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Web担当者の採用に悩む経営者へ:内製か外注か、判断のコツ

Web活用の基本

人材不足が深刻化する中、ウェブ関連業務の内製化と外注の判断基準については悩ましいところではないでしょうか。

この点は、主に2つの軸で考えることが重要です。

1つ目は、社内でスキルを習得させる必要があるかどうか。2つ目は、内製と外注の実質的なコスト差です。

コスト比較には、社員の時間単価を設定し、外注先の実質的なコストを考慮することが大切です。外注の場合、中間マージンを考慮して実質コストを計算し、直接取引か仲介業者経由かで比較検討。人材確保が困難な現状では、外注を積極的に活用し、必要に応じて直接契約に移行する柔軟な姿勢が有効です。

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第521回:そのWebのタスク、内製化する?外注する?その判断基準とは(Webコンサルタント中山陽平)

深刻化する人材不足の中で強い企業とは

人材不足は今や業種を問わず深刻な問題です。

特にウェブ系の人材は獲得が難しく、採用しても定着しないケースも少なくありません。大企業でも苦労している問題です。

中小企業の経営者の方から、

  1. 人材が足りないため案件が進まない、
  2. 新しい部署を作ったが兼務のため思うように機能していない、

といった相談をよく受けます。ウェブ系に限らず、営業職や職人など、様々な職種で人材不足が顕著。

働き手の総数が増えることはなく、従来の正社員としての雇用形態も減少傾向。フリーランスや副業など、多様な働き方が広がっています。会社を一緒に成長させていくという、かつてのような物語は通用しにくくなったのです。

こうした状況下で、

  1. 限られた人数でいかに会社を回していくか
  2. 自社でやるべきことと、外部に任せることの線引きをどうするか
  3. 外部に出す際にどこに依頼するか。

この辺りを明確にしている会社が強くなっています。

新卒採用でも、内定辞退率は50%を超え、60%近くに上ると言われています。新卒を大量採用して組織を拡大するという従来の方法は、もはや現実的ではありません。10〜20年前の感覚では経営できない時代になったと言えるでしょう。

内製化か外注化か

ウェブ関連の業務は多岐にわたります。記事の執筆、写真撮影、デザイン、コーディング、プログラミングなど、様々な工程があります。これらを内製化するか外注化するか、多くの企業が頭を悩ませています。

Point1:スキル習得の必要性を見極める

内製化か外注化かの判断には、2つの基準があります。

1つ目は、そのタスクを通じて社員にスキルを習得してほしいかどうか。ウェブは自社でできた方がいいと思いがちですが、そのスキルの習得が本当に必要かを見極めましょう。

社員のスキルアップは大切ですが、全てを社内でカバーする必要はありません

外部リソースを活用し、社内では最低限必要なスキルに絞るという選択肢もあります。自社の強みと、外部に任せられる部分を見極めることが重要です。

Point2:社員の時間単価と外注費用を比較する

2つ目の基準は、社員の時間単価と外注費用の比較です

社長も含め、全員が自分の時間単価を設定すべきです。給与をベースに、目標とする付加価値を加えて時間単価を計算します。例えば、月給30万円の社員の場合、1時間当たり1,500円から3,000円程度が目安になるでしょう。

この時間単価をベースに、タスクを内製化した場合にかかるコストを試算します。

そして、それを外注費用と比較するのです。もし外注の方が安ければ、基本的に外注に出すという判断が合理的でしょう。

社員のスキル習得を考慮しても、外注の方が圧倒的に安いケースは多いのです。人材が足りない中、無理に内製化する必要はありません。外部リソースを活用し、社内リソースを最適配分することが賢明な選択と言えます。

外注先の選定

外注先を選ぶ際には、いくつか注意すべきポイントがあります。

直接契約か、マッチング型か

外注先は大きく2つのタイプがあります。直接契約型と、マッチング型です。直接契約型は、スタッフと直接やりとりができます。要はフリーランスと契約するような形ですね。マッチング型は、仲介業者が間に入り、適切な人材を紹介してくれます。

それぞれにメリット・デメリットがあります

  1. 直接契約型は、コストを抑えられる一方、適切な人材を見つけるのに手間がかかります。
  2. マッチング型は、手数料分コストが高くなりますが、人材探しの手間が省けます。

自社の状況に合わせて、最適な方法を選びましょう。ハンドリングするのはみなさんです。もちろん相性もあります。

【重要】手数料を考慮して実質コストを比較

この辺りはややこしいのですが、絶対押さえて下さい。

例えば、A社、B社、C社いずれも10万円の見積もりだったとします。

A社は直接契約型で、10万円全額が業務に充てられます。

B社はマッチング型で、20〜60%の手数料が発生するとします。
この場合、B社に10万円払っても、実際の業務には4〜8万円しか使われないのです。

したがって、外注費用を比較する際は、この手数料分を考慮する必要があります。単純に金額だけで判断するのではなく、実質的に業務に充てられる金額をベースに比較しましょう。手数料30%なら1.3倍、50%なら1.5倍にして計算するのがよいでしょう。

また、直接契約型でも、下請けに出している場合があります。実際に業務を行うのは誰なのか、きちんと確認することが大切です。

今後の組織運営の方向性

正社員中心の従来型の働き方は変化しつつあります。これからは、外部リソースを活用し、直接的な繋がりを築いていくことが求められます。社員、フリーランス、外注先など、様々なリソースを柔軟に組み合わせ、プロジェクトを進めていく時代だと言えます。

その際、間に様々な業者が入ると無駄が生じるので、できるだけ直接つながる形を取っていくべきでしょう。外注先との長期的な関係を築き、WIN-WINの関係を構築することが理想です。外注先を安価な労働力としてではなく、パートナーとして捉える視点が求められます

まとめ

人材不足の時代、内製化に固執せず、外注を適切に活用していくことが重要です。内製化するか外注化するかの判断は、スキルの習得が必要かどうか、社員の時間単価と外注費用の比較で決めましょう。外注先の選定では、直接契約型とマッチング型の違い、実質コストを考慮してください。

経営理念に共感する人材を集めるのも大切ですが、それだけでは限界があります。外部リソースを活用し、社内メンバーと有機的に連携していく。そんな柔軟な発想で、これからの組織運営の在り方を考えていきたいですね。

弊社はそんなお困りの企業様と、柔軟な形で伴走支援していますのでお気軽にご相談下さい。

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