第598回:GoogleのAI検索から自社サイトを除外すべき?AIオーバービュー・AIモードの判断軸

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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

除外設定を触る前に、4つの判断軸を確認してみてください

Google Search Consoleに、AIオーバービューやAIモードなどへの表示を管理する設定が加わりました。設定画面にスイッチがあると、「AIに情報を使われるのは不安だから、ひとまず除外しておこう」と思うかもしれません。

けれども、私は一般的な中小企業には、安易な除外をおすすめしません。なぜなら、この設定で止められるものと、止められないものがあるからです。変わるのは、Googleの生成AI検索機能に自社サイトが表示され、回答の根拠として扱われるかどうか。通常の検索結果からサイトを消す設定でも、AIの学習を拒否する設定でもありません。

  • AI検索からの除外と、通常検索からの除外は別
  • AI検索に表示しないことと、AIの学習を拒否することも別
  • 公式サイトを除外しても、第三者が掲載した自社情報までは消えない
  • 多くの中小企業が優先すべきなのは、除外よりも公式情報の更新

AI検索から何が消えるのかを先に確かめましょう

まず、スイッチを切り替えると何が起きるのかを見てみましょう。除外を選ぶと、AIオーバービュー、AIモード、Discover内の生成AI機能などに、自社サイトのリンクや内容が出なくなります。つまり、そこから得られていた流入や表示機会を手放すことになります。

一方で、通常の検索結果における掲載や順位を直接変える設定ではありません。ここを一緒に考えると、判断を誤りやすくなります。

「表示しない」と「学習させない」は別

もう一つ、ここはぜひ押さえてください。AI検索から除外しても、自社コンテンツがAIの学習に使われなくなるわけではありません。学習用のクローラーを拒否したいなら、別の設定が必要です。

このスイッチが行うのは、あくまで「GoogleのAI検索機能に自社サイトを出さない」ことです。情報を守るための包括的な設定だと思って操作すると、期待した結果とのずれが生じます。

中小企業が露出を手放すリスクを見落とさない

では、なぜ中小企業には除外をおすすめしないのか。中小企業のWebサイトは、記事そのもので収益を得るメディアとは役割が違います。会社やサービスを知ってもらい、正しい情報を届け、将来の問い合わせや購入につなげる。その入口が一つ減ることは、短期的なアクセス数だけでは測れない不利益につながります。

認知が売上へつながるまでには時間がかかる

特にBtoBや高額な商品・サービスでは、見込み客が会社を知ってから問い合わせるまでに時間がかかります。すでに検討中の人は会社名を知っていますから、除外した直後には何も変わらないように見えるでしょう。

怖いのは、新しく会社を知る人が減った影響が、少し遅れて現れることです。1週間だけ様子を見て「変化はなかった」と判断するのは早すぎます。問い合わせが減ってからでは、除外との関係を特定しにくくなっています。

公式サイトを消しても周辺情報は残る

ここで、料金を改定した会社を想像してみてください。公式サイトには新しい料金が載っています。ところが、比較サイトや過去の取引先ページには、古い料金が残ったままです。

この状態で公式サイトだけをAI検索から外したら、どうなるでしょうか。最新情報を持つページが回答の根拠から消え、古い情報の方が使われやすくなるかもしれません。会社の情報は、求人サイト、企業情報データベース、第三者のブログなどにも残っています。公式サイトを除外しても、周辺の情報まで一緒に消えるわけではないのです。

除外が必要なケースを慎重に見極める

もちろん、すべての会社に除外が不適切だと言うつもりはありません。正しい情報を公開し続けても要約の誤りが繰り返され、その誤りが重大な不利益につながる。そうした場合は、除外を検討する理由があります。医療のように、わずかな表現の違いが大きな問題になる分野では、露出による利益と誤解による損失を慎重に比べる必要があります。

検索経由の認知を必要とせず、既存顧客との関係だけで事業が成立している会社もあるでしょう。それでも、除外によって何を守れ、何を失うのかは確認してください。「AIが嫌だから」という感情だけで切り替えるには、影響の大きい設定です。

除外より先に、公式情報の不一致を直す

AI検索の表示内容がおかしいと感じたとき、最初にやってほしいことがあります。除外設定を触る前に、公式サイトの情報を確かめてください。ページごとには正しく見えても、営業時間、料金、サービス内容、会社情報の表記が食い違っていることがあります。

  • 公式サイト内に古い料金や終了したサービスが残っていないか
  • 会社概要、店舗情報、営業時間の表記がページ間で一致しているか
  • 求人サイトや比較サイトなどに古い情報が残っていないか
  • AI検索が自社をどのように説明し、どのページを根拠にしているか

自社サイトであれば、クローラーで全体を取得し、古い表記や不一致をAIアシスタントに探させる方法もあります。大切なのは、AI検索から姿を消すことではありません。公式情報を更新し続け、間違った情報があれば訂正できる状態を保つことです。

Googleが強い影響力を持つ現状には、私も納得しにくい部分があります。けれども、Web上で見つけてもらう必要がある会社は、その現実を踏まえて判断しなければなりません。感情的に拒否するより、自社の発見経路としてどう付き合うかを考える方が、はるかに実務的です。

まとめ:AI検索から消す前に、正しい情報を発信し続ける

Google Search ConsoleのAI検索除外設定は、通常検索からの削除でも、AI学習の一括拒否でもありません。多くの中小企業にとっては、将来の顧客に見つけてもらう機会と、正しい公式情報を回答へ反映させる機会を減らす設定です。

重大な誤解による損失が見込まれるなど、明確な理由がない限り、まずは設定を変えずに運用してみてください。そのうえで、自社サイトと外部サイトの情報を確認し、古い内容や食い違いを直していく。AI検索時代のブランド管理で大切なのは、隠れることではなく、正しい情報を出し続けることです。

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