[23/04/14] Webで新商品を売るには?既存事業とのつながりと売り手への信頼から考える

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、まだ世の中にないけれど、きっと売れる、喜んでもらえるのではないかと思う、新しい商品やサービスをどう売るかという話です。

こういうテーマだと、「この方法で進めれば売れます」という話になりがちですが、私の結論は、どうやっても難易度は高い、というものです。WebやSNSを使う、パートナーを作るといった手段はあっても、自分たちで相当動かなければいけない。その前提で、何を頑張るのか、少しでも進めやすくするにはどうするかを考えていきます。

新しいものを知ってもらうまでには、地道な活動がある

この話をしようと思ったきっかけは、2023年4月当時に読んだ『日経トップリーダー』の記事でした。登山の写真やルート、GPS、コミュニケーションなどの機能を持つアプリ「YAMAP」についての記事です。

私が読んだ記事では、代表の春山さんが企画を持って回っても、ニッチすぎると言われたり、利用者からも紙の地図とコンパスがあればいいと言われたりしたそうです。それでも、役に立つはずだと取り組みを続けてきた、という内容でした。

記事にあっただけでも、登山者が車を止める駐車場でワイパーにチラシを挟む、カスタマーサービスを人任せにせず自分で受け付けるなど、利用者との距離を縮める活動が紹介されていました。時間をかけて、少しずつコミュニケーションが取れる関係を作っていったんですね。

おそらく、記事には書かれていないこともたくさんあったのだと思います。そのやり方をそのまままねるという話ではなく、新しいものを売るには相当地道な活動が必要だと受け止めました。

新しい事業や社内ベンチャーに取り組むときも、その前提が十分に共有されていないと、「こんなに大変なのか」となるのではないでしょうか。早道はないと考えたうえで、どうすれば進めやすいかを考えたいんです。

既存事業があるなら、今の商品とつなげられないか考える

すでに事業をしている会社と、初めて自分でアプリなどを作って売ろうとしている方とでは、使えるものが違います。既存事業があるなら、すでにお客様が使っている商品やサービスと、新しいものをつなげられないかを考えるのがお勧めです。

今の商品は、お客様にも認知されていて、必要性も分かってもらえているはずです。そこへ、オプションのような形で「これまではこういうことをしてきましたが、こういうこともできるのではないかと考えて、新しいサービスを始めました」とつなげる。まず使ってもらうためには、その方が進めやすいと思います。

まったく新しいサービスは、まず興味を持ち、話を聞いてもらえるかが大きいんですね。単に「新しく始めました」と出すだけでは、なかなか伝わりません。既存のお客様がいる商品やサービスへ、なるべく結びつけて出していくということです。

新しいものは、値頃感も伝わりにくい

価格についても、まったく新しいものでは、その金額を払う価値があるかどうかが分かりません。値頃感が分からない状態では、多少価格を変えるだけでは伝わりにくいと思います。

安くすれば安いものとして見られ、提供したい価値とずれてしまうことがあります。高ければ、そのまま検討から外されることもあります。だから、商品単体と価格だけで売ろうとするより、今のお客様が理解しているものと結びつけ、意味を分かってもらう方がいいのではないか、という話です。

直接つながらないなら、間に一つ接点を置く

例えば、クラウドコンピューティングの会社が、いきなりチェーンソーで彫った木の像を売ろうとしても、今のサービスとはなかなか並びませんよね。これは、今思いついた極端な例です。

それなら、間に環境への取り組みという接点を置いてみる。サーバーの環境負荷を考える取り組みや、使う電力を選ぶサービスなどとつながった先で、間伐材を使った木の商品を扱うのであれば、話がつながってきます。

できれば直接オプションとしてつなげ、難しければ間に一つ接点を置く。二つも三つも挟むと、元の商品から離れすぎてしまいます。既存の事業がある場合には、そういうつなぎ方を考えるといいのではないかと思います。

個人で始めるなら、売る人への信頼から入る方法もある

既存の商品やお客様がいないと、正直、難しいですよね。私も、チャットツールを使って遠隔でコンサルティングを始めた頃は、どう表現すればいいのかと苦労しました。

2023年にこの話をした時点から10年ほど前のことですが、当時はそういう形があまりなく、説明するのが大変だったんです。遠隔の相談が浸透すれば、言うだけで通じるので楽になります。ただ、その分、競争相手も増えてきます。

新しいサービスを買ってもらうというのは、値頃感が分からない中で、「使えば、今よりいい状況になる」と信じてもらうことでもあります。だから、個人であれば、商品だけでなく、売る人や団体を知ってもらい、信頼してもらう方が早い場合があります。

「この人はこういう価値観で動いている」「この人は信頼できる」「その人が売っている商品なら、少し興味がある」という順番ですね。商品やサービスという概念だけより、人の存在を通した方が伝わることがあります。

ここで、見せかけの評判を作って売ろうという話をしたいわけではありません。売り物ばかりに目を向けず、誰が売っているのかに目を向けてもらう方が、進めやすい場合があるということです。

また、個人でも知り合いの会社とうまくつながれるなら、その力を借りる方法があります。そこでも、やはり行動が必要にはなりますが、最初の一歩として考えてみるといいと思います。

最初のお客様と関係を作り、使ってもらいながら良くする

大きな方向としては、既存の商品とつなぐか、売り手を知ってもらうか。そのうえで行うことは、一般的なマーケティングと共通するところもあります。

売りたいものをある程度形にしながら、どの市場へ届けるのか、規模や成長性はどうか、どんなニーズがあるかを調べる。その中で、どういう価値を提案する商品として置くのかを考えていきます。

価値の提案が決まったら、それを知ってもらうために、WebでもDMでも、必要な手段を使う。ただ、すぐに成果が出るわけではないので、継続していくことになります。

そこで出会った最初の1人、2人、3人のお客様を、本当に大事にしてほしいと思います。信頼関係を作り、いろいろな意見をもらう。紹介などで少しずつ利用者を増やし、使ってもらいながら良くしていくんです。

初期の費用を抑え、その先の事業の形を考える

その後に、黒字化を目指せる形へ進めていく。ですから、そこまでの段階では、なるべく固定の経費を抑えなければいけません。会社の新規事業であれば、最初の段階から黒字だけにこだわらない方がいいと私は考えています。

収益を作れるようになってから、規模を広げるのか、自分たちのできる範囲で最良のものを作るのかを考える。拡大するなら、チーム作り、リピーター作り、販売パートナーといった次の段階へ入っていく、という感じです。

難しいからこそ、選んでもらう理由を作る

私のところにも、新規参入や新しい商売の相談は多くあります。ただ、すでに先行する企業がたくさんいる市場では、そこからシェアを取るのは簡単ではありません。

値下げでお客様を集め、信頼関係を作ってから収益を上げるというやり方も、なかなか大変です。だから、コンセプトをきちんと作り、そこで選んでもらえるようにしようと提案することが多いんですね。

新しいものを作り、単純な価格競争とは違うところで選んでもらうことは必要だと思います。でも、やはり難易度は高い。大変だという前提を持ちながら、既存事業とのつながりや売り手への信頼を使えば、ずいぶん進めやすくなるのではないか。今回は、そういう話をお伝えしました。

関連コンテンツ

ネットショップを始める場合の受注後の運用については、Podcast[2023/03/16]:EC立上げ前に、物流と運用の負担を考えるで扱っています。

お客様の情報を得ながら改善を続ける考え方は、Podcast 第498回:顧客から直接情報を得て、商品やサービスを改善するも参考にしてください。

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。
https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

このWebサイトをフォローする
中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ)
無料公開中 令和時代の買い手を理解する Webコンサルの基礎資料