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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
Webの問題を見つけたいとき、最初にアクセス解析ツールを開いていませんか。「数字を見れば何か分かるだろう」と思うかもしれませんが、データを見る順番は、とても大事です。
私がお勧めしているのは、まず自分なりの仮説を作り、その答え合わせとしてデータを見ることです。データを見ないで判断するのも困りますが、何も考えずに数字から入ると、数字に振り回されやすくなってしまいます。
報告できる変化を探すために、ツールを開いていないか
まず、データを見ないというパターンがあります。お客さんはこういうものだから、ここを直せばいいだろう。ホームページを眺めて、この部分が悪そうだから直そう。自社のお客さんにはこのサービスも売れるはずだから、始めてみよう。こうした判断を、頭の中だけで済ませてしまう形です。
自社の解析データもありますし、外部の調査資料もあります。確かめられる材料があるのに使わないのは、もったいないですよね。
では、最初からデータを見ればいいかというと、それもお勧めしません。Web担当者の育成をしていたときにも、「とりあえず解析ツールを見てみよう。そこに何かあるはずだ」と考える方は多かったんです。
一つは、ツールへの期待が大きすぎることです。もう一つは、報告する材料を探している場合です。定例レポートで前回と同じ話になりそうだとか、施策をしたけれど大きな変化が出ていないとか。そうすると、何か話題になる数字がないかと探し始めてしまいます。
報告できそうな変化を見つけてから理由を考えると、解決したい課題と結論がつながらなくなりがちです。それらしい数字が並んでいても、「結局、何が言いたいのか」が伝わらないレポートになってしまうんですね。
どこに問題がありそうかを考えてから、答え合わせをする
先に考えていただきたいのは、目の前の課題に対して、どこに問題がありそうかということです。「こういうことが起きているなら、この辺りの数字が変わっているのではないか」。まず、そこまで考えます。
その見立てが違っていた場合には、次にどこを見るか。「もしそうでなければ、別のところでこういうことが起きている可能性がある」と考えておく。現状の問題を探す場合も、これから伸ばせそうなところを探す場合も、基本は同じです。
ここで、数字を細かく予言する必要はありません。「60%になっているはず」とか、特定の場所まで言い当てることが目的ではないんです。大ざっぱに、この辺りに問題がありそう、この辺りは改善できそう、という見立てを持てば十分です。
仮説を作ったところでツールを開き、実際の状態と照らし合わせます。思った通りなら、その見立ては合っているかもしれない。全然違うなら、仮説を作り直して、もう一度確かめる。この順番にしていただきたいんです。
自分の考えに合う数字だけを集める、という意味ではありません。合っていなければ、自分の側を修正する。そのための答え合わせです。何も考えずに数字を眺める場合と比べると、最初は時間もかかりますが、慣れていくと考え方として身についてきます。
アクセスが減ったときに、この順番で何を確かめるか。第528回:アクセスの減少を、営業や社内の動きと照らし合わせるでは、2024年の夏季アクセスを例に、解析画面の外へ聞きにいく過程をお伝えしています。
数字が変わっていないことにも、意味がある
この順番の違いが分かりやすく出るのが、数字が変わっていないときです。データを見て話題を探していると、動いていない場所は素通りしやすいんですね。変化がないので、報告することがないと思ってしまいます。
でも、仮説から入ると見方が変わります。たとえば集客数が増えたとします。来ている人の属性や見込み度は、これまでと大きく変わらないと考えていた。そうであれば、変わっていないはずだと見ていた数字が、そのままであることにも意味があります。
「変化がなかった」と「変わらないと考えて確かめ、その通りだった」は、同じ数字でも意味が違います。後者なら、自分が考えていた状況と実際が合っているかを確かめられます。
変わったところだけを拾うと、こうした確認が抜け落ちます。目立つ増減をいくつも並べるより、何を考え、どこを確かめ、どう判断したかがつながっていることの方が大切です。
データを扱う専門家だけの話ではありません。経営者もWeb部門のリーダーも、日々数字に接する担当者も、同じように意識していただきたいところです。
外部の調査や、誰かの意見も同じ順番で読む
この考え方は、自社のアクセス解析だけに使うものではありません。外部の調査資料やアンケート、誰かの意見に触れるときも同じです。
外部資料では、「こういうデータがあり、そこからこう読める」という形で、データと解釈が一緒に出てくることが多いですよね。その解釈を読む前に、一度、自分ならどう考えるかを挟んでみるといいと思います。
問題提起と意見がセットで書かれている文章だと、途中で止まるのは難しいかもしれません。私自身は、問いかけのところでいったん止まる読み方をしています。そのうえで相手の考えを読むと、どこが同じで、どこが違うのかを見やすくなります。
自分と意見が合うから正しいと決めるのではなく、自分の考えも相手の解釈も、確かめる対象として扱います。好き嫌いで受け入れたり避けたりする前に、この順番を挟んでほしいんです。
ツールの細かい操作を覚えることも必要ですが、まずは何を確かめたいのかを組み立てるところからです。仮説を持ち、データで確かめ、違っていたら考え直す。この繰り返しを、次に解析を見るときから試していただければと思います。
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