第54回:Webサービスの機能をまねされたとき、使い心地を差にする考え方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

できることが同じなら、何で選ばれるでしょうか

Webサービスを作るとき、こういうことができます、こんな機能がありますという部分に力を入れると思います。ただ、それだけで長く選ばれ続けられるかも考えていただきたいんです。

似た機能を持つサービスが出てきたら、違いをどこに作るでしょうか。機能以外にも、使い勝手や、そのサービスに対して持つ印象を含めた体験が、選ぶ理由になります。

何ができるかに加えて、使っていてどう感じるかを、商品の価値として考えてください。ここでは、特にWebアプリケーションやWebサービスを提供する方に向けてお話しします。

同じ機能を後から作られる可能性を考えておく

例えば、外部サービスのデータを使って自動でレポートを作るような仕組みなら、どんなデータを取り、どう出力するかが分かることで、似た機能を考えやすくなります。

もちろん、独自のデータや、その会社にしかない背景の資産があるなら話は違います。ただ、機能そのものだけが違いだと思っていると、後から似たサービスが現れたときに困ることがあります。

苦労して作ったのに、後から似たものを低い価格で提供される。そこで値下げを繰り返し、採算が悪くなってしまう。そのような状態も考えておきたいところです。

機能を追加することだけで差を保とうとせず、何が自社に残る強みなのかを考えてください。技術力や独自の資産で差を出す方法もありますが、それと並んで大切になるのが、利用体験をよくすることです。

理由を説明しきれなくても、使いやすいと感じることがあります

実物の商品でも、何となく手にしっくりくるものがありますよね。どこがどうよいかを細かく言えなくても、これは使いやすいと感じる。Webサービスでも、そういう部分があると思います。

機能は似ているけれど、こちらの方が使いやすい。ほかを試しても、やはり戻ってきたくなる。そう感じてもらえることが、使い続ける理由になるわけです。

その使い心地には、細かなタイミング、ボタンの大きさ、色、付いている言葉など、いろいろなものが関わっています。機能一覧だけでは見えない小さな使い勝手の積み重ねも、サービスの差になります。

見た目を似せたとしても、どのような判断で細部を調整したのか、その背後のノウハウまでは簡単に分かりません。だから、利用する人の反応を知り、改善し続けることが大事なんです。

操作を観察し、一回の仕事を進めやすくする

使い勝手は、一度考えて終わりというものではありません。実際に使ってもらい、フィードバックを受けながら、繰り返し直していきます。

例えば、一回の操作にかかる時間を減らせないか。ここを変えたら、もっと短い時間で目的を達成できるのではないか。そうした仮説を立てて、確かめます。サービスによっては、長く滞在してもらうより、早く仕事を終えられることがよい場合もありますよね。

数字だけでは分からない部分は、ユーザーテストを行ったり、実際に使っている様子を見たりします。使われ方を知るための計測と、直接の観察を組み合わせてください。何を直すとよくなるのかを知るための環境も、サービスと一緒に考えます。

改善を続けられる前提で、サービスを作る

私も、サービスの利用状況を確かめられるようにする準備から関わり、その後の改善につなげる仕事をしてきました。導入して終わりではなく、実際に使われてから、どこを変えるかを考えていくんです。

デモを使った方が本利用へ進む割合など、事業に関わる行動も、改善の結果を見る材料になります。ただ、どんなサービスでも同じ変更で同じ成果が出るという話ではありません。

完成した機能を売るだけでなく、使い心地を継続的によくしていく前提を持ってください。利用する方が、何だかこれが一番使いやすいと思ってくれる。その状態を目指して、観察と改善を積み重ねていただきたいと思います。

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