第84回:制作会社やツールの成功事例を見るとき、成果以外に確認したいこと

中小企業を強くするWebマーケティングPodcast — ラウンドナップWebコンサルティング 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

制作会社やツールを選ぶとき、お客様の声や成功事例は気になりますよね。同じ業種、同じくらいの規模の会社が成果を出していると、自社にも合いそうだと感じると思います。

ただ、その事例が本当のことを伝えていても、自社で同じ結果が出るとは限りません。どんな人が、どんな環境で、何をして成果を出したのか。依頼先を選ぶ材料として読むなら、その背景まで見ていただきたいと思います。

成功した会社が、自分たちで何をしていたかを読む

事例の中に、マニュアルを片っ端から読んだ、関連する本をたくさん調べた、何度も試行錯誤した、といった話が出てくることがあります。結果だけに目を向けると、こうした部分を読み飛ばしてしまいがちです。

でも、そこには、その会社や担当者自身の力が表れています。ツールやサービスが役に立ったことに加えて、使う側が相当な時間をかけて動いていたのかもしれません。

私自身、ご支援したお客さんを見て、うちに相談しなくても、時間はかかったとしても良い結果を出していたのではないか、と感じることがあります。それくらい自分で考え、動く方もいらっしゃるんですね。

ツールや支援会社の力と、利用した会社自身の取り組みを分けて見てください。成功をすべて提供側の力と捉えると、依頼すれば同じ状態になれると思い込んでしまいます。

同じ業種・規模でも、必要な仕事を引き受けられるか確かめる

成功事例を見て申し込んだ後に、「こういうことをたくさんやってください」と言われ、そこまでの時間はないと困ってしまう。これでは、サービスが悪いかどうか以前に、進め方が自社と合っていません。

同じ業種で、社員数も近い会社だからといって、担当者が使える時間や、既に持っている知識まで同じとは限りません。社内で協力してもらえる範囲も違うかもしれません。

成果だけでなく、その成果に至るまでに自社側へ求められる仕事を確認しましょう。事例に書かれていなければ、相談するときに聞いてみてください。自分たちでは難しい部分があるなら、そこを支えてもらえるのかも選ぶ材料になります。

時間をかけて学びながら使うものと、手を動かすところまで支援してもらうものでは、自社に必要な準備が変わります。事例と同じように動けるかを考えることで、選んだ後の「こんなはずではなかった」を減らせます。

成果が出た時期と、当時の競争環境も見る

もう一つ見ていただきたいのが、周囲の状況です。その会社が良い取り組みをしたことに加えて、まだ競合が少ない市場だった可能性もあります。

需要はあるのに、十分な情報を出している会社が少なかった。そこへ情報を届けたことで、選んでもらいやすくなった。そういう状況と、既に多くの会社が力を入れている市場では、同じことをしても結果は変わります。

成功した方法だけでなく、その方法が効いた環境も、自社と比べてみてください。その会社が市場を見つけたこと自体に価値がある場合もありますし、偶然恵まれた条件があったのかもしれません。外から分からないことまで決めつける必要はありませんが、条件の違いには目を向けたいですね。

特に、何年も掲載されている事例は、いつの成果なのかを確認しましょう。当時うまくいったことと、今同じように取り組めることは、別に考える必要があります。

掲載された事例と、現在の状態を照らし合わせる

掲載されている会社のサイトを実際に見てみることもお勧めします。事例で紹介されているページは、今もあるでしょうか。大きく内容が変わっていないでしょうか。

例えば、制作事例に載っていても、その後に別の会社が作り直していることがあります。その場合、現在のサイトを、以前の制作会社の仕事として評価することはできません。

一方で、依頼先が変わったからといって、前の会社に問題があったとは限りません。事情はそれぞれですし、外から見ただけでは分からないこともあります。

事例が示す時点の成果と、今確認できる状態を混同しないことが大切です。気になる違いがあれば、選ぶ際の質問にすればよいと思います。過去の紹介文だけで、現在も同じ成果が続いていると考えないようにしてください。

「なぜうまくいったのか」を考え、選ぶ目を養う

こうして事例を見ていくと、依頼先との相性を確認するだけでなく、自社の商売を考える材料も増えていきます。どんな条件で、どんな取り組みが役に立ったのか。逆に、何が足りないと難しそうなのか。少しずつ見当がつくようになります。

実際のサイトを見て、こういう情報を出しているのか、この見せ方なら分かりやすいな、と気づくこともあります。ただ成功したという結果を見るより、得られるものが多いはずです。

成功事例を、そのまま信じて選ぶ材料ではなく、成功の条件を確かめる材料として使ってください。うちの事例についても、同じように見ていただいて構いません。

成果の大きさに加えて、本人の取り組み、周囲の状況、自社で必要になる仕事を見る。その読み方で、自分たちに合う支援やツールを選んでいただければと思います。

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