そのサイトで相手に届けたいメッセージを凝縮した物が「キャッチコピー」ですよね。 ランディングページにしても、ホームページのトップページのメインビジュアルにしても、キャッチの良し悪しは、マーケティングの成功に直結します。
もし失敗すると、例えばこんなことが起きます
- CVR(コンバージョンレート)が思うように上がらない
- 想定していたターゲットと違う申込者や問合わせが増える
- バックエンドが苦労する
そんな大事な「キャッチコピー」の考え方ですが、経験上ユーザに響きやすくなる順に大きく3つのステップがあると考えています。
今回はそのステップをいかに上がっていくかという内容です。
「キャッチコピーについて、作り方で悩んでいる」「何回やっても変えても、あまり改善しない」「上手くいっているコピーと、そうで無いコピーの差を知りたい」といった方向けです。
目次
キャッチコピー「考え方」の3段階
大前提
キャッチコピー、まず「ベネフィット」を考える必要があります。
言いかえれば「相手にとって嬉しいこと・喜ぶこと・価値のあること」です。『ドリルを売るには穴を売れ( by ストラテジー&タクティクスの佐藤義典さん)』が有名ですが、お客さんは商品を買うのではなく、それによって得られる価値を買っています。
従いまして、そもそも「お客さんの目線」に立っているかどうかが最も大切。大前提です。
その上で、具体的な3段階
という前提の上で、以下の表をご覧ください。「刺さりやすさ」を考える時、この3段階を意識するようにしています。
上手いネーミングが浮かばなかったので「ベネフィットLv1」「ベネフィットLv2」としています。 これは、
- Lv1が、買い手の目線に立っているけれども、使っている言葉や意識レベルまでは買い手側に立てていないもの。
- Lv2はそこまで含めて成功している物
自分が言いたいことをキャッチコピーにしていると、全然響きません、しかし、買い手側の気持ち・言葉・意識レベルまでキャッチを落とし込めていると、ぼんやりとみているレベルの人にも響いてきます。
という分類です。 Lv2まで行くと、ターゲット層に対して「無意識に」「刺さる」内容になる可能性がグンと高まります。 では、このLv2にある「言葉」や「意識レベル」とはなんでしょうか。
「言葉」と「意識レベル」とは具体的には?
実はシンプルな話です。みなさんも無意識に使われているかもしれません。
- 「言葉」:ターゲットが使っている言葉を使っているか?ということ。
- 「意識レベル」:ターゲットが意識しているレベルで、話をしているかということ
です。
例えば、そうですね「飲食店店舗向けの経理システム」を売りたい、と考えているとします。 (飲食店に経理システムを売り込んだ経験がないので、ずれている部分があったら、すみません)
ターゲットは、大きな店と言うよりは地元密着型のイメージが近いような、全体でバイト含めて1日6〜7名程度のスタッフを想定。経理関係の業務を楽にできるパッケージソフトを売りたいと考えていたとします。
「自分本位キャッチコピー」
最もまずい「自分本位コピー」は、例えば
「最新の技術と、柔軟なバックアップ体制であなたの店舗の経理業務を効率化します」
など。これの何がいけないかというと
- 我々はあなたに○○をしてあげられます(ので、入れましょうよ)という、押しつけ型キャッチである
- 最新、柔軟、など、言葉が抽象的すぎてイメージがわかない
- 「経理業務の効率化」という言葉では、事務系の担当者は「ピンとこない(分かりづらい)」
などの点ですね。
根本的な原因
根本的な原因は、キャッチコピーを売り手側の脳内で、自分中心に作りきってしまっていること。 このキャッチコピーを補足すると
「(私たちが頑張って開発した)最新の(経理にかんするプログラムなどの)技術と、(私たちがあなたがたを)柔軟(に何かあったら声をかけてくれれば取りあえず対応します)なバックアップ体制であなたのお店の経理業務を効率化し(てあげ)ます(から、絶対欲しいでしょうこれ)」
という気持ちが見え隠れしていると、言えます。
言いかえれば、ディーラーにふらふらっと来たお客さんに、大した質問もせず、車のいいところをマシンガンのように喋るまくるスタッフです。
これは、やはり受け入れられないですよね。 これを判断する質問は、「そのキャッチの主語は私?それともあなた?」です。
ベネフィットLv1になるための質問は「そのキャッチの主語は私?それともあなた?」と考えていきます。
ベネフィットLv1
これは、買い手側の立場には立てているパターンです。 例えば
「毎日の帳簿に関する作業を自動化!お店の財務状況も毎日きちんと把握できる、経理業務のお助けソフトです」
これは、また言いかえると、
「(あなたは)毎日の帳簿に関する作業を自動化!(できます)(あなたは)お店の財務状況もきちんと把握〜」
となり、主語が「私たちが」から「あなたが」に変わっています。これは、立ち位置が「相手目線」になった事を表しています。 このように、暗黙の括弧書きを入れて、それが「私」か「あなた」なのかYou Or I を考えるのはとても便利です。
→伝え方、コンテンツの作り方については「【特集】戦略的WEBコンテンツ制作・作成術:トップ 」で40ページ以上でまとめています。
残っている問題2点
そういった点で、とてもよくなっています。しかしまだいくつかの問題があります。
それは
- 毎日の帳簿、や財務状況、といった言葉にピンとくるのか?
- 担当者は「毎日の財務状況」を知りたいと思っているのか?
と言う問題です。 これも、1つ分かりやすい判断方法があります。
分かりやすい判断方法
ここにも1つの質問があります。 それは、そのキャッチコピーの中にある言葉を「○○を改善したい!」とそのターゲット担当者が叫ぶかどうか。 例えば
- 財務状況を改善したい!
- 毎日の帳簿処理を楽にしたい!
と叫ぶかどうかです。叫ぶならこれは○です。叫ばないかな…と感じたら危険信号です。叫ぶだろうという物に変えてみると、良い結果に繋がる可能性が高いです。
ベネフィットLv2
この2点をクリアしたのがベネフィットLv2です。 例えば「毎日のレジ締めで悩まない!毎日の売上げと現金残を常に把握できるから、次の仕入れ費用で悩まない!」などでしょうか。
担当者が「使う言葉で、ピンとくる言葉で」「○○を改善したい!」と叫ぶのが想像できるくらい身近な問題まで落とし込む、 言いかえると相手が「意識している問題レベルまで落とし込む」ことができれば、コピーは一気に刺さる内容になります。
ベネフィットLv2になるための質問は 「キャッチコピーの中にある言葉を「○○を改善したい!」とそのターゲット担当者が叫ぶかどうか」
終わりに
このように、定式化してきましたが、実際にランディングページの反応の変化などを目にすると、キャッチコピー1つで150%〜300%位の変化が起きてきます。
PPC広告からの一枚ランディングページの場合は、広告文も一貫性を持って一致させないといけませんが、すでにある程度毎日集客できているサイトのサービスページなどなら、次のアクションに繋がる割合が1日で3倍になると言うことは十分にあります。
それだけやはり、キャッチコピーというのは重要な存在だということもあります。
コンテンツマーケ・インバウンドマーケの時代、大切なのはお客さんの気持ちを分かった上で伝え方をチューンナップできる人。 この3分類がその役に立てば幸いです。
※伝え方、コンテンツの作り方については「【特集】戦略的WEBコンテンツ制作・作成術 – WEB戦略ラウンドナップ 」も合わせてご覧ください。40ページ以上で「コンテンツの作り方」をまとめています。また、「メールマガジン」もよろしければご登録下さい。