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内容について
今回のポッドキャストでは、AI検索の最新動向とその影響についてお話しします。
特にYahoo!が「〇〇とは」という検索に対してAI生成の回答を表示するようになったことに注目し、これが企業のマーケティングにどのような影響を与えるかを考察します。
AI検索エンジンは、ユーザーの質問に対し「最も一般的」な回答を提示する傾向があります。これは、新しいアプローチやユニークな価値を持つ企業の情報が届きにくくなることを意味します。この潮流の中で、自社のサービスや商品をどう伝え、顧客に届けるべきか。Web活用の専門家が、中小企業の経営者や担当者が今知るべき変化の本質とは
- Yahoo!が「〇〇とは」検索にAI生成の回答を導入
- 次の質問を誘導するインターフェースが変えること
- 質問や疑問のパターンが収束する
- 選択肢式の検索エンジンがマーケティングに与える影響。
- ニッチな商品や新商品が見えづらくなる懸念
- AIサーチの体験とその影響を早期理解する重要性。
このPodcastが解決できるFAQ
- Q1. AI検索が普及すると、Webサイトへの集客はどう変わりますか。
- A1. AIがユーザーの質問に直接回答するため、従来の検索結果ページからの流入が減少する可能性があります。特に、情報提供型のコンテンツ(〇〇とは、など)は影響を受けやすいと考えられます。AIの回答に引用されるか、より深い検討段階のユーザーに直接アプローチする必要性が高まります。
- Q2. AI検索は、なぜ中小企業のマーケティングに大きな影響があるのですか。
- A2. AIは多くの人が納得する「中央値的」な回答を生成する傾向があります。そのため、独自の強みやニッチなサービス、新しい解決策など、一般的ではない価値を持つ中小企業の情報がAIの回答に現れにくくなり、顧客に発見されづらくなる可能性があります。
- Q3. AI検索の時代、Webサイトではどのように情報を発信すればよいですか。
- A3. まずはAIが参照しやすいように、業界の一般的な課題や解決策について言及します。その上で「しかし、私たちはこのような独自のアプローチを提供しています」という形で、自社ならではの価値を提示する二段階の構成が有効になる可能性があります。
- Q4. AI検索が提示する「次の質問候補」は何を意味していますか。
- A4. ユーザーが入力する手間を省き、対話形式で情報収集を促す機能です。しかし、この機能が一般化すると、ユーザーの思考や調査のプロセスがAIの提示する選択肢に誘導され、検索行動が画一化していく可能性があります。
- Q5. AI検索時代に備えて、今すぐできることは何ですか。
- A5. まずは経営者や担当者自身が、Yahoo!のAI回答やPerplexityなどの新しい検索エンジンを実際に使ってみることです。顧客の検索体験がどう変わるかを肌で感じ、自社が選ばれるためにどうすべきか、社内で議論を始めることが重要です。
配信内容の詳細
AI検索の最新動向:Yahoo!も追随
最近、Webを取り巻く環境に大きな変化がありました。日本の主要な検索サービスであるYahoo!が、一部の検索でAIによる生成回答を表示する仕様に変更したのです。具体的には「〇〇とは」という検索に対し、AIが生成した回答が検索結果の最上部に表示されるようになりました。
これにより、日本の主要な検索エンジンは、実質的にすべてAIによる回答生成機能を実装したことになります。
- Google: 試験的機能(SGE)として希望者が利用可能
- Yahoo!: 「〇〇とは」検索でAI回答を標準表示(モバイル)
- Bing: ChatGPTの技術を統合し、AIチャット機能を標準搭載
この動きは、単に情報収集の方法が変わるだけでなく、企業のWebマーケティング戦略そのものに影響を与え始めています。
AI検索がもたらす「質問の収束」という変化
現在のAI検索には、共通した特徴が見られます。それは、AIが回答を提示した後、ユーザーが次に行いそうな質問を予測し、選択肢として提示する機能です。これはYahoo!やBing、そしてPerplexityといった新しいAI検索エンジンにも見られるインターフェースです。
ユーザーは自分で次の質問を考える代わりに、提示された選択肢をクリックするだけで、対話するように情報を深掘りできます。これは便利な体験ですが、同時にある変化をもたらします。
検索行動のパターン化
多くの人がAIの提示する選択肢を選ぶようになると、情報収集のプロセスが画一化していく可能性があります。つまり、ある事柄について調べる際の「思考のルート」が、AIによって誘導され、収束していくのです。自由なキーワードで検索していた時代とは、顧客の行動パターンが大きく変わるかもしれません。
中小企業への影響:ニッチな強みが見えづらくなる可能性
この「検索行動の収束」は、特に中小企業にとって注意すべき点です。AIは、学習した膨大なデータから、できるだけ多くの人が納得する「中央値的」な回答を生成する傾向があります。
そうなると、何が起きるでしょうか。
- 虫除けスプレーを探している人に、一般的な殺虫成分の製品を提示する。
- Webサイト制作会社を探している人に、一般的な制作プロセスや費用相場を提示する。
上記のように、王道の解決策が優先的に表示されます。その結果、例えば「天然成分だけで作った虫除け」や「特定の業界に特化したWebサイト制作」といった、ユニークでニッチな価値を持つ商品やサービスは、AIの回答から漏れてしまう可能性が高まります。
これまでコンテンツの工夫次第で、異なる切り口からでも顧客にアプローチできていたものが、AIというフィルターによって届きにくくなる。これはマーケティングの打ち手の幅を狭める懸念があります。
今後のWebコンテンツ戦略で求められる二段階のアプローチ
では、この変化にどう対応すればよいのでしょうか。一つの可能性として、情報発信の方法を二段階で考えるアプローチが考えられます。
- ステップ1:一般的な流れに乗る
まず、AIが認識しやすいように、業界の一般的な課題や王道の解決策についてコンテンツ内で言及します。これにより、まずAIの視野に入り、自社サイトが参照される可能性を高めます。 - ステップ2:独自の価値を提示する
その上で「しかし、一般的な方法にはこういう側面もあります。そこで私たちは、このような独自のアプローチで課題を解決します」という形で、自社ならではの強みや違いを明確に提示します。
一度、一般的な土俵に上がった上で、そこから自社の独自性を際立たせる。このような構成が、今後のWebコンテンツには求められるかもしれません。
経営者・担当者が今すぐ始めるべきこと
このような話をしても、実際に体感しないと納得感を得るのは難しいかもしれません。Web活用がうまくいかない原因の一つに、社内全体の理解不足があります。この変化に対応するためには、まず経営者や担当者自身が「顧客の体験の変化」を肌で感じることが不可欠です。
今すぐできることとして、以下の行動をお勧めします。
- Yahoo!で「〇〇とは」検索を試す:スマートフォンのYahoo!で、身近な言葉を検索し、AIの回答がどう表示されるか確認する。
- Perplexityを使ってみる:PCやスマートフォンでAI検索エンジン「Perplexity」を使い、仕事の調べ物をしてみる。
これらのツールを業務効率化のためだけでなく「もし自社の顧客がこれを使ったら」という視点で触れてみてください。そこから、自社が選ばれるための戦略を考えるきっかけが生まれるはずです。
まとめ:多様性を削る可能性に備える
AI検索は非常に便利ですが、その仕組み上、どうしても多くの人にとって無難な、中央値的な回答に偏りがちです。これは、Web上の多様な選択肢をユーザーから見えにくくする方向に働く可能性があります。特に、ブランド名で直接検索されることの少ない中小企業や、新しい価値を提供しようとしている企業ほど、この変化への備えが重要になります。まずはこの現状を認識し、自社の情報発信のあり方を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
続きはPodcastをご覧下さい。
参考サイト
AI が買い物の「自分で選びたい」を助ける時代。情報探索はどう変わる?
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/consumer-insights/consumer-journey/consumer-research2024-2/
「○○とは」検索→AIが回答 「Yahoo!検索」に生成AIの回答を表示する機能 – ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2410/18/news122.html
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