動画制作は自社制作か外注か|動画マーケティングで失敗しない判断基準

中小企業のための動画マーケティング入門

このページの役割

このページでは、中小企業が動画制作を自社で行うべきか、外注すべきかをお伝えします。

最初に言っておきたいことがあります。

外注することは悪くありません。動画制作会社や編集者に頼んだ方がよい作業はたくさんありますし、得意分野もたくさんあるでしょう。撮影や編集を任せることは、それほど危ないことではありません。

ただし、丸投げは危険です。

危ないのは、「誰に何を伝えるのか」まで外部に任せてしまうことです。

動画制作会社は、動画の作り方には詳しいかもしれません。

しかし、あなたの商売や顧客について、あなた以上に詳しいとは限りません。

むしろ、そうではないのが自然です。

では、最適な役割分担や、自分たちが絶対に考えるべきことは何でしょうか。

このページでは、自社で考えるべきこと、外注してよいこと、丸投げで失敗しやすいことを分けて考えながらお伝えします。

外注する前に、まず自社で決めることがある

先に決めるのは、動画の見た目ではない

動画を作ろうと考えたとき、自然と最初に思いつくのは「見た目」ではないでしょうか。

「外部に公開してもおかしくないクオリティのものにしなければ」

そう考えて、無意識にテレビや人気YouTuberのような動画を想像してしまう。

そのため、外注しようと思ったときに最初に考えるのは、次のような内容になりがちです。

  • きれいに撮れるのか
  • 字幕は入るのか
  • 編集はどれくらいしてくれるのか
  • SNSにも見栄えよく投稿してくれるのか

もちろん、これらも大事です。

ただ、最初に決めるべきことはそこではありません。

まず決めるべきなのは、次のようなことです。

  • 誰に見せるのか
  • 何を伝えるのか
  • どのページや場面で見てもらうのか
  • 見た後にどう感じてほしいのか
  • 動画を使って、相談、来店、問い合わせ、商談のどこの助けとしたいのか
  • 既存顧客が見ても違和感のない見せ方か

ここを決めないまま外注すると、見た目がきれいであっても使いどころのない動画になりやすいです。

動画は会社の印象そのものにつながりやすい

動画には、文字や写真と比べて多くの情報を含めることができます。

声、話し方、表情、服装、店舗の空気、仕事の進め方。

こうしたものが、良くも悪くも、まとめて伝わります。

そのため、動画は単なる情報ではありません。

会社やサービスの印象に直結します。

自社の顧客が見たときにどう感じるか。

意識していても、していなくてもです。

そのため、そこを自社で考えていくことがとても大事です。

動画制作会社は動画の専門家。ただ、顧客理解まで丸投げしない

動画の技術だけでは、顧客理解は補えない

動画制作会社は、撮影や編集の専門家です。

見やすくする方法、聞き取りやすくする方法、テンポよく見せる方法を知っています。そのノウハウやテクニックはとても役に立つものです。

ただし、動画の技術があれば、自社の顧客理解がなくても成果が出るわけではありません。

  • 自社の顧客が何に不安を感じているのか
  • どの説明で迷いやすいのか
  • どの言い方だと誤解されるのか
  • どこを見れば安心できるのか

こうしたことは、日々顧客と接している会社側の方が分かっているはずです。

そのため、顧客理解まで外部に任せきりにしてはいけません。しっかりした会社であれば、この点を丁寧にヒアリングしてくれます。そういう会社の知見は、十分に参考になります。

業種特化の会社が参考になることもある

もちろん、例外もあります。

特定の業種に強い制作会社や運用会社であれば、同業種の成功パターンや失敗パターンを持っていることがあります。

その知見は参考になります。

ただし、その場合も丸投げはしない方がよいです。

外部の知見と、自社の経験を合わせて判断していきましょう。

どちらが上という話ではありません。

自社だけでは見えない視点を外部から得る。そのうえで、自社の顧客に合うかを判断する。

この使い方が現実的です。

自社で考えるべきこと

企画は自社が主体になる

自社で考えるべきなのは、動画の土台です。

ここで言う土台とは、撮影や編集に入る前に決めておく判断基準のことです。

例えば、次のようなものです。

  • 誰に見せるのか
  • 何を伝えるのか
  • 何を見たら顧客の不安が減るのか
  • どのページに置くのか
  • 見た後、どんな行動につなげたいのか
  • 動画を使って、営業や商談のどこを楽にしたいのか
  • 自社らしい話し方や雰囲気は何か

ここを自社で考えると、動画の判断軸ができます。

外注先から提案を受けたときも、その提案が自社に合うか判断しやすくなります。

営業や現場の声を使う

動画の企画は、Web担当者だけで考えない方がよいです。

営業や現場の人、直接お客様と接している人を必ず入れてください。

顧客と直接話している人は、動画テーマの材料を持っています。

例えば、次のような声です。

  • この説明は毎回している
  • ここが伝わっていれば、相談後の説明が楽になる
  • この不安が減れば、商談が進みやすい
  • ここを見てもらえれば、ミスマッチが減る
  • この見せ方だと、うちの雰囲気と違う

こうした声は、動画の企画にそのまま使えます。

自社で企画するというのは、難しいマーケティング用語を並べることではありません。

顧客と接している中で分かっていることを、動画のテーマに変えることです。

外注してよいこと

見やすく、聞きやすくする作業は外注してよい

外注してよいのは、ここまでの内容が決まったうえで、「ロスをゼロに近づける作業」です。

具体的には、見やすく、聞きやすく、伝わりやすくするための作業などです。

例えば、次のようなものです。

  • 編集
  • ノイズ除去
  • 音声を聞き取りやすくする作業
  • 字幕作成
  • 書き起こしの整形
  • 明るさや色味の調整
  • 見やすくするための映像表現
  • 撮影補助
  • 構成の相談

こうした作業は、専門の人に頼んだ方が速い。

自社で無理に抱え込まなくて大丈夫です。

大事なのは、外注する前に目的を持っていることです。

何を伝えたいのか。誰に見せたいのか。どんな印象を避けたいのか。

ここが決まっていれば、外注先にも依頼しやすくなります。

撮影は、最初から大がかりにしなくてよい

最初から高額な撮影を前提にしなくても大丈夫です。

今のスマートフォンでも、十分に使える動画は撮れます。

アクションカメラや小型カメラでも、目的によっては十分に使えます。

テレビ局のスタジオにあるような専門の機材は不要ということです。

もちろん、すべての動画をスマートフォンで撮ればよいという話ではありません。

ただ、最初から撮影まで外注しないと始められない、とは考えなくてよいです。

まずは自社で撮ってみる。

その素材をもとに、編集や字幕だけ外注する。

この始め方も、十分に現実的です。

丸投げで失敗しやすいパターン

「お任せください」をそのまま信じない

動画制作会社やSNS運用会社から営業を受けると「お任せください」と言われることがあります。

その言葉自体が悪いわけではありません。

ただし、本当に任せてよい範囲は考えておいた方がよいです。

任せてよいのは、撮影、編集、字幕、音声改善、投稿作業などです。

任せきりにしてはいけないのは、自社の顧客がどう受け止めるかの判断です。

この判断まで外部に任せると、事故が起きやすくなります。

既存顧客が違和感を持つこともある

動画は、新規の見込み客だけが見るものではありません。

既存顧客も見る可能性があります。

そのときに、いつもの会社と違う印象を受けることがあります。

「こんな雰囲気の会社だったかな」

「いつもの担当者の感じと違うな」

「ちょっと作られすぎているな」

こう思われると、信頼形成ではなく違和感が残ります。

そのため、トーン&マナーは重要です。

自社らしい見せ方か。

既存顧客が見ても違和感がないか。

ここは必ず確認してください。

費用は「1本いくら」だけで考えない

1本単位では安く始められることもある

動画制作というと、高額なイメージを持つ方もいると思います。

ただ、1本単位で見れば、編集だけであれば数千円から数万円で依頼できるケースもあります。

ショート動画も、編集のみであれば比較的安く始められることがあります。

そのため、「動画は必ず高い」と考えなくて大丈夫です。

問題は、1本の価格だけではありません。

継続して出し続ける前提になったときの月額費用です。

継続運用は固定費になりやすい

撮影、企画、投稿、分析、改善まで外注すると、月額で数十万円の固定費になりやすくなります。

月に何本も出す前提になると、1本あたりの単価は下がるかもしれません。

しかし、月額の支払いは大きくなります。

中小企業では、ここを慎重に考えてください。

最初からフル外注にするのではなく、次のように分けて考えます。

  • 自社で考える部分
  • 自社で撮れる部分
  • 外注した方がよい部分
  • 自社サイト上で使い回せる部分

この考え方を持っておくと、費用対効果を判断しやすくなります。

自社の時間もコストとして考える

外注するべきか迷ったら、自分の時間やスタッフの時間を時給換算でコストとして計算してみるのも1つの手です。

社内の誰かが何時間使うのか。

その時間を時給換算すると、いくらになるのか。

外注した場合、いくらで済むのか。

この比較で判断します。

ただし、自社でやることには、金額以外の価値もあります。

自分たちで撮ったものが、顧客の判断材料になります。

社員が顧客のことを考えるきっかけになる。

営業や現場の知識が、Webサイト上のコンテンツになる。

この経験は、会社に残ります。

そのため、面倒な作業や専門的な作業は外注してよいです。

一方で、顧客理解や企画の部分は、自社に残すべきです。

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