今日は中小企業とWebコンテンツとAIの話です。 色々、話題になっていますよね。 皆さんは、何か使ってみましたか?
目次
中小企業・小規模事業者もAIを使うメリットはあるのか?
StableDiffusionやMidJourneyをはじめとした画像生成AIを中心にAIがトレンドです。LINE経由で使える物もあり、好奇心で使われたことがあるかもしれませんね。
また、それ以外にもAIが絡んでいるツールがゾクゾクとこのブームに乗って加速して出てきていますし、元々存在していたけれども話題に上がっていなかった物が広告を出してきたりと動いてきています。
私のTwitterではよくAIライティングツールの広告が出ます。Twitterの広告はコメントや引用RTなどされるので、市場の反応が見られて第三者的にも興味深いです。怪しい健康食品やアプリ等の広告はコメントでボコボコにされていたりしますね…。
では果たして、こういったAI系ツールは中小企業・小規模事業者の方々にとっても有益な物なのでしょうか?
結論から言えば
- 使う分にはプログラミングなどの専門的な知識はいらない物がほとんど
- 意外と安い(物に寄りますが)
- 現在のAIのクオリティを押さえた上で、使えるところは使っていく方が良い
- まだまだ発展途上なので、過剰な期待はしないこと
です。
具体的な活用方向性…まずはコンテンツ作成に
中小・小規模事業者の方々にとって「コンテンツを作る」のはハードルが高いと思います。慣れてしまえばという話ではあります。
とは言えお客さんの目線で、ニーズを捉えて、わかりやすい構成で…となると、なかなかこれは簡単なことではありません。それで食っている会社もたくさんありますので。
しかし、情報を出さなければ存在しないも同然なのがWebの世界、何かしたら自分たちで出していかなければなりません。
また、自分でと言うのが大事です。毎回制作会社に依頼していたら、費用対効果合わないですし、何より「生の情報」は自分たちが出すのが一番適任のはずですよね。 AIツールは使い所を間違えなければ、中小企業がコンテンツ作成をすぐに行える効果的なアシスタントになり得ます。
最初の一歩として使いやすいツール紹介
例えば以下の様なツールが最初の一歩としてはお勧めです。
1.画像生成AI
いろいろSNSで炎上しているので、使いづらいかもしれません。しかしあれはもっぱらイラスト界隈の話がほとんどなので、みなさんが使う分には特に関係ありません。
発想としては「イメージ画像を検索するより、作ってしまえ」です。
大事な場面の画像はオリジナルの物を使った方が良いですが、SNS投稿用などの細かい物はそのメッセージにあったイメージ画像でも問題ありません。無料の物有料の物あってややこしいですが、悩んだらCanvaと言うツールの中にある「Text-to-image」機能が良いと思います。
→ Canva https://www.canva.com/
指示は英語で書かないといけませんが、日本語で書いてGoogle翻訳あたりで英語にすれば大丈夫です。なかなか思ったようにはいかないかもしれませんが、これは慣れです!
また、今後確実に画像生成系AIは一気に進化していくので、今のうちに触って慣れておいて損はありません。いずれ動画にも波及しますので、動画編集の素材としても使いやすくなるでしょう。
また、Canva自体、バナーやSNS投稿画像、メルマガのヒーロー画像など様々な物を簡単に作れる便利ツールなので合わせて使えるようになっておくとHP運用のコストを大きく下げることが出来ます。
2.文章作成系AI
これは使うまでの敷居が少し高いのですが(ツールによって精度も違います、GPT3ベースのものがよいのですが)これも使い所があります。
文章作成系と言いつつ、正直文章作成レベルはそこまで高くない…です。どんどん上手になっていますが。日本語のデータが少ないので。英語圏はもっと良い感じのようです。
さておき、これは「全体の構成」を考える時にお勧めです。具体的には「見出し」ですね。個別の文章はイマイチですが、トピックスを与えて構成を作らせるのは得意のようです。既に書く事が決まっていても、書きたいトピックスを入力して、出力される見出し案を見ると、方向性の調整や追加すべき内容が見えてくることもあります。
ちょっとセンシティブなツールではあるので、お勧めは載せませんが、気になる方はご一報下さい。GPT3ベースで日本語が使える物をお知らせできます。
3.音声認識系AI
これは「文字おこし」というとわかりやすいかもしれません。これはかなり幅広く使えます。一番分かりやすいのは議事録系です。ZOOMに参加させてそのまま文字おこししてくれるツールや、音声を読み込ませることで文字にしてくれるツールなどがあります。
まだまだ雑音などには弱く、また複数の人が同時に喋る場合は難しかったりしますが、昔から音声認識系ツールを試し続けている実感からすると、どんどん精度上がっています。
最近出た、OpenAI製のWhisperは1人でかつ、認識しやすいようにはっきり喋ることを心がけると、精度最高(※モデルLarge)であれば、ほとんど修正無しでキャプションを作れたりします。
本来は高性能PCであったり、クラウドコンピューティングが必要ですが、比較的楽なのがGoogleのColabを使ったやり方です。「Colab Whisper」などで検索すると以下の様なページが出てきます。コマンドなど、大変そうですが意外とそうでも無いです、コピペでいけます。
→Google Colab で はじめる OpenAI Whisper|npaka|note
コンサル会員の方は、お気軽にChatworkかMattermostで聞いて下さい。ちなみに送っている議事録はNottaというこちらもAI音声認識ツールで作っています。
これから期待できる物
現在、日本語でうまく使えるツールが多分ないのですが、以下の様な物も期待できます。
- 「文章の中の危険表現チェック(バイアス、差別、攻撃性など)ツール」すでに英語ではTextioと言うツールがあります。これからの時代必須でしょう
→ Textio – Interrupt bias in performance feedback and recruiting -
「文章チェッカー、表現力アップツール」英語だとGrammarlyが高性能な文法チェッカーです。英語学習をしている方はお使いかもしれません。AIで文脈まで含めてチェックしてくれるので、これの日本語対応製品が出れば、文章の校正や改善も楽に
→ Grammarly: Free Online Writing Assistant - 「動画生成、オーガナイズ系AI」すでにいくつか動画生成AIは出ていますが精度はまだまだです。
ただ、画像生成AIのStableDiffusionも動画もやると言っていますし、また動画そのものの生成以外でも、こちらでテキストを用意すると内容をAIが判断して自動的に素材写真を選んで動画を作ってくれるようなサービスも増えつつあります。これが出来るようになったら、よりコンテンツ作成は身近になるでしょう
その他にもいろいろとでてくるでしょう。むしろAI系は工数削減が大事、方向転換や決断が早くできる中小企業にマッチします。コストも抑えられますし。ぜひアンテナを立てて頂ければと思います。
ちなみに、私は現在どう使っているか?
業務レベルまでと言うと、まだそこまで使えていません。
しっかり使っている物は「Whisper(音声・動画の文字化)」「Notta(ビデオ会議の文字おこし)」くらいでしょうか。うちは音声コンテンツが多いのでRepurpose(再活用)が大きな課題なので。
その他、まだ業務には入れる隙間はありませんが、StableDiffusion(SNS投稿のアイキャッチなど生成に使うか?)はじめとして画像生成系は一通りさわりつつ、文章生成支援系なども、GPT3系を触っています。
このあたりは、まだ大きく何かをさせるには品質面で難しいですが、進化を体感するためにも何か小さな所から入れていきたいと思うところです。AIがゲームチェンジャーである事は間違いありません。Googleもそうなのですから。
この辺はヘルプフルコンテンツアップデートの際にまとめましたので、Podcastないしその文字おこしを読んで頂けると嬉しいです(Whisperで起こしました、整文化は人間)
→第342回:Helpful Content Updateとは何だったのか?真意の仮説と対策・傾向 – 中山陽平のWebコンサルPodcast
ちなみにSEOのためのコンテンツ作成を全部AIに投げるのは、やめた方が良いです。まだ日本語では精度が微妙ですし、Googleの評価は良くてもやっぱり人間が読むと違和感があるんですよね。骨子を作る所までで、その後は人間が書く方が良いと思います。3年後くらいは分かりませんが!
では今回の話題は以上です。
コンサルでは最安のプランでも、こういう話題もざっくばらんに相談やアドバイスできるので、相談役としてスタートプランなど契約する方が多いです。よろしければ。