今回は、実際に書くときに使える「効果的な見出しを書くための細かいポイント」をご紹介します。 元ネタは、mozのYOUmozに掲載された記事です。
価値があるということが認められ、寄稿ブログであるYouMozの中から、moz本家ブログの方に転載された、人気記事です。
目次
【紹介記事】 ▼Are Your Titles Irresistibly Click Worthy & Viral?! | SEOmoz : https://www.seomoz.org/blog/are-your-titles-irresistibly-click-worthy-viral
*80:20の法則* – タイトルは本文の4倍の時間をかける
エディトリアルライターは、見出しと本文だと「80:20」の割合で力をいれるそうです。
つまりほとんどの時間を見出しの作成に使っていると。
なぜなら
「インターネットを高速道路に例えると、各記事のタイトルは、 その高速道路沿いに立っている看板のようなものだから」
なので、その中でまず目をつけてもらえるように、そしてそのまま誘導されてくるためにとても見出しが重要だ、という文脈です。
表面的に*80:20の法則*を受け取ってはいけない
これは私の意見ですが、この「80:20」という言葉だけ素直に受け取るのは危険だと思っています。 なぜなら、
「中身はともかくまずは見出しをおもいっきり考えて、本文はそれに合わせてつじつま合わせて書けばいいのか」
という考えに繋がってしまうからです。 それをやってしまうと、高い確率で、恐ろしく直帰率の高いコンテンツができます。95%であるとか。 また、ソーシャルでの評判も落ちてもうどうしようもない、といった状況に陥ってしまいます。 そして、著者もそれを意図しているのでは恐らくありません。
- 見出しは本文内容の凝縮なので、見出しを考えることは本文の構成やそもそものメッセージを考えることにつながっている (→くわしくは「ピラミッド式タイトル作成法」をご覧下さい)」
- 見出しをどうするか悩むという状況の背景には、「自分が書ける内容の中で」見出しを悩んでいる
という暗黙の前提を感じます。
言い換えると「見出しがバシッと決まるときには、すでに書きたいことやメッセージングが全部決まってしまっている、だから20の力でボディ部分が書ける」んですね。
後の内容を読んでいてもそう感じます。 この点だけ改めて押さえておいて頂ければと思います。
見出しを考えることは本文を考えることにつながっている、80:20を文字通り受け取ると危険が高い。大事なのは相変わらず、コンテンツそのものと、そしてその次にアクションを起こしてもらう仕掛け!
さて、その前提で、著者の語る7つのポイントをご紹介します。 SEOmozのブログ上で実際に人気が出ているコンテンツを分析した結果とのことで、印象や経験ではなく、きちんとした調査結果です。
興味をひく見出しを作る7つのポイント
ポイントは以下の7つです。
- 好奇心をゆさぶるもの
- 得られるもの(ベネフィット)を強調する
- 恐るべき、などの形容詞や副詞で注意をひく
- リアルの世界に近づける
- 見た目と長さに気を遣う
- サウンド、音、韻
- その効果を期待させる
好奇心を揺さぶるもの
タイトルは、その先にどんな内容が書かれているか伝わる、かつもっと知りたいと思ってもらえるようにする
いくつか例が挙げられています。
- 「凄いSEOブログを書いている人と「ダイエットコーラ」を使って仲良くなれるその方法
- 「どうやったら、箇条書き形式のスニペットをGoogleの検索結果に出すことができるか?」
- 「注目を集めることにお金をはらうのか、それとも集めることでお金を得るのか」
- 「SEOはあなたのマーケティング戦略の全てではない!」
それぞれ、いろいろな意図があります。恐らく
- 1つめは「ダイエットコーラ」という、知っているけれどSEOに関係がなさそうなものをぶつけることによる違和感で、好奇心を揺さぶる意図
- 2つめは「疑問文が入ったタイトルがあると、人間は反射的にそれが自分に投げかけらていると感じて、答えを考え始めてしまう。そして回答が気になり始めてしまう」
- 3つめは「相反する内容をぶつけることで、自然と”どちらかな?”と考え始めてしまうことを利用する」 ただこの場合、狙っているターゲットがその内容について基礎知識を持っていることが大前提ですね。例えばSEOに興味のある人に「代謝酵素CYP3A4は本当に必要なものなのか、もはや違うのではないか」というヘッドラインを見せても絶対興味を持たないとおもいます(極端な例ですが)「CYP3A4がSEOにもたらすメリットを忘れるな」だったらいいかもしれません。
- 4つめは「あえて強くアピールすることで反射的に”本当かよ?”と思わせること」がポイントです
通じて大事なのは、反射的に好奇心を浮かべさせることですね。
得られるもの(ベネフィット)を強調する
これは、日本でもはやり続けているやり方です。特にはてなブックマーク狙いの場合顕著ですね。 例えば「対決!:Googleのパーソナリゼーションを無効化する4つの方法」など、数字が入ってかつ後ろに「やり方、ポイント」などのHOWTO系の言葉が入ったものです。「まとめ」もそうでしょう。 このタイトルがなぜ有効かというと
- 自分が得られるものが一瞬でわかる
- ある程度のコンテンツ分量が予測できる。特に、少なすぎてがっかり、ということがない
- 自分はもうそんなに必要ないかなと思っても、人に紹介したくなる
といった点が大きいのです。
また、「#あとで読む」ということでブックマーク的に「いいね!」やReTweetしてくれやすいこともあると思います。
恐るべき、などの形容詞や副詞で注意をひく
これは一つ上と同じですね。ただ、こちらは感情に訴える部分が大きいです。 ただ、これも使いどころは考えなくてはなりません。
毎回恐るべき記事を提供できるわけでもなく、できていたとしても、通常ブログを書いている人間の中で「恐るべき」レベルは、ブログ記事の中で上澄みの部分のハズです。
ここぞ!という記事の時に使う事をお勧めします。 ドラッグストアですべての商品に「今超オススメ!の◯◯◯」というポップがすべての商品についていたら…という状況と同じと考えると、イメージが伝わりますでしょうか。
リアルの世界に近づける
これはちょっと意訳です。原文ではサンプルとして「帽子の中の猫がSEOをあなたに教えるよっ(The Cat In the Hat teaches SEO)」というタイトルが提示されています。 これは2つの効果があるのかなと勝手に思っています。それは
- 他に同じような内容の記事が並んでいるとき、こういった「パッと頭にリアルの世界のイメージが浮かぶタイトル」は、頭に残りやすい。例えば「Very Easy SEO Learning Contents」だと、脳が素通りしてしまうのが「Hat」「Cat」などの言葉があることで、一瞬脳が注意を向けるのかな、と。
- 実際のコンテンツもそうすることが前提ですが、コンテンツの見せ方として、リアルの世界に近づけたほうが分かりやすくなる
ということです。 恐らく筆者は1つめを意識していると思います。ただ、個人的には2のパターンも、特にシリーズ物のコンテンツには差別化の仕方として有効ではないかなと思います。 ※うちでも「黒チワワが教える、犬人を惹きつける画像の作り方」とかやりましょうかね(^_^;)
見た目と長さに気を遣う
これは原文でもそう語られていますが、少しおまけの話です。ただ、スニペットで見た時に、すっきりと読みやすくなっているかも大事でだよ、と。 個人的にはタイトル全体を画像として捉えるようなイメージがいいのではと思います。
これって、日本語では結構大事ですよね。 漢字と平仮名の割合。上手く使うことですっきり感が全然変わってきます。OSやOSのバージョンごとに見た目が随分変わってしまって厳密にできないのが難点ですが…。 このあたりは出版系のキャッチの本を見て頂くときっといいものがあると思います。
深くやりたい方はタイポグラフィとか組版とか。
サウンド、音、韻
さらに感覚的になりますが、特に英語圏の場合「自然と頭の中でタイトルを読む」人が少なからずいるそうです。 その時に、テンポよく韻を踏んでいると好感をもたれやすいとか。
その効果を期待させる
最後に爆弾がきました。 上手く行けば効果大、失敗すればダメージも大というものです。 例えば「どうやったら十万ドルをPPC広告で稼げるか、その究極的な方法」といった、ひと昔前のベタな情報商材にありがちなキャッチコピーです。
これは、本当にそれがコンテンツで提供できているなら、言い換えると「タイトルとコンテンツの釣り合いがとれていれば」このようなキャッチは問題なく使えますし、人を引きつけます。 ただ、怪しく思われることはどうしてもあるので、できるだけ数字を使ったりと具体的かつ現実的なタイトルにすることをお勧めします。
また、元記事の著者は以下のようなポイントも押さえておこうと述べています。
- そのタイトルは本当にコンテンツに対して適切か?読む人が期待しているものと一致しているか?
- そのコンテンツは、提供形態が適切か?ビデオのほうがいいので半?インタービュー形式がいいのでは?スライドショーがいいのでは?
- そのコンテンツはどれくらいの生存期間を考えている? 仮に「完全ガイド(PefectGuide)などとつけるなら、それだけ生き延びられるコンテンツを作らなければいけないのだよ
特に生存期間という考え方は、なるほどなと思いました。安易に完全ガイドなどと名付けてはいけないなと。
それ以外のTips
この記事、この7つのポイントを説明した後にさらに続きます。 ただ、スニペットがどうでるかのような話なので、今回はご紹介いたしません。 ただその中でA/Bテストについて大事だなと思いましたのでご紹介します。
タイトルのA/Bテスト
- タイトルも、それが適切かどうかSNSを使ってテストをすることをおすすめ。
- 簡単なのはA/Bテスト。
- 検索エンジンだとタイムラグの関係でテストにならないのでSNSを使う(Twitterがいいですかね)
- やり方は、同じ内容でタイトルだけ変えて、一緒に投稿するだけ
- URLはパラメータを付けるかbit.lyを使って計測。
- bit.lyならそれほどタイムラグなく計測結果がわかるのでオススメ
- コンテンツが用意できない場合、適切なコンテンツがないがノウハウをためたい場合は、他の人のコンテンツを紹介する、という形でやればいい
終わりに
今回は、タイトルの重要性についての正確な理解と、その上での7つのTIPSについて記事にしました。 タイトルは、たしかに案内板のようなものなので、とても大事です。
また、現実としてタイトルを見て中身をあまり読まずに、ブックマークとしてSNSに流す人がいるのも事実です。 しかし、そういった「あとで読む」は、そのユーザに限って言えばほとんど「あとで読まれません」。
と言うことはあまり意味がないということです。 もちろん、たくさんSNSに流れたりSBMでブックマークされれば、露出機会が増えますし、オーソリティがつきます。
でも、最も考えなくてはならないのは「その場で読んでもらうこと」 そして、中身を読んでもらって次のステップに進んでもらうこと。
「RTをたくさんつけてもらう」「たくさんfavられる」「いいねをたくさんつけてもらう」「はてなブックマークをいっぱいつけてもらう」 それはは、あくまで手段であり目的ではないですよね。 「どれだけ次のステップに見込み客や顧客を進められたか」は大事な指標です。
その大前提の上で、今回の記事もご参照頂ければ幸いです。
振り返えると
- 見出し8割中身2割というが、暗黙のうちに見出しを考える中で中身を考えている。
- その上で、中身と釣り合うように7つのポイントがある
- 見出しもコンテンツも両方大事。どちらもプロセスの一部でしかない。
- マーケ上大事なのは、次のステップにどれだけ進められたか
- RTやFAV、はてブなどの数に惑わされてはいけない
ですね。