第227回:Web施策を「改善します」で終わらせない|対象と数字から行動を決める

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

「来月はホームページを改善します」「問い合わせを増やせるように改善します」。会議や報告で、こうした言葉を使うことは多いと思います。ただ、改善という言葉だけでは、実際に何をするのかが決まらないんですね。

言った側は前向きなつもりでも、聞いた側と目指しているものが違うかもしれません。活動を始めても、何がどこまで良くなったのか分からない。そうならないために、改善を具体的な行動につなげる考え方をお伝えします。

「改善します」に、対象と数字を加える

「改善」という言葉は便利です。でも、そのままだと「頑張ります」とあまり変わらなくなってしまうことがあります。何を良くするのか、どの状態になれば良くなったと言えるのか。そこまで話せているでしょうか。

例えば、製造のある工程で歩留まりを上げようとしているなら、関係者の間で、どの工程のどの数字を見るかを共有しやすいですよね。一方、Webでは「サイトを改善する」と言っても、アクセス数なのか、問い合わせなのか、その後の受注なのかが曖昧なまま進むことがあります。

何を、今のいくつから、いくつにしたいのかを決めてください。目標があって初めて、現状との差が見えてきます。その差を埋めるために何をするかが、改善の中身です。

最初から正確な数字を出せないこともあると思います。それでも、仮の目標を置いて動くほうが、行き先を決めずに進むよりも、後から振り返りやすくなります。

問い合わせまで、その先までを分けて見る

Webの成果は、アクセスだけで決まるわけではありません。サイトに来た方が、重要なページを見て、問い合わせのページへ進み、実際に連絡する。その後に商談があり、受注があり、継続や紹介につながることもあります。

こうして分けると、「問い合わせが少ない」という同じ悩みでも、手を入れる場所が違ってきます。そもそも訪問者が少ないのか。来ているのにサービスの情報へ進めないのか。問い合わせをしようとして途中で止まるのか。それぞれ必要な対応は変わります。

例えば、訪問者が500人で、問い合わせを50件にしたいなら、単純に計算すると10%の方に問い合わせてもらう必要があります。その割合を現状から目指せそうなのか、それとも訪問者を増やすことも必要なのか。数字を置くと、考えるべきことがはっきりします。

最終的な成果までの流れを分け、どこで人数が減っているのかを確かめることから始めましょう。「もっと集客する」で済ませてしまうと、別のところにある問題を見逃してしまいます。

集客を増やす前に、問い合わせ後の対応も確かめる

Webからの問い合わせは来ているのに、なかなか受注しない。こういうときは、ホームページの外にも目を向ける必要があります。

例えば、お客さんがサイトに書かれた内容について電話したのに、受けた側が「サイトには何て書いてありましたか」と聞き返してしまう。これでは、お客さんとしては少し不安になりますよね。せっかく興味を持って連絡してくれたのに、その先で話がつながらなくなっています。

電話とメールで、その後の進み方に違いがあるかもしれません。片方では商談につながるのに、もう片方では止まってしまうなら、対応の仕方を見直す手掛かりになります。

広告を増やすより、問い合わせを受けた後の対応を整えたほうが成果につながる場合もあります。どこが課題なのかを見ずに集客だけ増やすと、同じところでお客さんを逃し続けてしまうんですね。

Web担当者だけでは変えられない部分もあると思います。そのときは、どこで止まっているかを数字と具体的な対応の様子で共有し、営業や電話を受ける方と一緒に考えていきましょう。

やりやすさだけでなく、効果と負担を比べて優先順位を決める

目標が曖昧なままだと、手を付けやすいことや、報告しやすいことが選ばれがちです。整理しました、更新しました、という活動は増えても、必要な成果に近づいているかは分からないままになります。

やることを選ぶときには、どのくらい成果に影響しそうか、どのくらい費用や手間がかかるかを合わせて考えてください。アクセスを二倍にするのと、問い合わせにつながる割合を二倍にするのとでは、必要な労力が大きく違うことがあります。

もちろん、いつでも後者のほうが簡単というわけではありません。既に十分工夫されている場所もあれば、まだ手が付いていない場所もあります。自社の状態を見て判断する必要があります。

目標との差を埋めるうえで、効果が見込めて、実行できるものから選ぶ。この順番で考えると、「何となく気になったから直す」という活動から抜け出しやすくなります。

見当がつかない部分は、外部の知見を借りてもよいですし、自分たちで試しながら経験を積んでいくこともできます。どちらにしても、何を期待してその施策を選んだのかを持っておくことが大事です。

仮の目標でも、結果を見て次の行動につなげる

何も分からない状態で目標を置くのは、難しく感じるかもしれません。ただ、霧の中で進む方向を決めずに歩き回っても、どこへ近づいているのか分かりませんよね。仮でも方向を決め、進んだ後に確かめれば、次にどうするかを考えられます。

Webでも同じです。狙った数字が動かなかったのであれば、選んだ場所が違ったのか、実施した内容が十分ではなかったのかを考える。動いたのであれば、続けるか、次の課題に移るかを考える。そうやって目標も進め方も見直していきます。

「何を良くするために何をして、結果がどうなったか」までを一続きにしてください。それがあれば、担当者も自分の仕事の進み具合を説明できますし、報告を受ける側も次の判断ができます。

次に「改善します」と言いそうになったら、対象と数字、そのために行うことまで言葉にしてみてください。そこまで具体的になると、改善という言葉が、実際に動くための言葉に変わってくると思います。

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