第32回:Web施策の記録には、変更内容だけでなく意図と仮説を残す

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

次の施策へ進む前に、前の施策を振り返れていますか

早く成果を出したいときほど、新しい施策を打つことに集中してしまいがちです。これをやってみた、目標に届かなかった、では次はこれをやろう。そうして前のめりに進んでいるうちに、何がよくて何が悪かったのかが分からなくなります。

相談の場でも、「あれもこれもやったけれど駄目だった」というお話を聞くことがあります。そこで、具体的に何をしたのかをお聞きすると、もう忘れてしまったということがあるんですね。これでは後から検証できません。

いつ、どこで、何を、どう変えたかを記録し、次に生かせる状態にしておくことが大切です。思ったとおりの結果だったのか、予想外だったのか。予想外によかったのか、悪かったのか。そこを確かめずに進むと、同じところを回ってしまうことがあります。

バナーを変えたなら、なぜ変えたかまで書く

例えば、サイドバーのバナーを変えたとします。「バナーを変更した」だけでは、後で見たときに十分な情報がありません。何月何日、何時に、どのバナーを、何から何へ変えたのか。変更前後の画面も残しておけば、違いが分かりやすくなります。

それに加えて、誰が作業したのか、なぜ変えたのかを書いてください。例えば「広告でこの文章への反応がよかったので、同じ文章をバナーでも使えば効果が上がるのではないかと考えた」ということです。

作業の事実だけでなく、そのときの意図を残しておくことが、後の検証に役立ちます。見た目を変えたことは分かっても、狙いが分からなければ、結果をどう受け止めるかが曖昧になってしまいます。

さらに、これによってどの数字がどう変わるはずかという仮説も書けるとよいですね。バナーそのもののクリック数なのか、リンク先ページの閲覧なのか。期待している変化を、作業と一緒に残します。

記録を共有し、結果を次の案につなげる

日時、変更内容、担当者、変更の理由、期待する結果。このあたりを表にして、チームで共有します。そして定期的に見直し、行ったことがうまくいっているかを確認していくんです。

それを繰り返すと、どういうことをすると成果につながるのか、何は効果が薄かったのかが分かってきます。単に新しい施策の数を増やすより、一つの施策を改善しながら成功に近づけた方が、有意義な結果になることも多いと思います。

記録を残すだけで終わらず、振り返った内容を次の判断に使ってください。うまくいかなかった経験も、理由を考えて次に生かせれば、会社のノウハウになります。何をしたか思い出せないままでは、その資産が残りません。

できれば、行ったことを勉強会のような形で持ち寄って、みんなで話し合うとよいと思います。その上で、次に何をするかを考える。担当者一人で考えるだけでは出てこなかった案が生まれることもあります。

使う道具より、見返せる記録を続けること

記録する道具は、チームで共有できる表計算などで構いません。会社ですでに使っている仕組みの中で、記録と共有ができるなら、それを使う方法もあります。共有の仕方に制約があれば、手元の表計算で管理することも考えられますが、その場合は定期的なバックアップも大切です。

また、使っている解析ツールなどに作業メモを残せるなら、元になる記録と併用すると、数字の変化と作業を照らし合わせやすくなります。アクセスが急に増えた、減ったというとき、その日に何をしたかが分かれば、調べる手掛かりになりますよね。

大事なのは、後から見た人が作業と狙いをたどれ、結果を確かめられることです。新しいことをする前に、今までの経験が残っているかを見てください。記録して、振り返って、それを糧にする。この繰り返しを、施策を進める中へ入れていただきたいと思います。

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