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書き起こし
次のご質問は、広告についてのお話です。「PPC広告を出した時に、成約率があまり良くない場合、どこから改善していけばいいでしょうか」というご質問です。
これに関しては、いろいろな原因があり、難しいです。なぜコンバージョンが上がらないのか、例えばランディングページ(LP)1枚でゴールに達成させようとしているのなら、その入口の段階、つまり最初のつかみが失敗しているのか、それとも下に読み進めていく段階のどこかでお客様が逃げてしまっているのか、あるいは最後のフォームに入力、電話などの最後の段階で一押しが足りない、あるいは使いづらくなってしまっている、もしくはお客様がモバイルを使っている人が多いのにモバイル対応していないなど、いろいろな原因があると思います。
つまり、何が原因かというのは一概には言えませんので、みなさんに行っていただきたいのは、一度自分でやってみるということです。
もしくは、人にやってもらう、つまりユーザーテストです、実際にこのようなシチュエーションでこういうことを思っていて、うちに来ましたというシミュレーションをしてください。自分の中でお客様になりきって、改めて上から順番に見ていって、引っかかるポイントがないかどうか考えてみてください。
とはいえ、自分でやってみると、そのサービスや商品をよく知っていたり、愛着があるためにきちんと判断できないこともあると思います。ですので、他の人、なるべくターゲットに近い人(ターゲットを意識していなければ、そもそもマーケティングはうまく行きませんので、そこから考える必要があります)、だいたいこれくらいの年齢で、こういうニーズを持っていて、このくらいの費用なら出せるという事前のイメージに近いような人に、趣旨を伝えて、最後のコンバージョンまでやってもらいます。
そしてそれを後ろから見ていて、頭の中で思いついたことを全部言葉に出すようにお願いするといいです。普通、ホームページを見ているときはしゃべりませんが、この場合は、頭に浮かんだことを全部口に出してください、何を言われてもいいので、という前提でやったほうがいいです。そうすると問題点が結構出てきます。
今は、遠隔ユーザーテストというのがあります。つまり、リモートのユーザーテストです。ターゲットになるべく近いモニターを集めて、その人が実際にシナリオにそって訓練された状態で、ホームページを見て、競合他社と比較しながら実際に使っている映像と、思いついたこと、つぶやいたものの文字起こしなどをまとめてくれるサービスがあります。
これを使うと本当に客観的な意見が取れますし、その動画を見るといろいろな改善点が見つかります。
このように、広告でうまくいかない時は広告文なども含めてユーザーテストするのが一番早いです。
それ以外にできることは、例えば1枚もののLPなら、どこまで見てくれたかということは、「ヒートマップ」というツールを使うとわかります。
この辺でみんな何処かへ行ってしまう、一番最初のワンスクロールくらいで去ってしまうのか、最後まで見られているのかということが、ヒートマップを使うとわかります。
これはいろいろな解析ツールに入っているので、検索すれば無料のものも見つかるはずです。こういったものを使ってさらに補助情報を得ることもできます。このような定性的なものも見ていくと、改善のポイントが見つかる事が多いです。
PPCに限らずうまくいかないという時には、もちろんGoogleアナリティクスのようなアクセス解析ツールを見ることも大事ですが、ユーザーテストのような人間が関わるテストを行うことをおすすめします。コンバージョンになかなかたどり着かないという場合にはぜひ行ってみてください。
どうしても、今は消費者の価値観が多様化していますので、いわゆるアクセス解析ツールと言われるようなGoogleアナリティクスなどの定量的なデータは、平均値のようなものなので、ばらつきをあまりカバーできません。そうするとどこかで行き詰まります。
そうなると、なかなかそれ以上伸びないので、その時にはこのような一人ひとりの意見を聞いたり、「対人間」というものを意識してやってみるといいと思います。