第152回:販促と採用をつなげるホームページの作り方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

中小企業のお客様から、人がなかなか採れないというご相談をよくいただきます。採用の難しさには、一社の努力だけでは変えにくい部分もあります。ただ、その中で、自社のホームページを採用も含めてきちんと作っているかどうかは、見直していただきたいところです。

ホームページは商品やサービスを売るためのものだから、採用とは別。そう考えてしまうともったいないんですね。販売促進と採用には、人の気持ちを動かし、選んでもらうという共通点があります。

商品を並べるだけで、会社の魅力が伝わるか

お客様はいろいろな要望を持っています。その方に安心していただき、魅力を感じてもらい、他と比較されたときに選ばれるようにする。これはマーケティングの大事な部分です。

気持ちをコントロールするということではなく、相手に合ったものをきちんと提供できるかという観点ですね。それは、ここで働きたいという人の気持ちを動かすことにもつながっています。

商品やサービスを載せただけのカタログ的なホームページでは、お客様にも求職者にも、選ぶ理由が伝わりにくいんです。魅力的な商品を扱っていれば働きたい人も増えるでしょうが、その魅力や会社の考え方が伝わっていなければ、判断してもらえません。

会社概要が表で載っていて、地図があって、カタログから持ってきたような商品情報が一通りある。あとはご挨拶と新着情報。まだそういうサイトを運用している会社もあると思います。Webに手が回らないという事情は分かりますが、販促だけでなく、人を採る面でも機会を逃しているかもしれません。

会社名で調べられたときの見え方を確かめる

どこかで働きたいと思ったときに、与えられた情報だけで判断する人は、そう多くないでしょう。会社名で検索をして、自分でも情報を集めます。スマートフォンがあれば、その場ですぐに調べられますからね。

そこで出てきたホームページを見て、働きたいと思えるかどうか。売上につながるかだけを考えていると、この視点が抜けがちです。

「うちは人と人とのつながりや請負の仕事で回っているから、ホームページはそんなに大事ではない」というお話も聞きます。でも、採用を考えると、ちゃんと作らないと厳しいと思います。BtoBも検討する期間が長いだけで、ホームページを見られていることはあります。

取引が紹介中心でも、求職者から会社を調べられることは別に考えてください。全国に四、五社しかないような、極めて特殊な商売なら事情が違うかもしれません。ただ、ホームページに力を入れなくてよい会社は、私はかなり少ないと考えています。

昔作ってもらったままで、選ばれることを考えた内容になっているか分からない。そんな場合には、お客様や第三者に見てもらい、感想を聞いてみてください。採用がうまくいかないときにも、見直してみると気づくことがあります。

誰に何を届けたい会社なのかを見せる

戦略的に作るというと大げさに聞こえますが、まずは競合、顧客、自社を考えることです。自分たちは誰に、何を、どのように売っていくのか。選ばれるには、どう見せて、どういう商品設計にして、どこから情報を届ければよいのかを考えます。

その上で、自分たちの良いところ、逆に苦手なところ、ミッションや理念を載せる。スタッフの顔、代表の思い、どんなオフィスで働いているかといった、信頼性や透明性につながる情報もあります。

こういう人たちの役に立ちたいから、この商品を、この考え方で提供している。そのつながりが見えると、働く場所としても判断しやすくなります。こういう会社で、こういう商品を売るのは良さそうだなと思う人は、いるんですね。

求人媒体に載せられる情報には限りがありますが、自社のホームページなら、求職者が知りたい情報を自分から取りに行きやすくなります。魅力的に感じてもらえる内容になっていないと思ったら、足りないコンテンツを足すことを検討してください。社内の人以外に見てもらうと、「これが分からない」という意見も出てくると思います。

採用人数に合わせて、求人ページを用意する

会社のことをきちんと伝えた上で、採用の情報がなければ、それも載せておくとよいと思います。私のお客様でも、ページを作ったら、ぽつぽつ問い合わせが来たというケースがあります。

新卒には時期がありますが、中途の採用は一年中あります。ずっと求人媒体に出し続けるのは大変ですから、自社に求人ページを置き、採用していることを伝えられるのは利点です。

さまざまな部署で通年採用するなら採用専用のミニサイトも選択肢ですが、数人の採用なら一、二ページで足りる場合もあります。あえて別サイトを作る必要はないと思います。

会社の理念や雰囲気が伝わっていれば、それに合う人が応募してきやすくなります。とりあえず近くの求人へ片っ端から応募している方にも対応しなければならないとなると、書類を見ることも面接も、小さな企業には負担です。採用した後に文化や風土が合わないと分かることもありますから、事前に判断できる情報を出しておきたいですね。

今働いている人にも、会社の考え方を伝える

ホームページを作るときには、今いる社員の方に何が伝わるかも、一緒に考えていただいています。

「うちの会社は、こういうことを考えて、こういうことをしたいんだな。それなら、この場面ではこう動いたほうがいいのかな」と、働いている人の行動が変わるきっかけにもなります。

ホームページは、外向きの情報発信であると同時に、社内へ考え方を伝えるものでもあります。求職者だけでなく、今働いている方にも、自分たちがどういう会社か分かるようにしておく意味があるんです。

具体的にどんな内容を足すかは、企業によって違います。まずは、お客様に選ばれるか、ここで働きたいと思えるか、そして中の人にも考え方が伝わるか。その視点で、ご自身のホームページを見ていただければと思います。

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