第26回:選択肢を並べるだけでは選べない、商品を選ぶ基準の伝え方

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

お客さんは、好きで選んでいるとは限りません

商品やサービスの選択肢をたくさん用意すれば、お客さんに喜ばれる。そう考えて、できることを全部並べてしまうことはないでしょうか。選ぶことは楽しいものだというイメージがありますが、いつもそうとは限らないんです。

失敗しても「まあいいか」で済む買い物なら、選ぶことも楽しみの一部でしょう。ところが、海外旅行や家、高級な家具、家電など、金額が大きくなると選択の重さが変わります。家族で使う冷蔵庫やオーブンなら、後から不満が出ないよう、カタログや口コミを調べ、実物を見に行くこともありますよね。

選ぶお客さんは、自分だけでなく周りも納得できる判断をするために、かなりの力を使っています。特に会社で使う商品やサービスでは、選んだ責任も伴います。楽しく商品を眺めているだけだと思わず、その負担を考えていただきたいんです。

自由に構成できることが、お客さんには難しい場合もある

例えば、パソコンを一から構成できるサービスを考えてみてください。部品を選ぶこと自体が好きで、詳しい方なら楽しいかもしれません。しかし、会社で使うパソコンを選ぶ担当者が、必ずしも詳しいとは限りません。

どのマザーボードがよいのか、容量はどれくらい必要なのか、CPUは何を選ぶのか。自分で調べて組み合わせを決めてくださいと言われたら、大変ですよね。しかも、買ってから会社が求めていた仕事ができなければ困ります。

そのとき、「小規模なオフィスで、一般的な事務作業をするための構成はこちらです」と案内されれば、自分たちの用途に合っているかを考えやすくなります。

選べる自由を渡すだけでなく、お客さんの用途から合うものへたどり着けるようにすることが大切です。全部あなたが決めてください、となっていないかを見直してみてください。

選ぶ負担は減らしても、押し付けにはしない

選ばなくて済めば楽だとしても、お客さんは押し付けられるのを嫌がります。こちらで決めたものを、理由も分からないまま勧められても、納得できませんよね。

理想は、たくさんの選択肢の中から、自分に合うものへ自然にたどり着き、これならよいと納得できることです。選択肢が多いことと、その中から選べることは別なんです。

例えば、基本のプランが三つあり、それぞれにいろいろなオプションを付けられるサービスなら、プランとオプションの一覧だけを示すのではなく、お客さんのニーズからお勧めを考えます。

何が必要な人に、なぜその組み合わせが合うのかを伝えてください。分からないので人に聞こう、となるならまだよいですが、分からないからもういいや、と離れてしまうこともあります。豊富な品ぞろえを生かすには、そこへ至る案内も必要です。

判断基準がなければ、価格と納期しか比べられません

印刷を頼む会社が三社あるとします。価格と納期には違いがある。印刷機の仕様も書かれている。でも、その違いが自分の仕上がりにどう関係するのか分からない。そうなれば、お客さんは価格や早さで選ぶしかなくなります。

売る側は「結局、安さなんだ」と思うかもしれません。ただ、価格以外の価値を判断できるように伝えていない、という場合もあるんです。価格以外で選んでほしいなら、その選び方をお伝えする必要があります。

例えば、モノクロのグラデーションの再現がどう違うのか、細い線がどれくらいきれいに出るのかを、実際の画像で比べて見せる。使える紙の種類を見せる。初めての人でも分かる発注書を示す。そうすれば、仕上がりや頼みやすさという別の基準で判断できます。

機械の仕様を並べるだけでなく、お客さんが受け取る違いとして見せることが必要です。何がよいのかを理解できなければ、よい商品であっても選ぶ理由になりません。

豊富なラインナップを、たどり着ける構成にする

よい商品を作っていれば、お客さんは自然に気付いてくれる。商品への思い入れが強いほど、そう考えてしまうことがあります。でも、よさが伝わっていないなら、お客さんには選べません。

サイトや営業の仕方を見直すときは、自分に必要な商品へ簡単にたどり着けるか、その途中で必要な判断ができるかを見てください。製品比較やお客さんの声など、納得して前へ進むための情報があるかも確認します。

商品をたくさん並べることと、選びやすく整理することをセットで考えてください。一商品、一価格で販売している場合にはあまり関係しないかもしれませんが、似たサービスや多くの選択肢があるなら、整理の仕方が大切です。お客さんが気持ちよく、自分に合うものを選べる状態を作っていただきたいと思います。

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