Webサイト改善施策の進め方:仮説、実行、GA4での効果検証まで

このページは「中小企業のためのWeb解析入門」シリーズの一部です。

中小企業のためのWeb解析入門

Web解析で問題の場所が見えてきたら、次は改善施策を考えます。

Search Consoleで表示回数やクリック率を確認する。GA4でランディングページ、ページ遷移、フォーム到達、コンバージョンを見る。ユーザー確認や営業現場の声から、迷い、不安、誤解を探る。

ここまで進むと、「では、どこを直すのか」が少しずつ見えてきます。

ただし、ここで注意したいことがあります。

改善施策は、思いつきで実行するものではありません。

Webサイトの改善では、変更自体は比較的かんたんにできます。titleを書き換える、CTAを追加する、フォーム項目を減らす、事例を追記する、導線を増やす。こうした作業は、やろうと思えば一度にたくさん行えます。

しかし、一度に多くの変更を入れると、結果が変わった時に、何が影響したのか分からなくなります。

このページでは、Web解析で見つけた課題をどのように改善施策へ変え、実行前に何を決め、実行後にGA4やSearch Console、現場の情報をどう見ればよいかを整理していきます。

改善施策は、思いつきではなく仮説として扱う

改善施策を考える時は、まず仮説として整理します。

仮説とは、「この問題は、おそらくこの理由で起きている。だから、この部分を変えれば、この数字や現場の反応が変わるはずだ」という見立てです。

たとえば、次のように考えます。

見えている状態 仮説 改善施策 確認すること
表示回数はあるがクリック率が低い 検索結果で選ばれる理由が弱い title、description、導入文を見直す Search Consoleのクリック率、クリック数
入口ページからサービスページへ進まない 次に読むべきページが分かりにくい 関連サービスへの内部リンクを追加する GA4のページ遷移、サービスページ閲覧
サービスページは読まれているが問い合わせされない 比較材料や不安を減らす情報が不足している 事例、料金目安、よくある質問を追加する フォーム到達、問い合わせ内容、商談での反応
フォーム到達はあるが送信されない 入力前の負担や不安が残っている 必須項目を減らし、返信目安や相談後の流れを書く フォーム送信、電話タップ、問い合わせ前の質問
問い合わせは増えたが商談化しない 訴求が対象外の人にも広がっている 対象者、対応範囲、向いている相談を明確にする 問い合わせ内容、商談化、受注・失注理由

このように書き出しておくと、改善後に何を見るべきかがはっきりします。

改善施策は、ただの作業ではありません。仮説を確かめるための変更です。

施策を考える時は、Webを特別扱いしない

Webサイトは、お客さまと会社が接する窓口の一つです。

電話、メール、訪問、店舗、展示会、紹介、営業資料、Webサイト。それぞれ接点は違いますが、目的は共通しています。

お客さまに必要な情報を届け、相談しやすくし、商談や購入、予約、紹介につなげることです。

そのため、Webサイト改善を考える時は、Webだけで完結させない方がよいです。

  • 営業で毎回説明していることは、Webサイトに先回りして書けないか
  • 受付や電話でよく聞かれることは、問い合わせページに入れられないか
  • 失注理由としてよく出る不安は、比較検討ページやよくある質問で解消できないか
  • 既存顧客が評価している点は、お客様の声や事例に反映できないか
  • 紹介された人が安心して見られるページは用意できているか

中小企業のWeb改善では、解析ツールのデータと現場の情報を両方使うことが重要です。

GA4やSearch Consoleは、Web上で起きている変化を教えてくれます。一方で、営業や顧客対応の現場は、お客さまが何を不安に思い、何を評価し、どこで迷っているかを教えてくれます。

改善施策は、この両方を材料にして考えます。

ブレストは、必要な人だけで小さく始める

改善案を出す時は、関係者で話し合うことが有効です。

ただし、最初から多くの人を集めすぎると、意見が広がりすぎてまとまりにくくなります。

まずは、目的に関係する人だけで小さく始めます。

目的 参加してほしい人 聞きたいこと
問い合わせを増やしたい Web担当者、営業担当者、問い合わせ対応者 どんな相談を増やしたいか、どこで不安が出ているか
商談化率を上げたい Web担当者、営業担当者、管理者 商談に進みやすい問い合わせの特徴は何か
資料請求を増やしたい Web担当者、営業担当者、資料を使う人 資料請求前にどんな情報があるとよいか
採用応募を増やしたい Web担当者、採用担当者、現場社員 応募前に知りたいこと、面接でよく聞かれること
信頼形成を強化したい Web担当者、営業、顧客対応、経営者 お客さまが安心する材料は何か

全員の意見を最初から取り込もうとすると、判断が遅くなります。

まずは、目的に近い人たちで仮説を作り、その後必要に応じて確認範囲を広げる方が進めやすいです。

大切なのは、Web担当者だけで抱え込まないことです。

Webサイトに載せるべき情報の多くは、営業、受付、顧客対応、採用、経営の現場にあります。改善案を出す段階から、現場の情報を入れていきます。

一度に多くの施策を入れない

改善案がいくつも出てくると、まとめて直したくなります。

しかし、Webサイト改善では、一度に多くの施策を入れない方がよい場合があります。

理由は、結果が変わった時に、何が影響したのか分からなくなるからです。

たとえば、あるサービスページで次の変更を一度に行ったとします。

  • titleを変更した
  • 導入文を書き換えた
  • 料金目安を追加した
  • お客様の声を追加した
  • 問い合わせボタンの位置を変えた
  • フォーム項目を減らした

この後に問い合わせが増えたとしても、何が良かったのか分かりません。

titleが良かったのか。料金目安が安心材料になったのか。お客様の声が役立ったのか。フォーム項目を減らしたことが影響したのか。複数の変更を同時に行うと、学びが残りにくくなります。

もちろん、明らかに問題が多いページでは、まとめて直す必要がある場面もあります。

その場合でも、変更内容を分類して記録しておきます。

変更の種類 見たい変化
検索結果の改善 title、description、H1、導入文 表示回数、クリック率、クリック数
ページ内容の改善 サービス説明、事例、料金目安、よくある質問 ページ遷移、フォーム到達、問い合わせ内容
導線の改善 CTA、内部リンク、電話導線、資料請求リンク CTAクリック、フォーム到達、電話タップ
フォームの改善 項目数、必須項目、返信目安、送信後の案内 フォーム送信、離脱、問い合わせ前の不安
信頼材料の改善 お客様の声、導入事例、実績、著者・監修情報 商談での反応、紹介しやすさ、問い合わせ内容

一度に全部を直すか、一つずつ直すかは状況によります。

ただ、どちらの場合でも「何を変えたのか」「なぜ変えたのか」「何を見るのか」を残しておくことが重要です。

実行前に、成功条件と見る指標を決める

改善施策を実行する前に、成功条件を決めます。

成功条件とは、「何が変われば、この施策は良かったと判断するのか」という基準です。

たとえば、次のように決めます。

施策 成功条件 見る指標
titleとdescriptionを見直す 狙った検索クエリでクリック率が改善する Search Consoleのクリック率、クリック数、検索クエリ
サービスページに料金目安を追加する 料金に関する問い合わせ前の不安が減る GA4のページ遷移、フォーム到達、営業での質問内容
事例ページからサービスページへの導線を追加する 事例を読んだ人が関連サービスへ進む GA4のページ遷移、サービスページ閲覧
フォーム項目を減らす フォーム到達後の送信率が上がる フォーム到達、フォーム送信、問い合わせ内容
対象者や対応範囲を明確にする 対象外の問い合わせが減り、商談に進みやすい相談が増える 問い合わせ内容、商談化、受注・失注理由

ここで大切なのは、Web上の数字だけで成功条件を決めないことです。

問い合わせ数が増えても、対象外の相談ばかり増えているなら、会社にとって良い改善とは言えません。

逆に、Web上のコンバージョン数は大きく増えていなくても、営業の説明が短くなった、商談前の理解が深まった、紹介しやすくなった、という変化があれば、改善として価値がある可能性があります。

中小企業のWeb改善では、GA4やSearch Consoleの数字と、現場で得られる情報を両方見て判断します。

施策前に、計測できる状態を確認する

改善施策を実行する前に、計測できる状態になっているかを確認します。

施策後に「この数字を見れば判断できる」と思っていても、実際には計測設定ができていないことがあります。

  • フォーム送信がコンバージョンとして記録されていない
  • 電話タップがイベントとして分からない
  • 外部フォームを使っていて、送信完了まで追えていない
  • サンクスページがなく、送信完了が分からない
  • 資料ダウンロードがイベントとして取れていない
  • ページ遷移を見たいのに、対象ページが整理されていない

計測できていないまま改善すると、あとから判断できません。

施策前に、次のような確認を行います。

確認項目 見る場所 目的
対象ページの現状 GA4、Search Console 変更前の数字を残す
検索クエリ Search Console どの検索意図に対する改善か確認する
イベント計測 GA4 電話タップ、フォーム到達、資料請求などを見られるか確認する
コンバージョン設定 GA4 成果行動が記録されるか確認する
問い合わせ記録 フォーム、メール、営業メモ、スプレッドシート 問い合わせ内容や商談化を後から見られるようにする
現場で確認する内容 営業、受付、顧客対応 数字に出にくい変化を見る準備をする

すべてを完璧に整える必要はありません。

ただし、施策の成功条件に関係する数字や現場情報は、最低限見られるようにしておきます。

変更内容と変更日時を記録する

改善施策を行う時は、変更内容と変更日時を記録します。

これは地味ですが、とても重要です。

変更した直後は覚えていても、数週間後、数か月後には忘れます。別の施策、広告、営業活動、季節要因が重なると、どの変更が数字に影響したのか分からなくなります。

記録は、Googleスプレッドシートのような表で十分です。

列名 記録する内容
変更日 施策を公開した日
対象ページ 変更したURLやページ名
変更内容 title変更、導線追加、事例追加、フォーム修正など
変更理由 どの問題を解決するために変えたのか
仮説 何が変わると考えたのか
見る指標 クリック率、フォーム到達、問い合わせ内容、商談化など
現場で確認すること 説明しやすくなったか、質問が減ったか、相談の質が変わったか
変更前の状態 スクリーンショット、変更前の文言、変更前の数値
結果メモ 一定期間後に分かったこと

変更前後のスクリーンショットも残しておくと、後から振り返りやすくなります。

どのページのどこを、なぜ変えたのか。どの数字を見ようとしていたのか。現場で何を確認する予定だったのか。

これが残っているだけで、改善後の判断がかなりしやすくなります。

改善後は、すぐに結論を出さない

改善施策を実行したら、すぐに結果を見たくなります。

しかし、Webサイトの数字は短期間で判断しない方がよいことがあります。

特に中小企業のWebサイトでは、月間アクセス数や問い合わせ数が限られていることが多くあります。数件の問い合わせ増減だけで、コンバージョン率が大きく動きます。

たとえば、問い合わせが月2件から4件になれば、割合としては大きく伸びたように見えます。しかし、その4件のうち対象外の相談が多ければ、会社にとって良い改善とは言えません。

逆に、問い合わせ数が変わっていなくても、商談に進みやすい相談が増えているなら、改善として価値があるかもしれません。

数字を見る時は、次の点に注意します。

  • アクセス数や問い合わせ数が少ないと、割合が大きく動きやすい
  • 検索順位や表示回数は、短期間で上下することがある
  • 広告、SNS、展示会、紹介、ニュースなどの影響が混ざる
  • 季節性や曜日によって、問い合わせやアクセスの傾向が変わる
  • 改善後すぐに検索結果へ反映されるとは限らない

厳密な判断に必要なデータ量は、元のアクセス数、コンバージョン率、見たい変化の大きさによって変わります。

中小企業の場合は、統計的に十分な数を集めにくいことも多いため、数字だけで急いで判断するのではなく、一定期間を見ながら、現場の情報も合わせて確認します。

GA4で見ること、Search Consoleで見ること

改善後は、GA4とSearch Consoleで見るものを分けます。

Search Consoleでは、検索結果でどう見られているかを確認します。

Search Consoleで見る項目 確認すること 関係する施策
検索クエリ 狙った言葉で表示されているか ページテーマ、本文追加、title変更
表示回数 検索結果に出る機会が増えているか コンテンツ追加、内部リンク、ページ改善
クリック数 検索結果から訪問が増えているか title、description、検索意図への対応
クリック率 表示された中で選ばれているか 検索結果上の見せ方
平均掲載順位 大きな変化がないか SEO施策、競合状況、ページ評価
ページ どのページが入口になっているか 親ページ、主要記事、サービスページの役割確認

GA4では、サイトに来た後の行動を確認します。

GA4で見る項目 確認すること 関係する施策
ランディングページ どのページから訪問が始まっているか 入口ページ、記事、サービスページの改善
閲覧ページ 見てほしいページが読まれているか サービスページ、事例、料金、よくある質問
ページ遷移 次に読んでほしいページへ進んでいるか 内部リンク、CTA、導線改善
イベント 電話タップ、フォーム到達、資料ダウンロードなどが起きているか 導線、フォーム、資料請求
コンバージョン 問い合わせ、予約、資料請求などが発生しているか 問い合わせ導線、フォーム、サービスページ

Search Consoleは、検索結果での見え方を確認するために使います。

GA4は、訪問後の行動を確認するために使います。

そして、問い合わせ内容や商談での反応は、解析ツールだけでは分からない変化を確認するために使います。

現場では、数字に出にくい変化を見る

改善後に見るべきものは、GA4やSearch Consoleの数字だけではありません。

営業、受付、顧客対応の現場でも変化を確認します。

  • 商談前にWebサイトを読んでいるお客さまが増えたか
  • 以前より説明しやすくなったか
  • 電話やフォームで最初に聞かれる質問が変わったか
  • 対象外の問い合わせが減ったか
  • 商談に進みやすい相談が増えたか
  • 受注・失注の理由に変化があったか
  • 紹介しやすいページができたか

たとえば、Web上のコンバージョン数は増えていなくても、営業担当が「最近、事前にページを読んで理解しているお客さまが増えた」と感じているなら、そのページは信頼形成に役立っている可能性があります。

逆に、問い合わせ数は増えていても、営業現場では対象外の相談や価格だけの問い合わせが増えているなら、訴求や対応範囲の見せ方を見直す必要があります。

現場で確認する時は、次のように聞きます。

聞く相手 確認すること
営業担当者 商談前にWebサイトを見たお客さまは、どの情報について話していましたか
営業担当者 以前より説明しやすくなったこと、説明し直すことが多い内容はありますか
受付・一次対応 電話やフォームで最初に聞かれることは変わりましたか
カスタマーサポート 契約後に「事前に知っておきたかった」と言われることは減りましたか
既存顧客 紹介する時に見せやすいページはありますか

現場の情報は、感想として扱うだけではもったいないです。

GA4やSearch Consoleの数字と照らし合わせ、次にどのページを直すか、どの導線を増やすか、どの情報を追加するかを考える材料にします。

外部要因を確認する

改善後に数字が変わったとしても、それが施策の影響とは限りません。

Webサイトの数字には、さまざまな外部要因が混ざります。

外部要因 起きること 確認する相手・場所
季節性 特定の時期だけ検索や問い合わせが増減する 過去データ、営業、業界カレンダー
展示会・セミナー 指名検索や直接問い合わせが増える 営業、イベント担当者
広告出稿 流入や問い合わせが一時的に増える 広告管理画面、広告担当者
SNS・メディア掲載 一時的なアクセス増が起きる 広報、SNS担当者、参照元
ニュース・流行 関連するお役立ち記事だけが急に読まれる Search Consoleの検索クエリ、参照元
営業活動 Webサイトを見たうえで、電話や直接連絡が増える 営業担当者、問い合わせ記録
競合の動き 検索順位、クリック率、比較検討時の反応が変わる 検索結果、営業での比較情報

数字が予想と違う動きをした時は、モニターの前だけで悩まないことです。

「最近、何か営業活動やイベントがありましたか」 「広告やSNSで何か出しましたか」 「問い合わせや商談で、いつもと違う反応はありましたか」

このように関係者へ確認すると、理由が見えることがあります。

Web解析は、解析ツールの画面だけで完結しません。会社の中で起きている動きと照らし合わせることで、数字の意味が見えやすくなります。

待っている間にもできることがある

改善施策を実行したあと、すぐには判断できないことがあります。

Search Consoleの表示回数やクリック数は、一定期間を見なければ傾向が分かりません。GA4のコンバージョンも、アクセス数や問い合わせ数が少なければ短期で大きく動きます。

では、結果を待っている間は何もしない方がよいのでしょうか。

そうではありません。

検証中のページに直接影響しすぎない範囲で、次のような作業ができます。

  • 営業や受付から、よく聞かれる質問を集める
  • 問い合わせ内容を分類する表を整える
  • 既存顧客に、Webサイトで役立った情報を聞く
  • 競合サイトの事例、料金説明、問い合わせ導線を確認する
  • 次に追加したいお役立ちコンテンツの候補を整理する
  • 過去の変更履歴や問い合わせ記録を見返す
  • GA4やSearch Consoleで、別のページの課題を探す

特に有効なのは、現場でよく聞かれる情報を整理することです。

営業が毎回説明していること、電話でよく聞かれること、失注時によく出る不安、紹介時に見せやすい情報。こうしたものは、次のページ改善やコンテンツ追加の材料になります。

待っている間に、次の改善材料を集めておくことが大切です。

少ないデータで判断する時は、確度を分ける

中小企業のWebサイトでは、十分なアクセス数やコンバージョン数が集まらないことがあります。

だからといって、何も判断できないわけではありません。

大切なのは、判断の確度を分けることです。

判断の確度 状態 進め方
高い 十分な期間と件数があり、数字と現場の反応が一致している 本格的に施策を採用し、他ページにも展開する
中くらい 数字は少ないが、複数の現場情報と合っている 慎重に継続し、追加データを集める
低い 数字が少なく、現場の反応もまだ分からない 結論を急がず、小さく試し続ける
保留 数字と現場情報が食い違っている 計測設定、外部要因、問い合わせ内容を確認する

たとえば、数字だけを見ると問い合わせが減っているように見える。しかし営業現場では、商談に進みやすい問い合わせが増えている。このような場合は、すぐに「悪化」と決めない方がよいです。

逆に、コンバージョン数は増えている。しかし現場では対象外の相談が増え、対応工数ばかり増えている。この場合も、単純に「改善」とは言えません。

数字と現場の情報が食い違った時は、まず理由を探します。

  • 計測設定に漏れはないか
  • 電話や営業への直接連絡が増えていないか
  • 広告やキャンペーンの影響はないか
  • 検索クエリが変わっていないか
  • 問い合わせの分類が変わっていないか
  • 季節性やイベント要因はないか

判断できないことは、悪いことではありません。

判断できないなら、何を見れば判断できるようになるかを決めることが大切です。

改善結果は、ノウハウとして残す

改善施策の結果は、成功・失敗だけで終わらせないようにします。

中小企業のWeb改善で大切なのは、結果から学びを残すことです。

うまくいった施策は、なぜうまくいったのかを残します。期待ほど変わらなかった施策は、なぜ変わらなかったのかを考えます。

たとえば、次のように記録します。

記録すること
施策名 サービスページに料金目安を追加
対象ページ 主要サービスページ
仮説 料金不安が減れば、フォーム到達と商談化が改善する
実施内容 料金目安、費用が変わる条件、見積もりの流れを追加
見た数字 GA4のフォーム到達、Search Consoleのクリック率、問い合わせ数
現場で見た変化 営業で料金説明に使う時間が短くなった
分かったこと 料金を隠すより、目安を出した方が比較検討中の不安が減った
次に行うこと 関連ページにも費用感の説明を追加する

このような記録が残ると、次の改善が進めやすくなります。

担当者が変わっても、なぜそのページが今の形になっているのかが分かります。制作会社や広告代理店に相談する時も、過去の判断を説明しやすくなります。

Webサイト改善は、会社の知的資産になります。

単発の施策で終わらせず、会社として学びを残していくことが重要です。

改善サイクルを続けるために情報収集も行う

Web解析やサイト改善の環境は変わり続けます。

GA4、Search Console、広告、検索結果、生成AI、ヒートマップ、個人情報保護、Cookie、計測環境。ツールや前提は少しずつ変わります。

そのため、日々の情報収集も必要です。

ただし、情報を集める時も、自社サイトの改善に関係するかどうかを意識します。

集める情報 使い道
GA4やSearch Consoleの仕様変更 計測やレポートの見方を更新する
SEOや検索結果の変化 title、description、コンテンツ設計を見直す
競合サイトの変化 事例、料金、導線、問い合わせ前の説明を比較する
顧客ニーズや業界動向 新しい検索クエリやコンテンツテーマを見つける
現場からの声 ページ内容やよくある質問を更新する

情報収集は、流行を追うためだけに行うものではありません。

自社サイトに何を反映すべきか、どの情報を見直すべきかを判断するために行います。

また、集めた情報は社内で共有すると価値が高まります。

Web担当者だけが知っている状態ではなく、営業、顧客対応、経営者、制作担当者と共有することで、現場から新しい情報が返ってくることがあります。

改善施策と検証で使うチェックリスト

最後に、改善施策と検証で確認したい項目を整理します。

確認項目 見ること 目的
課題 何が問題なのか 施策の出発点を明確にする
仮説 なぜ問題が起きていると考えるか 思いつきの施策にしない
改善内容 どのページの何を変えるか 変更範囲を明確にする
見る指標 GA4、Search Console、問い合わせ内容、商談での反応 結果を判断できるようにする
現場で確認すること 説明しやすさ、相談内容、受注・失注理由、紹介しやすさ 数字に出にくい変化を見る
変更履歴 変更日、対象ページ、変更理由、変更前後の状態 後から振り返れるようにする
外部要因 季節性、広告、展示会、営業活動、ニュース、競合の動き 施策以外の影響を切り分ける
判断の確度 数字と現場情報が一致しているか 急ぎすぎず、次の行動を決める
学び 何が分かり、次に何をするか 会社のノウハウとして残す

このチェックリストを使うと、改善施策を実行して終わりにしにくくなります。

仮説を立て、実行し、数字を見て、現場の反応を聞き、学びを残す。この流れを続けることで、Webサイトは少しずつ商売に近づいていきます。

Web解析は、改善提案・実行・検証まで含めて考える

Web解析という言葉は、数字を見る作業だけを指しているように聞こえるかもしれません。

しかし、中小企業のWeb担当者に必要なのは、数字を眺めることだけではありません。

Webサイトの目的を確認する。GA4やSearch Consoleを見る。問題を見つける。現場の情報を聞く。改善仮説を作る。施策を実行する。結果を見て、次に活かす。

ここまで含めて、Web解析をサイト改善に使うということです。

Webサイトは、顧客や見込み客と会社をつなぐ接点の一つです。

解析ツールのデータと現場の情報を両方使いながら、Webサイトをより商売に役立つ形へ近づけていく。これが、中小企業のWeb解析で目指したい状態です。

次に確認したいこと

ここまでで、Web解析から改善施策、実行、検証までの流れを整理しました。

最初に戻るなら、まずはWebサイトの役割と指標を整理します。

中小企業のWeb解析で最初に見るべき指標:現状把握と指標設計

問題の切り分けから確認したい場合は、問題発見の記事へ進んでください。

Webサイトの問題発見ガイド:GA4とSearch Consoleで改善箇所を見つける

数字だけでは分からない理由を確かめたい場合は、ユーザー確認の記事が役立ちます。

アクセス解析だけでは分からない理由を探る:中小企業向けユーザー確認入門

Web解析やサイト改善について相談したい方へ

改善施策を出しても、効果検証が曖昧になっている。GA4やSearch Consoleで何を見ればよいか分からない。施策後すぐに判断してよいか迷っている。営業や顧客対応の現場で起きている変化を、Webサイト改善にどう使えばよいか整理したい。

そのような場合は、施策の仮説、見る指標、変更履歴、現場で確認することを一緒に整理するところから始めるのがおすすめです。

ラウンドナップWebコンサルティングでは、中小企業・小規模事業者向けに、Web解析、サイト改善、SEO、Web広告、コンテンツ制作、企業研修などを支援しています。

自社サイトの改善施策と検証の進め方を整理したい方は、以下からご相談ください。

Web解析・サイト改善について相談する

ここまでで、現状把握、問題発見、ユーザー確認、改善施策と検証までの流れを一通り整理しました。最初から確認したい場合は、目次ページへ戻ってください。

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