握
- 第6章:現状の確認 – 問題点の発見
- 第7章:アクセス解析で洗い出し – 問題点の発見
- 第8章:具体的なステップ1 – 問題点の発見
- 第9章:具体的なステップ2 – 問題点の発見
- 第10章:その後 – 問題点の発見
- 第11章:ユーザーテスト
- 第12回:改善案の発案のコツ – 改善案の発案と実行
- 第13回:気をつけたいこと – 改善案の発案と実行
- 第14回:施策の実行 – 改善案の発案と実行
- 第15回:結果はすぐには分からない – 結果の確認と次策
- 第16回:待つしか無いのか?- 結果の確認と次策
- 第17回:他の要因 – 結果の確認と次策
- 第18回:新たな施策を打つ – 結果の確認と次策
- 第19回:情報収集は欠かさずに – 結果の確認と次策
- 第20回:終わりに
