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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
このPodcast/書き起こしで得られること(要点)
- 先が読めない時代に、昔の成功事例をそのままなぞっても再現しにくい理由が分かる。
- 失敗事例は、環境が変わっても繰り返される判断ミスや組織の弱点を教えてくれる。
- 特に危ないのは、使命感や生きがいが強すぎて、会社を守る判断が遅れることである。
- 判断材料を集める時は、生き残った側の派手な声だけでなく、消えた側のデータを意識して見る必要がある。
成功事例が今は効きにくい理由
苦しい時ほど、「誰かがうまくやったやり方」を探したくなります。実際、成功事例は読んでいて元気が出ますし、制作会社や広告会社が前面に出したがるのもよく分かります。ただ、この回で強調されていたのは、今のように前提が大きく崩れている局面では、昔の成功事例はそのまま使いにくいということでした。
昔のレールを敷き直しても、同じ列車は走らない
ネットが広がり始めた時期の成功事例は、当時の市場環境や競争の薄さが前提になっていることが多い。さらに今回のように消費者行動そのものが変わる局面では、過去の勝ち筋をそのままなぞっても、前提条件が違いすぎます。特に店舗や対面の比重が大きかった事業では、そのままの移植は難しくなります。
成功事例は核心が公開されにくい
そもそも公開される成功事例には、外から見えやすい打ち手は書かれても、それを成立させた体制や判断の背景までは出てこないことが多いものです。本当に効いた部分は非公開のまま、見栄えのよい結果だけが前に出る。だから、読者側が裏取りしながら使うのは案外むずかしいコンテンツです。
失敗事例は、環境が変わっても効く
その代わりに価値があるとされていたのが、失敗事例です。どんな会社が、どんな判断で崩れたのかを見ていくと、時代が変わっても繰り返される落とし穴が見えてきます。
うまくいかなかった理由には共通点がある
バブルの崩壊や景気後退の局面で倒れた会社を追うと、急拡大の勢いに酔った、見切りを誤った、細かな異変を見逃した、ルールを軽く見た、といった共通点が浮かびます。成功の形は会社ごとに違っても、失敗の引き金は案外似ています。だから「こうすれば勝てる」より、「こうなると危ない」を先に知る方が、今は実際の現場に落とし込みやすいのです。
失敗学は判断の歯止めになる
失敗の本を読む意義は、怖がるためではなく、客観的な判断基準を持つためにあります。先が見えない時は、どうしても勢い、雰囲気、周囲の声に引っ張られやすい。そんな時に、よくある失敗の型を知っておくと、自分たちの判断に一度ブレーキをかけられるようになります。
今こそ警戒したい「思い入れ」
この回で特に印象的だったのは、失敗要因の中でも「思い入れ」が危ういという話です。使命感、生きがい、助けたい気持ち。それ自体はとても大事なものですが、強すぎると判断を誤らせることがあります。
善意が歯止めを外すことがある
目の前に困っている人がいると、なんとかしたいと考えるのは自然です。ただ、本当は一度立ち止まって資本や体制を整えた方が、結果として長く助け続けられる場面でも、「今すぐやらなければ」という気持ちが強すぎると止まれなくなる。短期の善意が、長期の継続可能性を壊してしまうわけです。
会社を残す判断もまた責任である
ボランティアと違い、会社は従業員や取引先を抱えています。だから事業を続けるには、やりがいや使命感だけで走らず、残るための判断をしなければならない。今のように経営者自身も精神的に不安定になりやすい時期ほど、この切り分けが重要になります。
生存者バイアスを外して情報を見る
成功事例が強く見える理由の一つは、生き残った声だけが世の中に残りやすいからです。ここを外して考えないと、派手な話ばかりが判断材料になってしまうんですよね。
帰ってきた機体だけを見ても全体は分からない
この回では、生還した飛行機の被弾箇所だけを見て補強点を決めると判断を誤る、というたとえも出てきました。よく撃たれている場所は、そこを撃たれても帰ってこられた場所かもしれない。本当に弱いのは、撃たれたら戻れなかった場所かもしれない。成功事例だけを見る危うさは、まさにこれに近いものがあります。
制度や数字も、自分で最低限は押さえる
さらに言えば、補助金や助成金、税制のような判断材料も、人任せにしきらない方がいい。小さな会社ほど、必要な時だけ専門家に頼る形になりやすいからこそ、経営側が最低限の全体像を持っていた方が、慌てずに済みます。失敗を避けるという意味では、こうした基本・ベースとなる部分の理解も立派な防御策です。
まとめ:厳しい時ほど、勝ち方より負け方を知る
前提が大きく変わる局面では、過去の成功事例をなぞるだけでは再現しにくくなります。むしろ今役立つのは、どんな時に会社が崩れるのか、どんな心理が判断を狂わせるのかを教えてくれる失敗事例です。特に使命感や思い入れは、美しい反面、会社を守る判断を遅らせることがある。だからこそ、今は勝ち筋を探す前に、負け方を知っておくことが大きな武器になります。
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