第332回:地域の中小企業はデジタル化に弱い?顧客との接点を生かして改善の余地を探す

「うちの業界では、WebやITを使ってもなかなか成果が出ないんですよ」。地域で事業を営む方から、こうしたお話を聞くことがあります。確かに、すぐに使えるものが見つからないこともあるでしょう。ただ、それを会社の弱みだけで捉えないでほしいんです。

地域のお客さんと日々接していること自体が、大きな強みだと私は考えています。その接点を持つ会社が、役立つ技術を取り入れて仕事をよくしていけたら、まだ伸ばせるところはある。Webコンサルティングでいろいろな会社と接するなかで、そう感じています。

地域のお客さんとの接点を、自社の強みとして捉える

Webの中だけで完結するサービスは、今風で、これからも伸びそうに見えるかもしれません。でも、そこへ同じように入っていけばうまくいく、というわけではありません。オンラインだけで選ばれ、売り続けるのは簡単なことではないんですね。

一方、地域でお客さんと直接接している企業には、すでにお客さんとのつながりがあります。新しい技術を持っているかどうかだけでなく、お客さんと接する場所を持っていることに目を向けてほしいと思います。

私自身は、オンラインで完結する形の仕事が多く、地域に根を張った顧客基盤があるわけではありません。その点では弱いので、別の方向で努力をしています。だから、地域のお客さんとつながっている企業を見て、そこは本当に強いなと感じるんです。

まだ接点が十分にない場合も、地域でお客さんとの関係をつくっていくことは無駄ではありません。Webの世界に新しいものが出てきたからといって、これまでのつながりの価値がなくなるわけではないと思います。

技術への苦手意識より、仕事に役立つかを考える

たとえば、ロボットが調理をするという話を聞くと、「人間らしさのない世界になってしまうのでは」と、身構える方もいると思います。私も、そうした話題を中小企業の方向けにお伝えするか、少し迷ったことがあります。

ただ、そこで考えたいのは、遠い未来に人間の仕事が全部どうなるかという話より、目の前の仕事に役立つものとして使えるかどうかです。業務を効率よく進められるなら、便利な道具として見ることもできるでしょう。

技術の名前に圧倒されるより、自分たちの業務に使えるところがあるかという目で見てください。WebやITの話が画面の中だけで終わらず、実際の現場の仕事に関わってくるなら、地域の企業にとっても活用を考える余地が出てきます。

もちろん、何でも入れればいいわけではありません。大事なのは、自分たちに役立ちそうなものに関心を持ち、試行錯誤できることです。「よくわからないから関係ない」で止まってしまうと、その可能性にも気づきにくくなってしまいます。

デジタル化が進んでいない仕事には、改善の余地を探す

飲食や介護など、Webやデジタルを使うのは難しい、と感じられる仕事もあると思います。支援する制作会社や代理店の側でも、成果につなげにくいと考えてしまうことがあるでしょう。

でも、すでに効率化が進んでいる仕事と比べれば、まだ手を入れられるところが残っているとも考えられます。「使えていないから駄目だ」ではなく、「これから改善できるところがある」と捉えてみてほしいんです。

今すぐどの道具が合うのか、これから何が開発されるのかは、私にもわからない部分があります。ですから、すぐ成果が出るという約束ではありません。それでも、仕事の手間を減らせるものや、今の体制でできることを増やせるものに目を向けておく意味はあると思います。

地域のお客さんとの接点を持ちながら、新しいやり方に柔軟に取り組み、必要なら方針を変えられる。私が可能性を感じるのは、そういう会社です。会社が小さいことだけを頼みにするのではなく、今あるつながりを生かすために、役立つものを取り入れていってほしいですね。

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