第312回:BtoBとBtoCでWebの売り方はどう違う?区分より購入までの動きを見る

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

法人向けのBtoBと、一般消費者向けのBtoCでは、Webの売り方はどう違うのでしょうか。私は、この区分だけで売り方を決めない方がよいと考えています。同じ法人向けでも、買うものによって判断の仕方は違うからです。

法人か個人かだけで、購入の仕方を決めつけない

BtoBというと、社内で稟議を回し、じっくり比較して決める姿を思い浮かべるかもしれません。ただ、会社で使う備品のように、それほど大きな検討をせず購入するものもあります。

反対に、BtoCでも高額なものや、家族に影響するものは、よく考えて選びます。家族で相談するなら、決める場所がオフィスではなく家庭になっただけで、複数人が関わるという点では似ていますよね。

法人向けか個人向けかに加えて、その商品を実際にどう選んでいるかを見る必要があります。区分が同じだから、同じ売り方が合うとは限りません。

「BtoB向けのノウハウ」も、多くの法人取引で見られる動きに合うもの、と捉えるくらいがよいと思います。自社へそのまま当てはまる答えとは分けて考えてください。

お客様が触れる情報と、決めるまでの動きを追う

代わりに何を考えるかというと、お客様が何に接し、どんな情報を得て、どう意思決定するかです。ここは、BtoBでもBtoCでも正面から考える必要があります。

どこと比較しているのか。何を基準に判断しているのか。誰がその判断に関わるのか。そこが見えてくると、自社がどんな情報を、どの段階で伝えるべきかを考えられます。

大きな区分の特徴より、自社のお客様が選ぶまでの具体的な動きを優先してください。私は提案するときも、法人向けだからという理由だけで、やり方を決めることはほとんどありません。

「法人向けでよくあるケースですが」と説明することはあっても、最後はその会社のお客様の動きと照らし合わせます。別の区分のノウハウにも、使えるところはあると思います。

分類やフレームワークは、考え始めるきっかけにする

区分けが全部不要という話ではありません。何もないところから、自社が誰を相手にすればよいか考えるのは難しいですよね。

年齢や家族構成、地域などで考えてみることも、仮説を作るためには役立ちます。うちのお客様はこのあたりに近そうだ、だとしたらこう動くのではないか、と検証を始めるきっかけにします。

分類に当てはめて終わらず、実際のお客様と違うところを直していく使い方がお勧めです。考える枠があることで、抜けにも気づきやすくなります。

市場を分け、どこを対象にし、その中でどう選んでもらうかを考える。そうした順序は使いつつも、最初に決めた内容を絶対のものにしないことが大切です。

狙いを決めた後も、反応を見て調整する

きちんと分類して、この層へ伝えればよいと考えた。それでも、思うような反応が出ないことはあります。売る側が「あなたにはこれが合います」と決めても、買う側はほかと比較して判断します。

だから、最初の計画を出発点に、実際に売れるのか、どんな反応があるのかを見て、伝え方や対象を調整していく必要があります。

分類が正しいかを守るより、目の前の反応に合わせて認識を更新してください。理論どおりにならないから全部だめだ、ということでもありません。

私たちも、最初にお客様のターゲットの認識を合わせてから仕事を始めますが、その後の声や反応をもとに更新していきます。途中で認識が合ってくると、取り組みが進みやすくなることがあります。

お客様の言葉も、そのまま答えだとは考えない

最後に、少し付け加えておきたいことがあります。お客様を知ることは大切ですが、「何が欲しいですか」と聞けば、全部分かるというものでもありません。

皆さんも買い物へ行くとき、最初から欲しいものが完全に決まっているとは限りませんよね。いろいろ見ていて、「こんなものがあったのか」「こういうものが欲しかったんだ」と気づくこともあります。

聞いた言葉を材料にしながら、どんな形ならニーズを満たせるかを、自分たちでも考える必要があります。一つひとつの声に合わせるだけでは、どこを対象にするか分からなくなることもあります。

自社が商売として続けられる対象の広さも考え、その中で必要とされるものを探る。BtoB、BtoCという区分も、お客様の声も、そのために使う材料として捉えていただければと思います。

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