第349回:注目される情報に流されず、自分の考えを持って学ぶには

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

Webの担当者としてスキルを身につけたいとき、どのように学ぶものを探しているでしょうか。SEOや広告、SNSについて、動画も記事も本も、たくさんあります。

何か役に立ちそうなものはないか、みんなが見ているものは何かと探すこともあると思います。ただ、学習やスキルアップでは、その選び方のまま最後まで進んでしまうことに、気をつけていただきたいんですね。

目についたものが、自分に必要な学びとは限らない

Webマーケティングを学ぼうと思ったきっかけにも、いろいろあります。解決したい問題があって見つけたのか、よく聞く言葉だから調べてみようと思ったのか。それによっても、出発点は違います。

とりあえず役に立つものを探す、何を学べばよいかから調べる、流行っている言葉を検索する。そういう入り方自体が悪いというわけではありません。小説や娯楽を楽しむことや、偶然の出会いを否定したいわけでもありません。

ここで考えたいのは、目についたものや人気のあるものを、そのまま自分の学びの基準にしていないかということです。再生回数や、いいね、シェアの数を見て、これが良さそうだと選ぶことはないでしょうか。

その背景として知っておきたいのが、アテンションエコノミーという考え方です。人の注意には限りがある中で、注意を集めることがお金や評価につながる。そういう環境では、まず見たいと思ってもらえる情報が、目に入りやすくなります。

注目を集める力と、中身を分けて考える

動画でも記事でも、ぱっと見て分かりやすい、気になる、良さそうだと思ってもらわなければ、見てもらえません。情報を出す側が、そこを工夫するのは自然なことです。

ただ、注目を集めることに長けていることと、皆さんにとって学ぶ価値があることは、同じではありません。

目立つ情報に中身がないと言いたいのではなく、目立っている理由だけでは、中身の良さや自分との相性は判断できないということです。中身が伴っている場合も、そうではない場合もあります。

Webマーケティングとは何か、これを学ぶと何ができるか。そんな内容を次々と見ていると、説明が分かりやすく、みんなにも支持されているものを、そのまま受け取りたくなります。

でも、その中で受け取っているのは、具体的な方法だけではないんですね。何を良いと考え、何を目指すかという、土台の部分まで含まれていることがあります。

方法を覚える前に、どんな見方を受け取るか意識する

何かを学ぶときには、まず、その分野をどう捉えるかを知り、その見方をもとに出来事や問題を理解して、その上で行動するという流れがあります。

例えば、ページがたくさん見られることをどう評価するか。問い合わせなどの反応をどう定義し、何を良い変化と考えるか。数字の名前を覚えるだけではなく、その前提となる見方があります。

映画でも、興行収入で見る人もいれば、自分の好みに合うか、作家性があるかで見る人もいますよね。同じ映画についての話でも、何を大切にしているかが違います。

学ぶ相手が何を価値と考えているのかを、自分の考えと比べながら受け取ってください。商売でも、お金を稼ぐことを中心に考える人もいれば、一緒に働く人の人生をどう良くするかを大切にする人もいます。

自分とは何が違うのか。それは単なる言葉遣いの違いなのか、根本的な違いなのか。比べてみて、こちらのほうが納得できると思えば、自分の見方を変えて、そこから学びを積み上げればよいんです。

自分で修正できる状態を残しておく

自分の中に何も置かずに、誰かが言っているからきっとそうなのだろうと、考え方ごと丸ごと受け取る。そこに私は危険を感じています。

一度身についた見方は、なかなか変えにくいものです。広告はこう使う、SNSではこう接するものだと思い込んでしまうと、うまくいかなくなっても、その前提を変えにくくなります。

どの考え方を選ぶにしても、自分で疑問を持ち、修正できる状態にしておいてほしいと思います。学ぶ相手についていくことが、自分の選択は間違っていなかったと確かめることになってしまうと、離れにくくなりますからね。

一旦はある考え方に沿って学ぶことも、もちろんあります。その上で、矛盾がある、ここは違うのではないかと考え、自分なりに組み直していく。守破離に近いような進み方ならよいと思います。

最初に取り入れた考えが、全部正しいか間違っているかという話ではありません。学びながら、他の見方にも触れて、自分で考え直せることが大切なんです。

初心者でも、仮の考えを持って情報に当たる

自分の考えと言われても、そんな立派なものはまだありません。まずはすごい人をまねしようと思います。そう感じる方もいるでしょう。初心者であれば、自分の考えを持つなんて、おこがましいと思う気持ちも分かります。

でも、最初から完成した考えを持っている必要はありません。こういうことを知りたい、これを解決したい、そのためにはこう考えればよいのではないか。仮説でよいんです。

仮の考えを持って情報に触れ、違いを確かめ、納得できたものを取り入れるという順番で進めてください。自分で考えることを続ける中で、芯になっていくものができるのだと思います。

私のお伝えする内容も、そのように受け取っていただきたいです。毎回すべて正しいことを言えているとは思っていません。昔の発言を聞くと、うーんと思うこともあります。そうなのかな、ここは違うのではないかなという目で見ていただいて、意見があれば教えていただきたいんですね。

たくさんの情報を見たことが、そのまま自分の力になるとは限りません。学ぶ相手の見方と自分の見方を比べ、修正しながら積み上げる。少し遠回りに見えても、自分の身になる学び方をしていただければと思います。

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情報を読んだ後のメモや、調べる前の準備を変えてみたい方は、Podcast 第578回:いいと思った理由を残し、考えてから調べるも参考にしてください。

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