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今回の内容について
今回はパートナー選びの際に気をつけて頂きたい点についてです。
具体的には、会社だけを見て比較検討していると、実際にプロジェクトが始まった時に想定外のことが起きる可能性があるという内容です。
詳しくはPodcastをお聞き下さい。
書き起こし・ShowNote
今回は、依頼先選定の話をします。
WebやITの場合、「会社選び」だけの意識では失敗しがち
一般的に、会社を選ぶときのポイントとか、あいみつを取る時に注意しなければいけないポイントとか、そういう文脈でこの話が出てくることが多いです。
WebやITの世界は特に、それだけで考えていると思ったようにうまくいかないケースが多いです。他の業界はまた違ったりするんですけれども、Web やIT業界のような新しい業界かつ職種では、中で働いている人のスキルセットがまだまだ新しい。そういった世界においては、会社だけを見て選ぶと結構失敗します。
うちも、コンサルティング契約を結んでいる方には、代わりに営業対応しますよとか、外部の、今使っている制作会社さんとのやり取りをしますよ、といったことをしています。あるいは「いい会社さんありませんか」とか、そういう根本的な対応を一緒にしています。その関係でいろんな情報やお声を生で聞きます。
結論から言ってしまえば、依頼する会社さんだけを選定するのではなくて、その先に自分たちの担当となる「人」を含めてちゃんと確認する、比較するということを行わないと、失敗するなっていうところです。
個人のスキルや人の相性が結果を左右する
まず、ホームページを見ればその会社がどういう実績を持っているか、標榜している強みがなんなのかとか、歴史とかそういったものはわかります。
またスタッフ紹介のページがあれば、そこで主要な方々のことは載っていたりするわけです。
ですが、どんな会社でも、会社の中の誰かが専任担当者としてついてくれるのが普通です。毎回違う人が担当するっていうことはなくて、一人の人が担当するはずです。
そうしないと経緯もわからないですし、合わないとかそういうことにもなります。
会社の考え方や過去の実績は、誰が作ったかまでは分からない
そうすると、その会社の考え方や過去の実績みたいなものを、参考にして選んだ場合。例えば実績にしても、誰がその実績を作り上げたかっていうのは分からないですよね。
当然、その会社の中にも、入りたての方もいれば、創業時から頑張っている方、あるいは実績のある所から引き抜かれてきたような人、いろんな人がいます。
またそのスキルのレベルという話も、もちろんそうなんですけれども、人当たりと言いますか、良い悪いというよりは、人の相性ってあると思うんですね。
合う・合わない
すごくいっぱいしゃべる人がいいよ、という方もいれば、そうではなくて、ゆっくりと、粛々とやってくれる人のほうがいいよ、という方もいます。
これはもう単純に、合う・合わないっていう話もあるんですね。
そういうところも含めて、Web やITのような漠然とした世界を扱うパートナーを選ぶ際には、打ち合わせに行った時に、必ず担当者についても確認してください。
はじめに、一緒に仕事をする担当者と直接話しておく
具体的に誰にが担当になるんですか?
例えば、ホームページ作りたいんだよとか、広告をこういうふうに運用していきたいんだよ、とか、SEOをこういうふうに改善していきたいんだよ、という要件の話も、もちろん重要なんですけれども、実際お願いするとしたらどんな人が担当になるんですか、具体的に誰にが担当になるんですか、っていうところまで、ちゃんと確認することをお勧めします。
そして実際にその人と話をして、そこで得られた印象、どのあたりのスキルが強いのか、どういう経験を積んできたのか、前はどんな業界にいたのか、スキルをどこで覚えたのか、学校で覚えたのかそれとも実戦の中で覚えたのか、あるいは自分の何か趣味のところから膨らましていったのか。
それによって得意とするものが変わってくるわけですよね。
いた業界によっても、自分の業界が特殊であれば、その業界にいた人の方がいいわけです。
予算によっても変わってきます
そういった要望を出すことも大事ですし、向こうがどんな人を担当にしてくれるのか、予算によっても変わってきます。
ぶっちゃけた話をしてしまえば、やっぱり安い予算になってくるとそれなりの人しかつきません。
この会社として自分たちはどういう位置づけなのかを確かめるためということも含めて、会社を比較検討する際には、会社のHPだけをみて会社自体だけを比較するのではなくて、その会社と自分に付く担当者の二つをセットにして比較検討することを強くお勧めします。
「会社」より「担当者」が重要な理由
「引き出してもらえるかどうか」「紡ぎ出してもらえるかどうか」
実際会社より担当者のほうがウエートが大きいです。
良い会社で周りがサポートしてくれることは、もちろんメリットになりますが。皆さんと直接話していろいろなものを引きだしてくれたり、分かりやすく説明してくれたり、スケジュールを組んでくれたり…というコミュニケーション部分がきちんとできるかということのほうが重要なのです。
特に「引き出してもらえるかどうか」「紡ぎ出してもらえるかどうか」です。
皆さんの事業が今100としたら、HPが全然なくてWEB活用ができていない場合、世の中に対してそのうちの20程度しか出せていない状態です。
100あるうちの100出す
それを、基本的には100あるうちの100出すということが最初の目的になります。100を200や300にするというのはただのかさ増し、うそになります。その後のお客様の反応は落ちますしクレームにつながるのでそういうことをしてはいけません。
そのあたりのさじ加減や、きちんと100を100として引きだしてくれるかということは、経験が元となるコミュニケーション能力やWEBテクノロジー外のスキルにかかってきます。分からないことにすぐに応えてもらえるかという点も重要です。毎回持ち帰って後から返事か返ってくるよりも、その場で答えてもらえたほうが良いでしょう。
依頼する会社を選ぶ時は、皆さんメーカーさんに仕入れを頼むのとは全く違います。そういう感覚で会社を選ぼうとすると、HPを見て「こういう品質のものがきちんと納品されるだろう」と期待して、会社だけを比較して終わってしまいがちです。
実際は非常に人間的なスキルに依存
実際は非常に人間的なスキルに依存しているのが、このWEB・ITの世界です。想定していたようなクオリティーやクオンティティで来るかどうかは、担当者の人間的スキルによって大きく変わります。きちんと成果を挙げている会社だとしても、担当者と馬が合わなかったりすれ違いが起きたりしてしまうと、力を発揮させてあげられない状況になってしまうのです。
自社に合う担当者の選び方
そこで次に悩ましい点が、自社に合う担当者をどう選ぶかということです。まずは肩書や資格は、少なくともWEBマーケティングの世界においてはほとんど気にする必要はありません。システムの世界だと、メーカーやベンダーの認定資格があり、それはきちんとした知識がないと取れませんし、運用経験がないとできないこともあるので参考になります。
しかし営業やマーケティング回りについては、Googleを始めとしていろいろな資格や協会がありますが、今現在で「これを持っていれば大丈夫」と言えるものは正直言ってありません。また、役職名も自由に付けられてしまう状態です。
例えば私がWEB上に書いている「コンサルタント」というのは最たるもので、何とでも書けてしまいます。
少し上のマネジャー職であれば「シニアコンサルタント」と名乗っても問題が起きるわけではありません。少しシステムプログラムを趣味でやったことがあるだけで「テクニカルコンサルタント」と名乗っている可能性も十分にあります。
今の時代は、今までの販売と比べて相当守備範囲が広くなってしまっています。1人の人が全てをカバーするのは難しく、自分の得意分野がいくつかあるという人ばかりだと思います。
具体的には、マーケティングの話、セールスの話、プログラミング含むテクノロジーの話、そして先ほどの引き出す力、ファシリテーションや質問力とか、あらゆるものが重要になってくる領域なのです。
そこで肩書を見るだけでは、その人の強みは正直言って分かりません。Googleアナリティクスの資格がありますが、あれはあくまで使い方や見方が分かるという話であって、それを使ってビジネスに貢献できるアイデアを出せるか、施策を作れるか、皆さんからそれに必要な情報を取り出せるかといった、実務内で必要なスキルを持っているかどうかは全く考慮されていません。
あれはただの取扱説明書通りにきちんと使えます、というだけの資格です。民間の団体が出している資格ももちろんありますが、それもどうしても資格というものを民間がやる時の限界があります。運営団体の考える領域に縛られるということがあるので、それを持っていさえすれば良いかというと、ピンキリです。
元々できる人が取るケースもあれば、取りながら勉強するケースもあります。中小企業診断士やMBAのように、取るためにはどうしてもある程度頑張らなくてはいけないからある程度のスキルが担保できるというレベルのものではありません。
基本的に持っている資格というのは、気にする必要は全くありません。それを持っていなくてはできないことはありません。宅建や税理士や士業のように、持っていなくてはできない業務はWEBの世界にはありません。書かれていても、それを信じなくて良いです。
それよりは、その場でいろいろな質問をしてどういう対応をしてくれるのか、分かりやすく説明してくれるのか、分からないにしてもきちんと聞き取りを行ってその後分かりやすく返してくれるのか。それとも、よく分からない説明で終わってしまうのか。そういった話ながらの実感のようなものをぜひ大事にしてください。
特に中小企業・小規模事業者の方々は密着度が高い付き合いをするケースが多いので、そういうところがうまくかち合う人と一緒にやるほうが良いです。多少会社が小さかったり無名であったりしても、この人なら一緒にやっていけそうだと思ったら、私はそちらを選んだほうが良いと思います。
これは当社を選んでほしいという話ではなく、どんな企業規模の方々も同じです。法人というものだけを見るのではなく、実際に自分に接する担当者も含めて一緒に走っていくパートナーを見つけることをぜひ行ってください。