第206回:アイデアを行動に変えるために、言葉と文字で具体化する

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

いろいろなところから情報を得たり、自分で考えたり、何人かでアイデアを出したりしている。それなのに、最後は行動に結びつかない。そういう悩みをお持ちの方は、結構いらっしゃるのではないでしょうか。

「会社として今期、何か動けたかというと動けていない」と意識している場合もあれば、何となく考えているうちに、今年も何もしないで終わってしまったという場合もあると思います。そこで今回は、アイデアを具体化するための仕組みを持とう、という話です。

頭の中のイメージは、そのままでは形にならない

絵を描くところを、ちょっと想像していただきたいんですね。頭の中に動物をイメージすることはできると思います。でも、それを紙に描こうとすると、急に難しくなります。毛の多い動物でなくても、輪郭だけで難しい。そこに目や鼻など、細かい部分を入れようとすると、さらに難しくなります。

私も昔、ちゃんとデザイナーの勉強をしようと思って、デッサンをやっていたときに最初に感じました。頭の中では、人をこう描いて、こんな感じになるだろうと思っている。でも、鉛筆で描いてみると描けない。どこに何があるのか分からなくなるんですね。

面白いのは、一本の線で決めず、何本も線を重ねてぼやけた感じにすると、それっぽく見えることです。自分に都合のいい線を、無意識に選んで見ているんだと思います。ぼかす技法が悪いという話ではなく、一本で決めることがいかに難しいか、ということです。

ビジネスのアイデアも、行動に移すには、ぼんやりしたイメージから一本の線を決めるところまで進める必要があります。何となく自分に都合よく受け取れる状態のままでは、先へ進めないんですね。

人に説明すると、考えきれていない部分が出てくる

「考えること」を、頭の中だけで考えることだと思っているケースは多いのではないでしょうか。相談するときも、頭の中にあるものを口でぶつけ合って、それで終わってしまう。まずは、頭の中にあることを言葉にしてみてください。独り言でもいいですし、人に説明しながら考えると、もっとはっきりします。

相手に伝えようとすると、自分の中のモヤモヤした言葉や定義を、きちんと固めなくてはいけません。「何と言ったらいいか分からないんだけど」「このイメージではないんだけど、こういう感じかな」となるときは、考えきったつもりでも、実は不足している部分が多いのだと思います。

例えば、「もう少しSNSから集客したい。こんな感じの投稿をしたら、反響が来るんじゃないか」と思ったとします。でも、今までと何が違うかと聞かれると、あまり変わらないかもしれない。具体的にどんな投稿を、どのタイミングで行い、今までと違う行動に何を意図しているのか。そこが煮詰まっていないんですね。

何を試し、どんな反響や変化があればよいと考えているのかまで、説明できる状態を目指します。「今はこういう状態だから、この辺が足りないのだろう。だからこういう投稿を試して、こう変わればよさそうだ。違ったらまた考えよう」と、筋道立てて言えるかどうかです。

そこまでいっていなければ、何かを思いついた段階で、まだ考え抜いたところまでは進んでいないのかもしれません。

アイデアを文字にするところまで、決まりにしておく

さらに言えば、最初は手で書いた方がいいと私は思っています。おすすめは、大きなホワイトボードです。うちのミーティングオフィスにも、大きなものが三台ほど並んでいて、手持ちのものもあります。一つはかばんに入れています。私自身の趣味もあるんですけれども。

思いついたことを書いて、つなげてみる。「この言葉で合っているんだろうか」「この文章で合っているんだろうか」と考えると、かなり整理されますし、足りないところも見えてきます。文章にするところを目指すと、自然と具体化せざるを得ないんですね。

個人の努力やスキルだけに頼らず、アイデアは最後に文字にして共有する、という決まりを作ってみてください。ホワイトボードでなく、ノートでも構いません。

考えていることに手が追いつかず、イライラするかもしれません。私も自分で書いたホワイトボードの文字が読めないことはよくあります。ただ、文字にするところまでやろうと決めておくと、具体的なところまで考えるようになります。

書いてあれば、ほかの人も「ここはどういうことなの」と聞けます。同じ内容を見ながら話せるので、ふわっとした空中戦のような議論になりにくいんです。慣れると頭の中でホワイトボードを書ける方もいますが、それはかなり慣れた方の話です。まずは、手を動かすところまでをルールにしてもらうといいと思います。

読書で得たことも、メモと行動へ落とす

これは読書でも同じです。私は紙の本も電子書籍も読みますが、どちらでも線を引いてメモを書くか、それに類することをしています。ただ読んでいると、ページをめくることが目的になったり、少し前に考えたことが、次の印象的な話に上書きされたりするんですね。

紙の本なら、付箋をたくさん貼ります。貼る前に、その部分の要約のようなものをざっと付箋に書く。やることは近くに直接ボールペンで書き込んで、本当にすぐやる必要があるものは、ToDoへ移します。

読んで終わりにせず、自分が何を考え、何をするのかを文字にすると、次につながりやすくなります。後で読み返したときも、「こういうことを大事だと思ったんだな」「これをやらなきゃな」と見返せます。

何か刺激が欲しいときは、付箋の多い本を先に見る、という使い方もしています。うちの本棚は、いろいろな色の付箋が相当はみ出しています。電子書籍でも、線を引いたところやメモを見返し、必要なことをToDoへ落としていく考え方は同じです。

ペーパーレスだから、最初から頭の中やキーボードだけで進めた方がいいと思いがちですが、まずは手を動かして考えてみる。慣れて、そのやり方をデジタルへ置き換えられるなら持っていけばいい。そのくらいの考え方で、試していただくといいのかなと思います。

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