アフィリエイト広告とは?仕組みと広告主が行う表示管理

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アフィリエイト広告とは?仕組みと広告主が行う表示管理当社では、特に商品販売を行うお客さまから、アフィリエイト広告について相談を受けることがあります。

主な内容は、施策を実施すべきか、どのような仕組みなのか、始める場合は何に注意すべきかといったものです。

そこで今回は、こうしたご相談でお伝えしている基本的な考え方を、公開資料と当社の実務経験を基にまとめます。

アフィリエイト広告は、購入や申込みなど、あらかじめ決めた成果が発生したときに報酬を支払う広告手法です。広告費を成果と結び付けやすいため、中小企業にとっても検討しやすい仕組みに見えます。

しかし、成果に応じて報酬を支払うことと、掲載内容の管理を外部へ任せることは別の話です。ASPや広告代理店へ運用を委託しても、広告主は、自社の商品がどこで、誰に、どのような言葉で紹介されているかを把握する必要があります。

特に注意したいのは、直ちに法令違反とは断定できなくても、読者のコンプレックスや不安を過度に刺激し、企業ブランドを損なう表現です。成果件数だけを見ていると、こうした問題が広告主から見えないまま残ります。

この記事では、まずアフィリエイト広告の仕組みを扱います。その上で、広告主、ASP、掲載者の役割分担と、広告表示を管理する際のポイントを見ていきます。

アフィリエイト広告では、成果に応じて報酬が発生する

消費者庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会 報告書」では、アフィリエイト広告を、消費者が広告を経由して商品を購入するなど、あらかじめ定めた成果条件を満たした場合に、広告主が成果報酬を支払う仕組みとして扱っています。

ただし、実際の契約や作業の分担は一様ではありません。代表的なのは、広告主と掲載者が直接契約する形と、ASPや広告代理店が間に入る形です。掲載内容を確認する時期も、掲載前の審査から問題発見後の修正まで案件ごとに異なります。

広告主・ASP・掲載者・読者の関係

一般的な関係を単純化すると、次のようになります。

関係者 主な役割 主に扱う情報・作業
広告主 商品・サービスを提供し、成果条件と掲載基準を決める 商品情報、報酬条件、禁止表現、成果承認、掲載停止の判断
広告代理店 広告主に代わって施策設計や連絡、掲載管理を担う 施策方針、制作指示、確認結果、改善提案
ASP 広告主と掲載者を仲介し、成果計測や報酬処理を支える 案件情報、計測リンク、成果データ、支払情報
掲載者 Webサイト、SNS、動画などで商品・サービスを紹介する 記事、画像、動画、見出し、購入・申込みへの導線
読者 掲載内容を読み、購入や申込みを判断する 商品説明、推薦理由、広告であることを示す表示

この表は、代表的な分担を示したものです。広告代理店を使わない場合や、ASPが掲載内容の確認まで支援する場合もあります。そのため、広告主は名称だけで役割を判断せず、自社の契約で誰が何を担当するのかを確かめなければなりません。

クリックと購入では、成果の条件が異なる

成果として何を数えるかによって、掲載者に求められる役割も変わります。

  • クリックを成果とする場合は、広告主のサイトへ読者を送ることが中心になる
  • 資料請求や会員登録を成果とする場合は、行動する理由まで伝える必要がある
  • 商品購入を成果とする場合は、商品への理解や比較、購入前の不安を減らす情報も必要になる

当社は2012年に公開した「Affiliate -魅惑のアフィリエイト、その戦術」で、クリック型とアクション型では、必要になるアクセス数やコンテンツの役割が異なると扱いました。成果条件が購入に近づくほど、掲載者には単に人を集めるだけではない働きが求められます。

アフィリエイト広告を一律に否定する話ではありません。広告主には、成果条件を事業目的と結び付けやすい利点があり、掲載者も読者に役立つ情報の対価として報酬を得られます。問題になるのは、成果条件だけを決め、掲載内容を見ない運用です。

成果報酬でも、広告表示の管理は必要になる

広告主が作ったバナーだけが、読者の目に触れる広告ではありません。掲載者が付けた見出し、比較表、体験談、画像、ボタンの文言も、商品への印象と購入判断に影響します。

消費者庁の検討会報告書は、アフィリエイターが自ら広告を作成する取引の流れを示しています。一方で、広告主やASPによる関与・管理の度合いは一様ではありません。同報告書は、多数の掲載先をすべて管理することが物理的に難しい分野があることや、収益を優先して不当な表示を行うインセンティブが働く場合も指摘しています。

広告であることを読者が把握できるか

アフィリエイト広告では、掲載者と広告主の関係を読者が把握できる表示が必要です。ただし、ページ上部に一度だけ「アフィリエイト広告を利用しています」と記載すれば、あらゆる表示が十分になるとは限りません。

消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aは、表示内容全体に加え、文字の大きさや色も踏まえて、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭かを判断するとしています。特定の箇所だけが客観的な第三者の意見に見える場合は、その表示の近くでも関係性が分かるようにする必要があります。

広告主は、広告であることを示す表示と、商品説明の正確さを別々に確認します。

確認する対象 読者が知る必要のあること 広告主側の確認例
広告・報酬関係 掲載者が購入などに応じて報酬を受け取ること 表示の位置、文字の大きさ、表現、スマートフォンでの見え方
商品説明 性能、価格、条件、利用方法が正確であること 根拠資料との一致、条件の省略、古い情報の残存
推薦・体験談 誰の経験か、広告主が内容へ関与したか 依頼内容、編集の有無、典型的な結果との違い

広告であることを明記しても、事実と異なる性能表示が許されるわけではありません。反対に、商品説明が正確でも、広告であることを読者が把握しにくければ、別の問題が残ります。

掲載者が書いた文章でも、広告主に無関係とはいえない

日本のステルスマーケティング告示について、消費者庁は、表示内容の決定に関与した事業者、いわゆる広告主を規制対象と説明しています。広告主から依頼を受けて表示するアフィリエイターが、一律に同告示の規制対象になるわけではありません。

一方で、広告主が具体的な表現を指示した場合や、客観的な状況から広告主が表示内容を決められる関係にある場合は、「掲載者が書いた文章だから広告主とは無関係」とはいえません。個別の法的責任は、契約、指示、対価、実際のやり取りなどによって判断が変わります。

海外の比較資料として、米国連邦取引委員会(FTC)は、広告主に対して、広告ネットワークの参加者へ表示方法を伝え、定期的に掲載内容を確認し、問題があれば対応する仕組みを求めています。また、アフィリエイト関係の開示は推薦やリンクの近くで明瞭に示す方がよいと案内しています。これは米国向けのガイダンスであり、日本法の根拠ではありません。ただし、外部へ委託した広告をどのように管理するかを考える比較資料にはなります。

法令違反とまではいえなくても、企業ブランドを損なう広告はある

掲載可否を法令違反の有無だけで決めると、企業ブランドへの影響を見落とします。広告を見た人は、掲載者と広告主の契約範囲を知りません。強い不安や劣等感を刺激する広告を見れば、その表現を許した企業として広告主を受け止める可能性があります。

特に注意したいのが、身体や生活上の悩みを扱うコンプレックス広告です。

コンプレックスを強く刺激する表現

コンプレックス広告では、次のような表現が使われることがあります。

  • 歯の色、体型、毛髪、肌などを必要以上に否定的に見せる
  • 他人から嫌われる、清潔感がない、年齢より老けて見えるなど、対人不安を刺激する
  • 悩みを放置すると取り返しがつかないと感じさせ、購入を急がせる
  • 極端な使用前後の画像を示し、一般的な結果であるように見せる
  • 読者が抱えていない悩みまで意識させ、劣等感を作り出す

個々の広告が法令に違反するかどうかは、商品、表示内容、根拠、媒体、対象者などによって判断が変わります。しかし、法的評価が確定する前でも、読者は広告を不快だと感じます。自社が長く築いてきた信頼も、一つの掲載面によって損なわれるかもしれません。

消費者庁の検討会報告書も、問題のあるアフィリエイト広告の特徴として、身体的なコンプレックスをあおる過激な表現を挙げています。法律上の問題だけでなく、読者が広告や広告主をどのように受け止めるかも、掲載可否を決める材料です。

広告主は、商品説明が法令上許容されるかだけでなく、自社の顧客に対して使いたい言葉かを判断します。「他社も使っている」「審査を通った」という理由だけでは、自社ブランドとして掲載する根拠になりませんよね。

商品だけでなく、掲載面全体を見る

同じ商品情報でも、前後の文脈によって印象は変わります。広告主が提供した文章は穏当でも、掲載者が強い見出しや画像を加える場合があります。

掲載面の要素 問題になり得る例 広告主が決めておきたいこと
見出し 恐怖や劣等感を過度に刺激する 禁止する訴求と具体例
画像 身体的特徴を侮辱的に扱う、性的な印象を強く出す 使用できる素材、加工の範囲、対象年齢
比較表 比較条件を省き、自社商品だけが優れているように見せる 比較対象、根拠、更新期限
体験談 一部の結果を一般的な効果に見せる 掲載できる体験談、注記、根拠
ボタン・導線 在庫や期限について、事実と異なる切迫感を出す 価格、期間、数量の表示基準
掲載媒体 子どもや家族も見る場所へ、性的・刺激的な広告を出す 掲載を認める媒体、読者層、除外条件

コンプレックス訴求のほか、性的な表現、投資や副業への過度な期待、強い恐怖訴求も管理対象です。広告主は、バナー単体ではなく、掲載者が作った記事や動画を含む表示全体を見ます。

法令遵守とブランドセーフティーは別々に判断する

一般社団法人日本アドバタイザーズ協会は、ブランドセーフティーを、広告掲載先の品質に起因するブランド毀損を防ぐ取り組みとして扱っています。これは、主に広告が不適切なコンテンツの隣に表示される問題を示す考え方です。

アフィリエイト広告では、それに加えて、掲載者が広告そのものをどのような文脈で作るかも見なければなりません。広告主が判断する項目は、少なくとも次の二つに分かれます。

  1. 法令や媒体規約に照らして掲載できるか
  2. 自社の顧客、商品特性、ブランド方針に照らして掲載したい表現か

一つ目を満たしても、二つ目を満たすとは限りません。広告主は、法務審査の基準とは別に、企業として許容しない表現を具体的に定める必要があります。

素材を渡して成果を承認するだけでは、掲載内容が見えない

当社は2021年のPodcast「中小企業がアフィリエイト広告を考える時に気をつけるべきポイント(後半)」で、広告素材を渡し、月に一度の成果承認だけを行う運用へ注意を促しました。

この運用で広告主が見ているのは、主に成果データです。掲載者がどのページで、どの画像や文章を使って読者へ勧めたかまでは分からない場合があります。

月1回の成果承認で把握できること

成果承認から、広告主は次の情報を把握できます。

  • 発生した成果の件数
  • 申込みや購入の内容
  • 承認または否認する成果
  • 支払う報酬額
  • 不自然な成果の集中や重複

これらは、費用と売上を管理するために必要です。しかし、掲載内容の管理には別の情報が要ります。

成果データだけでは把握できないこと

  • 実際に掲載されているURLと媒体名
  • 見出し、画像、比較表、ボタンの表現
  • 商品情報を更新した後も残っている古い価格や条件
  • 広告であることを読者が把握できる表示
  • 広告主が想定していない読者層への掲載
  • コンプレックスや不安を過度に刺激する表現

成果承認を丁寧に行っても、掲載面を見なければ表示上の問題は分かりません。反対に、掲載面だけを確認しても、不自然な成果や計測上の問題を発見できない場合があります。広告主は、成果管理と表示管理について、別々に担当と手順を決めます。

不特定多数へ開く方式と、パートナー型は分けて考える

同じアフィリエイト広告でも、掲載者との関係によって管理方法は変わります。

誰が掲載するか分からない状態で案件を広く公開すると、広告主は多数の掲載面を確認しなければなりません。新しい掲載者が増えるたびに、媒体の読者層や過去の表現を把握する必要もあります。

一方で、少数の掲載者と継続的に連絡を取り、商品情報、禁止表現、読者からの反応を共有する方法もあります。当社Podcastでは、前者を「相手の見えないインフルエンサー広告」に近い状態として扱いました。後者のパートナー型であれば、相手の編集方針と読者層を理解した上で役割を決められます。

アフィリエイト広告を一律に否定する必要はありません。広告主は、どの範囲まで掲載者を増やすのか、その人数と媒体を自社で管理できるのかを先に判断します。

表示の問題と成果計測の問題は、別々に扱う

アフィリエイト広告には、広告表示と成果計測という二つの課題があります。両者を混同すると、問題の原因と対応する担当者が分からなくなります。

読者が広告だと把握できるかは、表示の問題

広告主が表示管理で見る項目は、次のとおりです。

  • 広告や報酬関係が読者に伝わるか
  • 商品・サービスの説明が正確か
  • 体験談や比較に根拠があるか
  • 古い価格、仕様、キャンペーン条件が残っていないか
  • 企業ブランドとして許容できる文脈か

2018年に公開されたMathurほかの研究は、YouTube動画50万件超とPinterest投稿210万件を対象に、アフィリエイト広告の開示を調べました。開示があったコンテンツは両プラットフォームとも約1割で、短く説明のない開示は利用者が理解しにくいという結果でした。

この研究は、2017年に収集した米国向けプラットフォーム上のデータを中心にしています。現在の日本のすべての掲載面へ、その割合を当てはめることはできません。ただし、短い用語を置くだけでは、読者が報酬関係を理解できない場合があることを考える資料になります。

売上を正しい掲載者へ結び付けられるかは、計測の問題

成果計測では、リンクや識別子を使い、購入や申込みを掲載者へ結び付けます。ただし、Cookieの制限、端末の変更、成果を認める期間、キャンセルや重複などにより、実際の貢献と計測結果が一致しない場合があります。

計測できなかった成果は、掲載者への報酬や広告主の評価へ影響します。しかし、計測が不完全であることと、広告表示が不適切であることは同じ問題ではありません。

広告主は、表示上の問題を技術担当者だけへ任せず、計測上の問題を法務担当者だけへ任せないようにします。誰が掲載面を見て、誰が成果データを検証し、問題が起きたときに誰が掲載停止を判断するのかを決めておきましょう。

広告主が開始前と運用中に見る項目

すべての掲載内容を常時、事前に確認することは、掲載者が多いほど難しいものです。それでも、何も見ない運用を選ぶ理由にはなりません。広告主は、リスクの高い商品や表現を優先し、掲載前の基準と掲載後の確認を組み合わせます。

時点 広告主が見る項目 残す記録
開始前 掲載を認める媒体、禁止表現、広告表示、ブランド上許容しない表現 基準、具体例、連絡方法、担当者
掲載申請時 掲載者、媒体、読者層、過去の掲載内容 媒体URL、審査日、判断理由
掲載開始後 実際の掲載面、画像、見出し、前後の文章 URL、画面記録、確認日
成果承認時 不自然な成果、重複、否認理由 件数、判断根拠、対応履歴
情報更新時 価格、仕様、キャンペーン条件 変更内容、周知先、反映期限
問題発見時 掲載停止、訂正、影響範囲 対象期間、連絡記録、再発防止策

確認頻度に、すべての企業へ当てはまる一つの正解はありません。健康、安全、金銭、身体的な悩みに関わる商品は、表示による影響が大きくなります。広告主は、商品の性質、掲載者数、媒体、過去の問題を基に、事前審査と定期確認の範囲を決めます。

問題を発見したときに確認する範囲は、該当ページだけではありません。広告主は、同じ素材や表現が別の媒体へ転載されていないか、古い商品情報が残っていないかも調べます。さらに、広告主、広告代理店、ASP、掲載者のうち、誰が連絡し、いつまでに停止・修正するかを記録します。

まとめ

アフィリエイト広告は、報酬の支払条件を成果と結び付ける仕組みです。支払条件が成果連動であっても、広告主の掲載管理まで不要になるわけではありません。

広告主が成果件数だけを見ていると、実際の掲載面、広告表示、古い商品情報、企業ブランドを損なう表現を把握できない場合があります。特に、コンプレックスや不安を過度に刺激する広告は、直ちに法令違反と断定できない場合でも、読者との信頼を損ねます。

開始前には、ASP、広告代理店、掲載者との役割分担を決めます。運用中に必要なのは、成果承認と掲載面の確認という二つの業務です。問題が起きたときの停止・訂正手順まで用意して、初めて広告主が管理できる仕組みになります。

参考資料

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