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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、年末年始などの節目に振り返りをするとき、気をつけたい「リセット癖」についてお話しします。
年末になると、今年を振り返ったり、来年はどうするかを考えたりしますよね。会社の締めは3月でも、人間としては「年末だから振り返ろう」ということがあります。ここでは、2024年を振り返って2025年を考える時期に、私がお伝えしていた話をしていきます。
来年の目標を考える前に、今年できなかったことを見る
大きな節目ほど、「来年、自分はどうするんだ」「会社の目標はこうだから、自分は何をするんだ」と、未来の話から聞かれがちです。でも私は、次の年に何をするかを考える前に、その年の振り返りをした方がいいと思っています。2025年に何をするか考え始めると、2024年の振り返りが甘くなりがちだからです。
人間でも法人でも、過去の積み重ねの上に未来があります。やろうと思ったことが100%できました、という人はあまりいないと思うんですよ。50%かもしれないし、70%、30%かもしれない。いろいろな事情でできなかったことや、タスクとしては終わったけれど満足できなかったこともあるはずです。
そこを先に振り返らないと、また同じところでつまずきます。うまくいかなかった原因は、自分に足りていないものや、そのとき意識できていなかったところにあることが多いからです。「これは起きると思っていた」ということでも、必要なときに意識できなければ、そのとき頭になかったのと同じなんですね。
自分にできなかったこと、足りなかったこと、何かのスイッチが入らないとできないこと。そうしたものは、改めて振り返ってみないと分かりません。
「タイミングが悪かった」で終わらせない
「なぜ、このスケジュールでできると思ったタスクが終わらなかったんだろう」と振り返るときに、「タイミングが悪かった」「自分の統率力が足りなかった」と抽象的な理由にまとめてしまうことがあります。あるいは「割り込みのタスクが入ったから」と、外部環境を理由にして終わらせてしまう。
それでは、自分のできることの幅はなかなか広がりません。ただ、自分の不得意なことや、無意識に避けていることは、自分だけでは見つけにくいんですね。だから、その年や節目の振り返り、「なぜできなかったのか」の確認は、できるだけ複数人でやった方がいいと思います。
やりたくない、ストレスがかかる、嫌だという気持ちはよく分かります。それでも、自分の幅を広げたいのであれば、客観的に見てくれる人と一緒に振り返ることをお勧めします。
評価と切り離して、指摘し合える相手を持つ
上司だとやりづらいかもしれません。評価につながるのではないかと気になったり、関係が崩れることをお互いに避けたくなったりします。昔は上司がそういう役割を持っていたとしても、その関係では話しにくいという方もいるでしょう。
それなら、仲間でも、自分の評価とは関係のないパートナーや知り合いでもいい。自分には見えていない部分を、互いに指摘し合える相手を持つことは、成長を考えるうえで、とても大きいと思います。
自分のことは分からなくても、「あの人はここがいいけれど、ここはちょっと言いづらいな」ということはありますよね。周りから見た自分も、同じです。2人でも3人でもいいので、節目に過去の行動を一緒に振り返っていくといいと思います。
それをしないまま次の年へ行くと、同じところでつまずき、また別の理由をつけて、根本的な対応をしないままその次の年へ行ってしまう。リセット癖が怖いのは、そうやって同じことを繰り返してしまうところです。
相談相手がいなければ、自分の振り返りを録音する
どうしてもそういう仲間が見つからない場合、一人で振り返ることも不可能ではありません。私がお勧めするのは、自分の振り返りを録音して、最低でも1か月ぐらい寝かせてから聞くことです。
節目に「自分はこうだった」と話して録音し、すぐには聞かない。時間を置いてから、自分の話というより「こういう似たような人がいるんだな」という気持ちで、できるだけ客観的に聞いてみます。
すると、「話していることが本当の原因ではないんじゃないか」「そこは、こうするものじゃないのか」と、意外に気づくことがあります。時間がたつことによって、見えてくるんですね。
自分の声が苦手なら、別の声で聞く案もある
自分の声を聞くのが嫌だという方も多いと思います。どうしても嫌なら、Whisperなどで文字にして、別の読み上げボイスに読ませる方法もあるかもしれません。これは話しながら思いついたことなのですが、いいかもしれないですね。
ただ、文章にすると間や感情が失われますし、読み上げでも、そこはかなり失われてしまいます。それでも、文章を読むだけだと、都合の悪いところを読み飛ばしてしまうことがあります。読み上げてもらえば、そういう箇所にも気づけるのではないかと思います。
こうした振り返りを繰り返すと、自分について分かることが増えて、振り返りの精度も上がっていくと思います。やがて一日の行動を振り返る段階でも、「ここに自分の癖が出たな」「得意だと思っていたけれど、この部分には無意識の引っかかりがあるな」と気づけるようになるのではないでしょうか。
自分を知るための振り返りは、心地よい範囲で
「こういうタスクをやると、ここがキリキリ痛む」といった、自分の身体や気持ちの変化に気づくこともあるかもしれません。ただ、それを掘り下げ続けると、心理学やカウンセリングの領域に入っていくと思います。
深く入り込み、自分へのダメージにつながりそうなら、一人で続けず専門家の助けを借りた方がいいというのが、私の考えです。
長く生きていれば、いろいろな出来事の影響が積もっていて、それが行動に影響することもあります。自分の偏りをできるだけ知り、心地よい範囲で扱えれば、翌年もより快適に過ごせるのではないかなと思います。
自分がその働き方を選ぶ理由も、見えてくる
フリーランスなのか、正社員なのか、社長なのか。社長はかなり特殊な職業だと思うので、あえて別にしましたが、どういう働き方が自分に向いているかも、振り返っていくと見えてくるかもしれません。
当時も、リモートからオフィスに戻ることに否定的な声が出る一方で、私がいろいろなところで働いている方を見ていると、「オフィスの方がいいよね」という方もたくさんいました。メディアで目にする意見は、少し偏っているようにも感じたんです。
そこで、自分が「リモートがいい」と思う本当の理由は何なのかを振り返ってみる。そういうことをしていくと、自分にとって、もっといい働き方や生き方が見えてくることもあると思います。
振り返りの場を乗り切るだけで終わらせない
私も職業柄、振り返りや「来期はどうするか」という話に付き合うことがあります。そこで、通り一遍の、それらしいことを言って終わっているケースは多いなと感じます。「次期の目標と、今期何が駄目だったかを出せば、この場は乗り切れるかな」という感じですね。
処世術としては、それもあるのかもしれません。でも、今いる業界に限らず、もっと楽に生きていきたいのであれば、仕事を、自分自身をもっと深く知るために使っていくといいと思うんです。仕事は、人生の中で多くの時間を使うものですからね。
仕事が人生でいちばん、という方ばかりではないでしょう。それなら、仕事を通じて「自分はどうすれば、うまく生きていけるのかな」と知るきっかけにするぐらいの感覚でも、見えてくるものは違うと思います。
もちろん、仕事で自己実現したい、仕事そのものに価値を感じるという方もいます。そういう方なら、この世界で自分の力をどれだけ発揮できるか、それを深めるために振り返っていけばいい。
人の能力に違いがあるのは事実だと思います。ただ、それ以上に、自分の能力を何%使えているかの影響も大きいのではないか、と私は感じています。私自身も、あることに気づいてから、特定の種類のタスクが、とても自然にできるようになった経験があります。
私が沈黙を怖がらなくなったきっかけ
言える範囲で、細かい例を一つ挙げます。私は昔、会話の空白や沈黙がすごく怖かったんです。電話対応でも、セールスでも、自分がプレゼンするときでも、しんとしたり、相手が何も言わなかったりするのが怖い。
そのため、自分の処理できる範囲を超えていろいろしゃべってしまい、今、自分が何を話しているのか分からなくなることがありました。
でも、逆に自分のことを考えてみると、セミナーや電話で黙ることはたくさんあるんですよね。相手への評価とは関係なく、自分が考えていたり、「どうしようかな」と思っていたりする。相手が黙っているのも、ただ考えているからかもしれないと気づいたんです。
もちろん、それだけではありませんが、そのことに気づくと、沈黙がそれほど怖くなくなりました。逆に、考えてもらうような話をした後、あえて少し空白を置く、といったこともできるようになってきました。
これは私の話なので、皆さんにそのまま通じるかは分かりません。でも、ちょっとしたことで、本当に楽になることがあるんですね。
年末だけでなく、短い間隔でも振り返ってみる
本当は1か月や3か月といった短い間隔で振り返った方が、気づいて楽になれる回数も増えるのではないかと思います。理想を言えば、一日に1回、10分ぐらい振り返る時間を作れるといいですね。
気兼ねなく話せる、腐れ縁の同僚のような人がいる方は、うらやましいなと思います。私はほとんど一人でやっていますからね。自分の過去の音声配信を聞くこともあって、そこから自分の偏りや考えの浅かったところ、逆に「ここは当たっていたな」というところが分かります。私にとっては、ライフログのようにもなっています。
すでに2024年の振り返りをしたという方にも、もう一度、自分の内面へ少し目を向けてみてほしいと思って、この話をしました。できたこと、できなかったことだけでなく、「なぜなのか」「自分が気づいていないものがあるのではないか」と考える。それが次の年を、もっと楽で、楽しいワーキングライフにすることにつながるのではないかと思います。
関連コンテンツ
振り返って分かったことを日々の予定へ反映するには、Podcast 第573回:タスク管理の前に、今の自分ができることを把握するも参考にしてください。実際の作業時間や調子の波を記録して、無理のある予定を組まないための話です。
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