第223回:お客様目線の練習は、自分の「何を・いつ・なぜ」から始める

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

お客様目線で考えましょうと言われても、ホームページに来る人の顔は見えませんし、何を考えているのかも分かりませんよね。そういう方をいきなり想像して、人物像や購入までの流れを作るのは、かなり難しいことです。

今回は、その前段階として、自分の判断を分解する練習をお伝えします。自分、身近な相手、そしてお客様という順番で考えていく方法です。日常の中で続けられるので、まとまった勉強時間を作りにくい方にも取り組んでいただきやすいと思います。

顔の見えないお客様を、いきなり想像しない

自分から距離が遠い人ほど、その人の考えを想像するのは難しくなります。まずは自分のことを分析し、それができるようになったら、すぐに反応を返してくれる相手と練習する。その次に、ホームページへ来るお客様を考えるという順番です。

下地がないまま人物像を作ると、「本当にそんな人がいるのかな」と感じるものになりがちです。購入までの流れをきれいに描いても、合っているかどうか分からず、作ったことで満足してしまうことがあります。

お客様を想像する力をつけるには、まず、自問自答して確かめられる自分の判断から始めてください。現場の声を聞くことや、こうした練習を重ねた後に人物像を整理するなら意味がありますが、最初から形を作ることを目的にしない方がよいと思います。

「何を・いつ・なぜ」の三つに分ける

具体的には、自分が何かを決めた時、その判断を三つに分けます。What、何をしたのか。When、いつ、そのタイミングで行ったのか。Why、なぜそうしたのか。この三つです。

5W1Hを全部考えなければいけないわけではありません。誰がという部分は自分ですし、今回は、判断した瞬間を捉えることへ絞ります。

例えば、営業先を回った帰りにコーヒーショップへ入ったとします。「二件目の訪問を終えた後に、コーヒーショップへ入った。すぐに見積もりを作る必要があったから」というようにしてみるわけです。

何となく一つにまとまっている行動を、何をしたか、いつしたか、なぜしたかへ分けてみます。頭の中では「コーヒーでも飲もうか」で済んでいても、分けると、実は必要だったものや、その時に動いた理由が見えてきます。

この分解ができないと、お客様に対しても「何となく来てもらえるようにしよう」という曖昧な話になってしまいます。いつ接点を持つか、何を伝えるかを考えるために、分けて見る練習をするんですね。

普段の小さな選択を、練習の材料にする

題材は、特別なものでなくて構いません。食事を選んでいて、ラーメンにした。どうしてもう一つの選択肢ではなかったのか。仕事でA社とB社を比べ、B社がよいと感じた。それはどの時点で、何が理由だったのか。そうやって考えてみてください。

急にニュースを調べようと思った時も、「なぜ今、これを調べたくなったんだろう」と考えられます。次の打ち合わせで話すための材料を探したかったのかもしれません。朝ではなく夜だった理由など、タイミングへ目を向けることもできます。

特別な時間に時々行うより、日々の判断を材料にして、自然に分解する習慣を作ることが大事です。中小企業では、一日一時間の勉強会を簡単には設けられません。現業もありますから、日常へ溶け込ませられるやり方の方が続けやすいと思います。

繰り返していると、自分が思っていたほど細かく比較せず決めている場面にも気づきます。もちろん、業界や判断する内容によって違いますが、人はすべてをきっちり比較して選ぶ、と決めつけていた見方を確かめるきっかけにもなります。

身近な相手と、お互いの見方を確かめる

自分の判断を分けることに慣れてきたら、二人でやってみてください。自分が何をしたかを相手へ伝えて、「どういうことだと思う?」と、同じように分解してもらいます。そして、自分で考えた理由と、相手の見方を比べます。

合っている、合っていないというだけでも面白いのですが、「もしかしたら、自分はそういう理由でも選んでいたのかもしれない」と気づくことがあります。自分のことは自分が一番分かっているようで、別の人から見てもらうと、新しい判断の基準が見つかることもあるんですよね。

すぐに答えを聞ける相手とのやり取りで、他人の行動を考え、確かめる練習をします。相手の話や動きから何が読み取れるか、どんなことを質問すると分かりやすくなるかも、考えられるようになっていきます。

自分の頭の中だけでお客様を想像する前に、こうした往復を挟むことが大事だと思います。

お客様の判断を考え、届ける内容につなげる

その先で、初めてお客様を考えます。例えば、アクセス解析でこういう動きをしている方がいる。どんなタイミングで、何を求めて動いたのだろう、と仮説を出してみるわけです。

この時にこんなことを知りたいのなら、ホームページで資料を見られるようにしておこう。その疑問に応える内容を置こう。メールでは、こういう状況の方へ向けて言葉をかけよう。判断を分けて考えることが、内容や届け方につながっていきます。

お客様の頭の中を考えて出てきた言葉を、ページや広告、メール、動画の内容へつなげてください。Webの実現方法について専門家の助けを借りることはできますが、誰に何を届けたいかを考える部分まで、全部外へ任せる必要はありません。

まずは自分の一つの選択からで構いません。何を、いつ、なぜしたのか。その小さな練習を積み重ねて、お客様の判断を考える下地にしていただければと思います。

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