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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。アクセス解析を見ていて、「なんでこうなっているんだろう」と分からなくなることはありませんか。今回は、私が2024年8月にお客さんと一緒に数字を見ていたときの話をします。データから答えをひねり出すより、いったんツールを閉じて現場の話を聞いた方が、先へ進めることがあるんですね。
私はWebコンサルティングという仕事をしていますが、実際には、よろず屋みたいな形でお客さんの相談に乗りながら、案件も含めて動いています。当時は皆さんが元気になってきていて、すごくうれしい反面、休み方のばらつきが広がっているなと感じた夏でした。
お盆だから減った、だけでは説明できなかった8月
以前はお盆の時期になると、本当に皆さんの反応がなくなっていました。そこで、うちは休みをずらして、お盆前に依頼されたことや、その後に来るいろいろなことをこなしていたんです。
ところが2024年の夏は、お盆に動く人もいれば、別のチームは前の週に動いてお盆に休む。さらに、お客さんの先のお客さんも、お盆だからといって動かないわけではない。多対一で商売をしている身としては、なかなか休む暇がないという状況でした。
その8月は、15、6社ぐらいを見ていたのですが、お客さんや、その先のお客さんの動きがかなりばらついているなと思いました。コロナの時期は、家にいる期間が多かったから結果的にそうなったともいえますが、割と動きがそろっていたんですね。
もっと前を振り返っても、いわゆるお盆の週にドカンと落ちて、月曜日から戻る。会社によっては、中の人が危機感を持って土日から少しずつ動き始める。そういうパターンがあって、前後の週はあまり影響を受けない、という感じでした。
それが2024年8月には、業界によって、お盆の影響が前にも後ろにも出ているように見えたんです。お盆の前の週の方が減っている会社もありました。「休みをずらしたのかな」とは考えられます。でも、明確にそう推奨したわけではないし、営業さんが動いていないから活動が減った、というわけでもなさそうだと聞くこともありました。
8月の頭ぐらいから影響が出ている会社もあれば、お盆の翌週にすごくアクセスが増える会社もある。そのままお盆のような流れが続く会社もありました。当時は8月後半にGoogleのアルゴリズム更新も重なり、私としては、不確定な要因が増えていると捉えていました。
このときに、それをどう捉えるか。データから考えるのではなく、現実から考えるという話につながってくるんですね。
3割減の原因は、GA4だけでは見つからなかった
ある会社では、8月に3割ぐらい落ちていて、「9月は大丈夫か」という感じだったんです。私も不安になったので、7月の平均値を取って、そこからの増減をパーセンテージで出し、第何週が減っているのかを調べました。
すると、お盆の週ではなく、その前の週がものすごく落ち込んでいる。どうやら、それが原因らしいと分かったんです。
ただ、なぜその週が落ち込んだのかは、GA4やアクセス解析を見ても分かりませんでした。よく見られるページが変わったわけでもなく、滞在時間が変わったわけでもなく、なんとなく全体のボリュームが減っている。これは何だろう、という感じですよね。
そんな話をしていたら、お客さんから「そういえば、今年は全体的にこういう雰囲気があって」と話が出てきたんです。それから、「このイベントがなかったので、こういう空気がありましたよね」と。イベントというのは、フェアのような販売イベントではなく、会社としてのイベントです。
そこから「こう考えると、この辺りの数値が変わっていませんか」と調べてもらうと、基幹系のデータでも活動が減っていることが分かって、話がつながりました。
GA4などのデジタルなデータから分かることには限りがあります。そこで強烈に「これだ」というものが出てきても、現実から離れているケースもよくあるんです。数字を見て分からなくなったら、一度ツールを閉じる勇気を持った方がいいと思います。
答えを作り込む前に、お客さんと分からないところを共有する
お客さんに聞かず、こちらで全部答えを出すことをよしとする考え方って、無意識にしてしまう方が結構多いんです。でも、それは百害あって一利ないし、お客さんも求めていないので、どんどん聞いた方がいいんですね。
聞かないまま「きっとこうなんだ」と仮説を立て、いざミーティングに臨んだら、「それ、多分これじゃないですかね」とあっさり答えが出る。私も過去に何度も経験しています。だったら、さっさと聞いてしまった方がいいわけです。
もちろん、お客さん自身も答えを持っていないことはあります。ここでいうお客さんは、皆さんがやり取りしている先方の担当者の方ですね。
お互いに分からないとき、「では、何とかデータからひねり出してみます」と戻っても、うまくいくことはあまりないと思います。「社内や、その周辺で何か変わっていると思うんです。こういうことや、こういうことはありませんか。ほかには何が考えられますかね」と、現実の方を詰めていった方がゴールに近づけます。
私も定例の場には仮説を持っていきますが、こういうときは「多分、これだけではないだろうな」と思いながら準備しています。どういう質問をしたらいいか。どこまでは分かったけれど、その先は分からないのか。過去の経験ではこういうことがあったけれど、今回はどうなのか。そういう引き出しを用意して、ぶつける場だと割り切ってしまいます。
事前に聞いて、当日はすり合わせる場にすることもあります。分からないところを一緒に調べる共同作業にすると、担当者の方との連帯感も深まっていくんですね。
数字の解釈を、自分まで信じ込まない
データは数字なので、いろいろな解釈ができてしまいます。よく見えるように取ろうと思えば取れてしまうし、違う方向に持っていくこともできてしまう。
「とりあえず今回の定例を切り抜けよう」という気持ちで、そうしているケースもあるとは思います。もちろん、やっていいという話ではありません。ただ、私が一番怖いと思うのは、そうやって作った解釈を、自分も信じてしまうことです。
そうすると、現実と頭の中とのずれが、どんどん大きくなっていきます。デジタルのデータを見ることに慣れていないお客さんが、数字をうまく捉えられないのは仕方ありません。現実の世界で生きているお客さんと、デジタルのデータを見る皆さんが、お互いの認識のずれを直しながら正解に近づいていく。それがベストだと思っています。
ところが、自分の解釈を信じ込んでしまうと、そこから外れて、お互いにあさっての方へ進んでしまうんですね。
もちろん、データだけで分かることもあります。ただ、今回のような場合には、ツールは質問のきっかけを作り、現場から出た仮説を検証するために使うぐらいのイメージがいいと思います。「こうなっているなら、この数字が変わっているかもしれない」と確かめるわけです。
他部署には、PVやセッションよりお客さんの動きで聞く
皆さんが社内でWebを担当しているのであれば、ほかの部門の人に聞くことになります。ただ、そこでPVやセッションの話をしても、向こうは「何のことだろう」となってしまいます。
「ちょっとお客さんが活発じゃないんですよね。お盆の前の週の方が、むしろ活発ではないというデータが出ているんですけど、現実はどうなんですか。データの方がおかしいんですかね」。そんな感じで寄り添うように聞くと、結構いろいろ出てきます。
私の場合も、「それはこうじゃないかな」という話が出てきたこともあれば、「ほかの部署からも、そういう印象があると聞きました」ということもありました。本格的な数字は共有していなくても、部署間でなんとなく伝わってくる話ってありますよね。
例えばテレアポをしている部隊があったとして、アウトバウンドの担当から「前の週ぐらいから、お客さんのやる気というか、本気度が上がってこない月でしたね」と聞けることがあります。
そこから、休みがばらけてプロジェクトが進まないので、「どうせ進まないんだから、8月はそんなに本気でやらなくても」という空気があったのではないか、と話がつながるんです。少し悪い言い方ではありますが、結果として購買行動が進まない。食いついたところで動かせないから、反応も悪くなる、ということですね。
そういう話が出てから、裏付けになるデータは何だろうと考えます。本格的に検討している段階なら見るページと、9月になってから検討するつもりで今見る資料とでは、違うかもしれません。その仮説で見てみると、後者のページの動きが少し上がっている、といった傾向が分かることがあります。
わかりやすく出ることもあれば、出ないこともあります。現場の話を聞いてから数字へ戻ると、何を確かめたいのかが変わってくるんですね。
現場の情報を聞ける関係を作っておく
外からの影響が大きくて分からないことが多いときは、聞くことを怖がらない。むしろ、聞くことによって相手にも参加してもらって、知識を増やしてもらえばいいと思うんです。
コンサルタントという仕事では、自分の知識や考え方、プロセスをお客さんに開示しない方へ動きがちなところがあります。頭のいい人がそれを吸収してしまったら、自分が必要なくなる、という考え方ですね。
でも、お客さんが成功するという目標を考えたら、2人で一緒に考えた方が早いはずです。皆さんが毎日現場にいるのでなければ、なおさらです。私は、こちらが出せるものは全部開示して、その上で2人でフルパワーで戦った方がいいんじゃないの、という考え方です。
ツールを妄信せず、現実の空気やお客さんの話を聞く。そして、実際に聞ける環境の土台を作る。そちらに力を使った方が、成功には近いんじゃないかなと思っています。
私が普段支援したいと思っている、小さめの中小企業の方々にとって、お客さんに近づくための方法は、リアルな世界の中にあることが多いんです。だったら、そちらから情報を取っていいんじゃないの、という感じですね。
関連コンテンツ
現場から聞いた話を、そのまま答えにするのではなく、確かめたいことを考えてデータへ戻ってみてください。
第484回:仮説を立ててからデータで答え合わせをするでは、変化のない数字も含めて確かめる考え方をお伝えしています。施策を後から検証できるようにする記録は、第32回:変更内容と狙いを残すも参考にしてください。
Web解析の進め方全体は、中小企業のためのWeb解析入門でお伝えしています。
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