第346回:就活生が知りたい企業情報を、お客様の関心を考える材料にする

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

就職活動をしている人は、企業のどんな情報を知りたいのか。そうした調査をいろいろ見ているうちに、これは採用のためだけでなく、お客様が何を知りたいかを考える材料にもなるのではないか、と感じました。

働きたい会社を選ぶことと、商品やサービスを買う会社を選ぶこと。その根っこの部分には、つながるところがあるのではないかという、私なりの見方をお伝えします。

働く場所を選ぶ人と、買う場所を選ぶ人の関心を重ねる

就職を考えている方は、会社の雰囲気や仕事内容、働いている人たちについて知りたいですよね。ここなら自分も気持ちよく仕事ができそうか、ということを考えます。

それをお客様の立場に置き換えると、その会社で働く人が、どんな気持ちで自分に対応してくれるのか、という話につながるのではないかと思ったんです。

例えば、旅館やホテルに泊まったり、お店で接客を受けたりしたとき、全体の雰囲気から、その裏側を想像することがあります。「働く環境がいいから、こういう親切な対応ができるのかな」と感じることもありますよね。

就職する側も買う側も、その会社と関わって大丈夫そうかを知りたいのではないでしょうか。関わり方は違いますが、気になるものが重なる部分はあると思います。

もちろん、これは調査によって同じだと証明された話ではありません。就活のデータを見た私の推測です。ただ、買い手について考えるときにも、役立つ視点ではないかと感じています。

会社の内側は、お客様から見えないものではない

働いている方が情報を発信したり、その会社に関心を持つ人同士が感想を共有したりすることで、買う側にも、会社の中の様子が伝わるようになっています。

いつも利用している店について、実は中ではこうなっていたのかと知る。店員さんが疲れているように見えた理由を、働いている方の話から想像する。そういうことがあるわけです。

お客様は、表に出ている商品だけでなく、どんな会社が、どんな人たちで提供しているかにも目を向けます。だから、働く側が知りたいことと、買う側が知りたいことがつながるのではないかと思います。

ただし、外からの推測が正しいとは限りません。その会社はきっとこうだと判断されること自体がある、という話ですね。

商品がたくさんあり、似たようなものを比べるのも大変な中では、会社の雰囲気や対応する人も、相手を知る材料になります。何を売っているかだけでは、判断がつきにくいことがあるんです。

就活調査は、「どこで」「何を知りたいか」に分けて読む

就職活動に関する調査には、どこで企業の情報を集めているか、企業についてどんな情報を求めているか、といったものがあります。面接のやり方や書類の書き方ではなく、会社そのものについての情報です。

買い手の側に置き換えるなら、どこで会社に触れたいのか、どういう形で情報を受け取りたいのか、何を知りたいのかを考える材料になります。

ただし、一つの調査の順位や数字を、そのまま全体の姿だと受け取らないでください。調査によって、対象となる人や人数が違います。

私が見たときにも、結果にはばらつきがありました。別の調査を見たら違うということもありますので、ざっくりと傾向をつかむくらいで受け止めた方がいいと思います。

そこから、採用を考える人が何を気にしているのか、自分たちのお客様にも通じるところはないか、と考えていきます。お客様への当てはめには、少し翻訳が必要なんですね。

研修や日々の働き方を、サービスを支える情報として見せる

就職先について知りたいこととして、一日の業務の流れ、人間関係、やりがい、教育や研修、評価制度、理念などが挙がります。それだけ聞くと、就活生に関係する情報に見えると思います。

でも、買い手として考えてみると、嫌々ではなく仕事に取り組み、きちんと研修を受け、技術を身につけた人が対応してくれるか、という関心につながります。

働く側は、そういう人になれる環境や道筋があるかを気にする。お客様は、その道をたどってきた人に対応してほしいと思う。ここが裏返しになっているのではないでしょうか。

仕事を支える環境や、学んでいる様子も、お客様が会社を知る情報として考えてみてください。立派なインタビュー記事を作らなければいけない、ということではありません。

例えば、バックヤードはこういう雰囲気ですと見せたり、教育や研修をしている場面を撮ったりする。それだけでも伝わるものがあると思います。具体的な内容は、それぞれの会社で考える必要がありますが、商品とは別のところにも材料があります。

中の雰囲気を見せるときは、伝わる印象も確かめる

動画は、文字より多くのことが伝わります。話している内容はよくても、全体の雰囲気が荒っぽく見えるなど、意図していない印象を与える場合もあります。

中の雰囲気を出せばいいのだろうと、撮ったものをそのまま出したり、堅い会社なのに急に動画配信者のような派手な演出を入れたりすると、会社の見え方と合わなくなることがあります。

「こういう印象を伝えたいのだけれど、この動画はどう見えるか」と、第三者にも確かめてみてください。見せる内容だけでなく、雰囲気の伝わり方も調整する必要があります。

私も、最初は就活のためのデータとして読んでいて、ふと買い手とのつながりに気づきました。例外はいろいろあると思いますが、採用する人だけの情報として終わらせず、自分たちのお客様が知りたいことを考える材料にしていただければと思います。

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