第146回:ホームページ制作で社内に残したい、サイトの目的と育て方への理解

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ホームページを作るとき、お客様に「二つのホームページを作ってください」とお伝えすることがあります。一つは、インターネット上に存在する、実際にお客様が見るホームページ。もう一つは、皆さんの頭の中に作るホームページです。

「こういうサイトができました。あとは頑張ってください」で終わるのではなく、その後どう育てていくかを、社内でも考えられる状態になっているか。私は、そこまで含めてホームページ作成だと考えています。

納品されたサイトを、誰が育てるのか考える

実際のホームページがなければ始まりませんが、それだけでは育っていきません。専門的な部分は制作会社や広告代理店、私たちコンサルタントが担うとしても、本来、育てるのは皆さんの会社です。

昔から、ホームページは「インターネット上の営業マン」と言われます。でも、役割は営業だけではありません。サポートスタッフのような役割もありますし、ブランディングやPRなど、いろいろな役割を負っています。

自社のホームページに何を担ってもらい、どう育てるのかは、会社の中で考える必要があります。制作を他社に依頼すること自体は、全く問題ありません。無理に自分たちだけで作るより、専門会社に関わってもらった方がよいと思います。

ただ、「そこは専門ですから全部お願いします。聞かれたら答えます」という関わり方では、その先につながりにくいんですね。ホームページを作る過程を、もっと上手に利用していただきたいんです。

作る過程で、事業とお客様への伝え方を共有する

制作の中では、自分たちの事業を棚卸しし、改めてお客様を定義します。そのうえで、どういう戦略で事業を回していくのか。そのために、お客様へ何をどう伝えなければいけないのか。どういう見た目で、お客様の前に現れるのかを考えます。

それを会社の中で、統一した見解として持つことが大事です。そうすると、ホームページという一つの人格を、これからどう発展させればいいか、自分たちでも分かるようになっていきます。

皆さんの頭の中にもホームページという人格が宿ることが、もう一つの成果物です。実際のサイトが完成したというだけでなく、その存在する理由や、向かう先が社内に根付いている状態ですね。

担当の方が以前からダイレクトマーケティングやPR、販促、営業などに関わっていた場合は、制作期間の中でそれを体得してしまうこともあります。ただ、なかなかそうはいかないケースもあります。その場合は、制作後もフォローを受けながら身につけていく必要があります。

サイトが作られたまま放置される問題も、専門知識がないことだけで説明できるものではないと思います。今後どうしたらいいのかを考えられれば、自分たちで起こすアクションや、社内のプロジェクトも生まれてくるはずです。

何を作ったかだけでなく、なぜそうしたかを残す

箱を作って満足し、中で何もしない。ホームページでも、そうなってしまうことがあります。とはいえ、多くの会社さんは、そんなつもりで作っていないと思うんです。皆さん真剣に取り組んでいます。

うまくいかないことには、制作会社や広告代理店、私たちコンサルタントの責任もあると思います。誰が悪いという話をしたいのではありません。作る過程を一緒に考え、共有してくれる相手を選んでいただきたいんです。

少し時間がかかっても、一緒にああだこうだと考え、一つの人格を作っていく。その過程を共有することで、皆さんの中にも、会社の新しい形が根付いていきます。

完成した形だけを報告して終わらず、「なぜそれをやったのか」を共有してください。何を作ったかというWhatだけでなく、なぜそうなったかというWhyの部分です。

特に小さな会社さんは、できれば全員が参加した方がいいと考えています。それが難しければ、少なくともキーパーソンになる方には参加してもらいたいですね。

制作の専門知識と、経営の話をつなげられる相手と進める

支援する側にも必要なことがあります。制作会社なら制作の能力、広告代理店なら広告文を作ったり、広告を運用したりする能力。それを活かすには、会社の方々からどう聞き取り、一緒に物事を作るかという部分を伸ばす必要があります。

Webコンサルタントも、Webのことがいろいろできるだけでは足りないと思います。経営者の方と話し、Webと実際の事業の間を橋渡しすることが大事です。

事業全体の中で、ホームページをどう使っていくかを相談できることが、支援する側には求められます。専門的な実務は、必要な相手にきちんと話を渡す。そのための通訳や翻訳と、全体の旗振りができることですね。

そういう人材を育てるには、Webの専門教育だけでなく、コミュニケーションや経済、ビジネスモデルなど、相手と話すための共通言語を学ぶことが必要だと思います。自分たちの得意なことを活かしてもらうためにも、周りとつながれる窓口を作っておかなければいけません。

私自身、ホームページ制作を請け負い、ワイヤーフレームを作ったり、簡素なものならデザインから作ったりすることもあります。その中で一番使っているのは、細かなWebの知識というより、事業会社の皆さんとの対話の経験だと感じています。どういう話をすると、どういう情報が返ってくるか。その橋渡しの部分ですね。

社内から次のアイデアが出るところまでを考える

発注する側も、自分たちのホームページを好きになり、納得感を持って接することが大事です。気になって仕方がない、というところまで持っていけるか。私は、そこまでやるのが本来のホームページ作成ではないかと思っています。

会社や事業部として制作に関わり、関わった人の頭の中にもホームページがある状態を、まず最低限のゴールにしてみてください。そう考えると、何を聞くか、なぜ質問するかも変わってきます。

その先に、新しいアイデアや、自分たちの中で眠っていた情報、お客様に聞けることが出てくる。そこからまた、よりよいホームページが育っていく。この循環が起きるかどうかが、とても大事だと思います。

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制作の目的は共有できても、周りに協力してもらえない。逆に依頼が多すぎて、計画した仕事に手が回らない。運用が始まってからのこうした悩みは、コンテンツ制作で社内の協力を得るための考え方も参考にしてください。

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