第234回:ビデオ会議は、同じ画面を見て一緒に考えるために使う

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ビデオ会議を始める時、カメラにどう映るかが気になると思います。でも、業務を進めるという点で、私が特に価値を感じているのは、顔が見えること以上に、同じ画面や資料を見ながら話せることなんですね。

海外のWebマーケティング支援会社、Conversion Rate Expertsが公開していたリモートワークの経験を読んで、ここは自分の実践とも重なると感じました。今回は、その話をきっかけに、画面共有と、離れて働く人同士の情報のつなぎ方を考えます。会社の事情はそれぞれ違いますから、使えそうなところを選んでいただければと思います。

同じ資料を各自で開くことと、画面を共有することは違う

同じURLや資料を送って、皆が手元で見ればよいのではないか。そう思われることもありますが、実際に一緒の画面を見ると、話の進めやすさが違うんです。

うちがお客様と打ち合わせする時も、画面共有をよく使います。資料にポインターを当てて、「ここの部分です」と示しながら話す。ホームページ制作なら、スマートフォンでどう見え、どう動くかを、その場で一緒に確認する。口頭で場所や動きを説明するより、見てもらった方が伝わります。

皆が今どこを見て、何について話しているかをそろえられることが、画面共有の大きな価値です。一人ひとりが別々に資料をめくる状態とは違いますよね。

会話の途中で「これを見てほしい」と思った人が、すぐ共有して、ここが良い、ここを変えたいと話す。その場で対象を見ながら議論できることが、仕事を進める上で役立ちます。

話しながら、同じ文書を直していく

スプレッドシートやマインドマップなどを、同じタイミングで編集することもできます。議論している文書を皆で見て、その場で書き換えていくわけです。

顔を映したまま会話することばかりに意識が向くと、こうした使い方が抜けてしまうことがあります。私は業務の打ち合わせでは、皆が見られる文書を画面に出して、それを中心に進めるだけでも、十分意味があると感じています。

会議を「話す時間」だけでなく、共有したものを一緒に作り、直す時間にしてみてください。同じものを見ている感覚と、その場で変わることが、議論を進めやすくします。

これは、カメラがどんな場面でも不要ということではありません。業務効率化という観点でビデオ会議を使うなら、まずこの機能を活かしてほしいという話です。

デジタル化は、一緒に議論する資料から始める

社内の文書や情報を共有したいけれど、何からデジタル化すればよいかと聞かれることがあります。私は、皆で一緒に見る必要があるものから始めてくださいとお伝えしています。

営業資料やアンケートの結果、会議の中で議論するために使うものですね。画面共有や共同編集をするという目的があれば、まず何を用意するかを判断しやすくなります。

すべての紙を片端からスキャンするとなると、大変です。オフィスへ行って、一人でずっとその作業をすることになってしまう場合もあります。

「これを皆で見ながら話したい」という必要性を、デジタル化の順番を決める基準にします。そこで必要にならないものまで、同じ優先順位で新たに共有する作業へ広げなくてもよいのではないかと思います。

離れていても、仕事への反応が返ってくるようにする

リモートで仕事をしていると、自分の仕事がどう役立っているかを感じにくくなることがあります。これは在宅勤務だけでなく、バックオフィスやシステム管理などでも起きることだと思います。

社内やお客様から反応が返ってくると、改善点が分かるだけでなく、自分が人や社会につながる仕事をしていると感じられます。ですから、業務についてフィードバックを返せる場所を、意識して作っておきたいんですね。

会社全体で何が起きているかを知る場所も必要です。会社のお知らせをまとめたり、各拠点が何を目指しているか、誰がどんなことへ取り組んでいるかを伝えたりする。知見のある人が手助けできる接点にもなります。

資料の共有に加えて、自分の仕事への反応と、会社全体の動きが分かる場所を用意します。オフィスという物理的な中心がなくても、会社の中で働いている感覚を持てるようにするということです。

雑談と通知も、仕事に合う形へ整える

リモートでは、必要のない話を始めにくい面があります。それは集中を邪魔されにくい良さでもありますが、仕事の成果だけの会話になると、つらい場合もありますよね。

例えば、会議の最初に、その日あったことを話す時間を設ける。一言話せると、次の発言もしやすくなるというのが、私の経験でもあります。雑談をするきっかけを、仕組みとして用意するわけです。

その一方で、常にチャットの通知が鳴ることが合わない仕事もあります。うちはお客様へ早く返したいので使っていますが、すべての会社が同じである必要はありません。タスクを定期的に確認し、本当に急ぐ時だけ知らせるという運用も考えられます。

顔が見えるか、常につながるかより、皆が仕事を進めやすい情報の渡し方を考えてください。既存の管理方法のまま、手段だけをリモートへ置き換えると、合わないところが出てきます。共有して一緒に考えるものと、それぞれが集中して進めるものを、自社の仕事に合わせて整えていくことが大事だと思います。

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