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今回の内容について
今回は、お客さま目線でのSEOについてがテーマ。SEOは順位のデータや流入数などの数値だけを見ているだけでは上手くいきません。
あなたは、自分のお客さんがどのような世界で情報を探しているか、把握していますか?できるだけ同じ目線で寄り添っていますか?
そのためには、数字だけではなくもっと近くによる必要があります。
特定の行動を定期的に行い、その中で変化や行うべき事に気づき、素早く対応していくことが重要です。
詳しくはPodcast / YouTube動画配信をご覧下さい。
YouTubeで動画形式で配信しています
YouTubeにて動画にて配信しています。内容自体は同じです。お好きな方をご覧下さい。
エピソード詳細
目次
検索エンジンからの集客について、良い決断をするために取っていただきたい行動
最近Googleアップデートに伴って検索結果の変化等がありました。それを受けて皆さんに押さえておいていただきたいGoogleのこれからと、検索エンジンからの集客について、良い決断をするために取っていただきたい行動についてお伝えします。
まずは皆さん自分の商売に関して考えていただきたいです。自分が売っている商品やサービスを検索する人がどのような検索結果画面を見ているか、今すぐに想像できますか?PCで見た時の広い画面と、モバイルの狭い画面で見た時の両方についてどのような検索結果になっているでしょうか。
これはものすごく重要なポイントです。言うならば、自分のお店までの道がどのような道になっているのか、ガタガタ道なのか平坦で見通しの良い道なのか上り坂なのか・・・を知っているか知らないかでは、そこに対するプロモーションや事前に与える情報等が変わってきます。
皆さんが現れる可能性がある・・・既に検索上位に出ていれば現れているわけですが、あるいはこれから狙いたいキーワードにおいてどういう姿で検索結果が現れているのかを考えてみたことはありますか?
検索結果をその目でチェックする
BtoBでも最初の情報収集はスマートフォンでするケースが増えているので、特にスマートフォンでの画面は重要です。どの業種の方も、お手元のスマートフォンで検索してみてください。潜在顧客を開拓していかなくてはいけないので、会社名ではなくキーワードで検索をします。(私の場合は「ウェブコンサルティング」等です)
またはそれ以外に集客できているキーワードを認識しているのであれば、それを想像してから実際に調べてみてください。検索結果というものはほとんどパーソナライズされていません。
昔はよくパーソナライズされていて、自分がよく見るページが上に出るようになっていましたが、今はGoogleが公式にそれはやっていないと言っています。今はローカリゼーションのみされていて、マップ等自分の周りの情報が優先的に出るようになっています。
つまり皆さんが見る検索結果は、ほとんどそのままお客様が見ている検索結果だということです。検索結果について、想像していたものと結果とが一致しているという方は素晴らしいです。一方で想像していたものと違ったというケースもあると思いますが、それはとても危険な状態です。
- 1位だと思っていたのにここにしか表示されていない
- 順位がそこまで高くないけれど目立つところにいる
- 意外なところに自社の写真が出ている
等、いろいろな発見があると思います。Googleの検索イメージを想像した時にシンプルに広告と検索結果がずらっと並んでいる状況で止まっている方は、非常に危険です。
なぜかというと今の検索結果はそうではなく、もっと様々なものが表示されているからです。そしてその様々なものからの流入の重要性が増しています。
今の検索結果は様々なものが表示されている
これはSEOを生業にする方や、昔から検索エンジン対策を行ってそこから集客を成功させている方にとっては悩ましい問題でもあるでしょう。今まで自分たちが頑張って気づき上げてきたものが、Googleの仕様変更によって崩されてしまったという側面もあります。
これはGoogleを盲進しろということではなく、自分たちで検索結果に様々な新しい見せ方を投入していくことによって、ユーザーが必要な情報にたどり着くための手段を提供していくという方向で進んで行っているということです。
これからのSEOは、いわゆる順位を上げていくことだけを考えていた昔のレガシーなものとは全く違います。もちろん順位を上げることは重要ですが、ユーザーが様々なところを見ていきます。一番分かりやすいのはマップです。リスティングの上から順番に見ていくので、今はGoogleマイビジネスに登録をして、そこでいわゆる今までのSEOとは別の枠で情報を出したり登録したり管理したりする必要があります。
またそれ以外にも、例えば画像系が検索結果に出るようになっているので画像が重要になってくるということもあります。商品そのものが重要なケースもあれば、画像でうまく見せることによって店舗に入る際の不安を解消できるということもあります。
そこに何を出すべきか?
例えばなんとなく敷居が高いイメージがある鍼灸整体なんかだと、中の雰囲気が写真で分かることによって、「こんな感じなら行ってみようかな」と思いますよね。そういう意味での写真や動画も含めて、いかに自分たちをGoogleが見せているものにしっかりと追随して出していけるか。ユーザーが情報を求めている場所に自社を表示できるかどうかという点がSEOとして非常に重要な部分になっていて、それは順位よりも恐らく大きいウエートを占める状況になっています。
これからSEOを考える場合には、現実的に言うとほぼGoogleになりますが、Googleを使って何らかの形で情報を得ようとしてくる人たちに対して、適切な場所に自社の適切な情報を出していくかということを考える必要があります。端的に言えば今はもう順位だけの時代ではないので、自社が出せるところにはどんどん出していこうということです。
では自社が出していけるのはどこなのかという話になると思いますが、それが最初の質問に繋がります。検索をしてみてここにうちも載りたいとか、なぜここには載っていないのか、なぜ競合他社は載っているのに自社は載っていないのかということを把握して、それを全部ここに出すという考え方が基本です。
もちろん頑張らないと出せない枠、そもそも出せない枠、お金を払えば出せる枠といろいろあるわけですが、まずどんな感じになっているかということをきちんと把握していないと、皆さんとしても施策をどうすれば良いかが浮かばないと思います。
ページに行かなくても済むようになるという世界
今Googleとしては、いちいちリストアップされているページに行かなくても、ある程度の初期段階の検討はおしまいになるようになっています。例えば物販のように、そこで完結してすぐに販売ページに飛べるケースもあります。またさらに検討が必要なものであれば、最初の一歩はいちいち各ページに行かなくても済むようになるという世界に向かっていると考えるのが妥当です。
そういうところにきちんと出していくことが必要です。特にマーケティングの責任者や担当者は、少なくとも月に2~3回は、自社が重要だと認識しているキーワードで実際に検索をしてみましょう。何か変わっていることはないか、できることはないかチェックする習慣を付けたほうが絶対に良いです。
これにはいくつかの意味があります。一つはGoogleの仕様変更に対応できるかどうかということです。ショッピングが急に出るようになったり、新しくストーリーが出るようになったりとGoogleが様々なトライをしているので、それに早く気づくことができます。
GoogleのSEOの情報は専門用語が多くて、よく分からないことが多いですよね。でも実際に検索していると気づくことはたくさんあります。知らない要素が追加されていることに気づけると、調べて次の段階に進むことができます。それがメリットの一つです。
もう一つはGoogleの仕様変更はさておきの話です。ユーザーの変化にも気づけるということです。よくインテントと呼ばれているものです。ある検索キーワードに対してどういう内容を返すのかということは、GoogleはAIを使ってなるべくユーザーのニーズを拾えるように学習しています。
それが今は季節ごとや時節ごとにどんどん変わっていきます。ある言葉に対して必要とする情報は、アルゴリズムの変更等ではなく季節ごとに変わっていきます。例えば「七五三」「パーティー」というキーワードは、季節ごとにお勧めするものが変わってきます。
こういう変化をきちんと体感していくためです。また、あるところでは「こういうキーワードに対しては販売というよりも情報提供だ」とか、「あるキーワードに関して今までは情報や会社そのものを出していたけれど、すぐ販売のページを出したほうが良い」というようにインテントが大きく変わる場面もあります。
そうなると自社サイトの順位が上下してしまいます。そうならなくても、ユーザーの気持ちが変わったことにきちんと付いていかないと、皆さんのHPには来てくれません。そのインテントの変化が激しいので、ユーザーのニーズにきちんと付いていくために、自社が重要だと思うページをチェックして体感していかなければなりません。またGoogleとしても、検索結果の中に様々な自分たちのものを出していくという方針を変えるとは思えません。むしろ強化していく方向だろうと思います。
Googleのポインティ買収について
例えばニュースで、ポインティという自店舗へのネット活用を支援するスタートアップを買収するという話が出ています。このあたりが先ほどのGoogleの検索結果の中で振り回すというものです。
最終的には、ユーザーとしては生の情報を知りたいので、皆さんのHPに来ることになると思います。しかしGoogleとしては、最終的にHPを見て決めるのはユーザー的にはストレスだろうという前提で、そこまでのお膳立てをなるべく自分たちのAIを用いて楽にしてあげようという趣旨なのだろうと思います。
ポインティ買収の件は日本にすぐに影響があるわけではありませんが、Googleの今後を考えるのにいいかと思います。210億円程度なので、そこまで高くはありません。実店舗支援と書いてありますが、Googleがお店に行ってSEOについて教えるということではありません。昔日本では「みんなのビジネスオンライン」がそういうことをして失敗しています。
それとは全然違う方向性でグローバルでやろうとしているものです。ポインティは端的に言えば、ローカルの様々なECショップをやっていないお店の在庫をGoogle検索結果に載せることによって、簡単にネットからの集客をするというものです。ネット上で売るという仕組みではありません。ネット上で、どの店舗に商品があるかを教えてあげて、来店を促すというサービスです。
日本では、今の段階では成立しません。なぜかというと、ポインティというものには二つの要素があります。まずはネット上に自分たちの在庫情報をどうやって出すのかという点です。Googleマイビジネスを使っていることは見たことがあると思いますが、そこで売っている商品を下に出すことができます。
ただしそれはGoogleマイビジネスでの作業が必要になり、また在庫管理も必要になるので、そう簡単に導入できるものではありませんでした。ポインティでは、載っている一番上のデバイスを対象とするPOSシステム(スクエア等)と連動させていれば、店内の在庫情報を読み込んで、売れた物を削除して・・・ということを勝手にやってくれます。
タイムラグはあると思いますが、都度最新の在庫情報を載せられるようになります。Googleマイビジネスの下の部分に出てくる取扱商品を、半自動的に店舗と連動できるということになります。自分でやるプランは無料で、お願いすると900ドルです。
ただしこれだけだと、潜在顧客を引っ張ってくることはできません。この状態だけだとどうなるかというと、お店の名前を検索すればGoogleのローカル情報が出てきて見ることができます。しかし例えば衣料品店であれば、子供服と入れた時にお店の在庫情報が出てくるわけではありません。Googleのローカル情報を充実させるくらいの意味しか無いので、あまりインパクトはありません。
しかしポインティでは、ポインティ自体がその地域に特化した紹介ページを用意しています。サンフランシスコとなると、ポインティ自体がその地域のデバイスが刺さっている在庫情報をまとめた情報を出してくれます。サンフランシスコでその商品がこのお店にあるよ、というページを勝手に作ってくれます。
それによってあなたのお店を全く知らない人でも、商品名等で検索してきた時にポインティのサイトが上位にあれば、そこで今リアルタイムに在庫があるという情報が載り、そこから実店舗に行ってもらうことができるという仕組みになっています。
この二つの合わせ技により、ただのブランド名検索以外でも、ユーザーが一般的に検索するようなワードでも実店舗に連れて行くことができるようになっています。日本にもポインティのようなものがあれば提携して実現できますが、現在はありません。ですから今日本でやっても、ローカルパネルの商品のリアルタイム更新くらいしか意味がありません。海外ではポインティというWEBサイトがあるのでローカルへの集客ができる状況が続いています。
それを今回Googleが買収しました。何のために買収するかというと、こちらの方向を攻めるからということに他なりません。タイトルとしても「実店舗のネット活用を支援する」ということなので、軸足は実店舗にあるわけです。つまりAmazon等の通販サイトが幅をきかせている中で、実店舗で買うという需要もあるだろうということです。
Googleはそこを攻めていこうということだと思います。従来実店舗で集客しようとすると、HPを作ってランキングを上げて、そこで地域名+実現したいことを検索すると上に載ってアクセスされて、中を見て良かったら実店舗に行って・・・というプロセスが必要でした。
それを全部飛ばして、ローカルで欲しい物や知りたいサービスを検索するとGoogleが何らかの新しい情報を出します。「あなたの近くのこのお店でその商品を扱っています」「あなたの8km以内にこういう商品や類似品があります」というものを出してくる可能性が非常に高いです。
これまでのショッピングに関しては、ショッピング広告を出すなりしてまとめサイトのようなものがある意味できていました。それと同じような感じで、ローカルでもGoogleの検索画面内で完結する形でお客様を実店舗に誘導する仕組みを作ろうとしている流れになっています。
実際にこれがどう転んでいくかはまだ分かりません。Googleは、買収はしたけれどものにしていない、というものも意外とあります。しかし少なくとも210億円をかけて買収したということは、Googleとしてはこの先も検索結果画面自体を充実させていき、その結果としてGoogle検索は便利だと感じられる状況を作っていくという方向性でしょう。
今後の流れでやるべきこと
このような流れがあるので、皆さんは順位を気にしている場合ではありません。いかにユーザーがどう動いていくのかを把握し、そこに対してきちんと露出できる部分で露出していくかが重要になっていきます。
例えばスマートフォンで「レストラン」と検索すると、近くのレストランが表示されます。もちろんGoogleマイビジネスをきちんと設定して、現在営業時間かどうかという情報を充実させることは重要です。それ以外にも例えばぐるなびだと1枚目の写真の見せ方が重要だということに気づくことができます。関連検索のキーワードでニーズの変化を押さえることもできます。
例えば「古着」で検索すると、古着屋が出てきます。写真で検索も加わっています。画像検索が大事だという話は前からしていますが、このランキングとはまた別です。現在地付近とありますが、これもローカル検索と絡んでいます。しかもこの順位は、決してこことは一致しません。もし一致するのであれば、リサイクルブティックABCが1位のはずですが、1位はDEF店になっています。4位だけれど、1位になっています。
これはどういうことかというと、一番最初に表示させるように設定している画像内容をGoogleがAIでチェックしていて、それが古着屋らしいものになっているから優遇しているということだと思います。リサイクルブティックABCを開いてみると、画像がありません。これはストリートビューから持ってきた画像です。
ここで1位になっているのは良いのですが、古着は画像や雰囲気が重要なポイントになってくるのにここに出せていないというのは、大きな機会損失です。1枚目の画像をきちんと登録することが重要です。これがあるというだけで、施策として成り立ちます。
似たようなものはたくさん
似たようなものはたくさんあります。インテントで言えば、「WEBコンサルタント」で検索をすると、昔はWEBコンサルティング会社のHPばかりが上位に来ました。しかし何年も前から、「WEBコンサルって何?」「WEBコンサルタントになるためには」というページばかりになっています。
恐らくWEBコンサルティング会社はうさんくさいという大前提があり、そこに対して判断基準となるようなコンテンツ、あるいはコンサルタントになりたい人がほとんど検索しているということです。お客様となる人は一握りだという状況に変わりました。
昔は当社も1位だったりしましたが、気が付けばこのあたりです。企業くくりで言えば結構上のほうだとは思いますが、落ちています。YouTubeの露出も大事です。これを見ていると、自社が狙っていたキーワードは実は今お客さんが少ないから注力する価値がないということに気づきます。それを求めている人に対する広告だけ設定して、他の部分に注力したほうが良いということが見えてきます。
Googleの仕様変更、ユーザーの趣向の変化に気づくためには、順位やツールの数字ばかりではなく実際の検査結果を見ていく必要があります。だから、定期的に自分たちで検索結果をチェックすることが大事なのです。自分たちでお客様の最初の一歩を体感しながら施策を回していくことが非常に重要です。
「変わった、ピボットするぞ」というのが速いのは、明らかに中小企業
さらにこのあたりの「変わった、ピボットするぞ」というのが速いのは、明らかに中小企業です。大企業はやはり意思決定までに時間がかかります。ある四半期でやろうと思っていたことが次の四半期になってしまって手遅れになるということが多々あります。これは小さい企業の得意とする部分なので、ぜひこういうことができることを強みにして攻めていってほしいです。
細かい技術や情報が分からなくても自社で発見して、それを誰かに相談してお願いすることはできます。それは大きな強みです。お客様との表面積が多いことも含めて、今後のSEOをやっていただきたいです。SEOというと数字や順位を見がちですが、このように実際にお客様がやっていることをトレースして、そこから逆算してやるべきこと、やるべきでないこと、新たにやりたいことをアップデートしましょう。
費用対効果を考えながら外に出していく
社内でできることはやって、できないことは費用対効果を考えながら外に出していくことが非常に有用になっていきます。その情報のキャッチアップをするのは、もちろんコンサルタントがいればそこからプッシュアップ型で教えることはできます。そこは自分たちで気づかなくてはいけないと考えていただきたい部分もあるので、定期的にこういう点をチェックしましょう。
今までのやりかたが通用しないと嘆くのではなく、ユーザーの求める姿に沿って行き、これからの時代に対応していくことが大切です。Googleはユーザーの行動を解析した結果を出しているので、Googleのやり方に大きく背くことはユーザー軽視ということになるのではないでしょうか。まずは思い込みを排除するために、すぐにスマートフォンでいろいろなキーワードを検索してみてください。