第15回:食品やファッションのよさは、Webサイトで「よい」と感じてもらえていますか

中小企業を強くするWebマーケティングPodcast — ラウンドナップWebコンサルティング 中山陽平

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

感覚で選ばれる商品には、伝え方の難しさがあります

商品やサービスを選ぶとき、お客さんは何を判断材料にしているでしょうか。仕様や結果が大きな判断材料になるものもあれば、見た感じ、味、音、触った感触など、自分がどう感じるかに大きく左右されるものもあります。

私は、味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚といった感覚が、購入の判断で大きな部分を占めるものを「五感的商品」と呼んでいます。私が説明のために付けた呼び方なのですが、食品、おしゃれのための服、旅行、化粧品、音楽やライブなどを思い浮かべると分かりやすいと思います。

感覚による判断が大きい商品では、そのもののよさと、お客さんがよいと感じられることを、両方考える必要があります。数字や仕様を示すだけでは、十分に伝わらない部分があるんです。

「こちらの方がおしゃれ」は、簡単には証明できません

例えば、「私たちが扱う服は、あちらの服よりおしゃれです」と言ったとしても、それを証明するのは難しいですよね。素材や縫い方について説明できることはあっても、おしゃれかどうかは、お客さんがどう感じるかによります。

こうした商品では、一度付いた印象を変えることも大変です。仕様の違いを示せば、それだけで受け取り方が変わるとは限りません。売る側が考えるよさと、お客さんの印象の間にずれが生まれやすいんです。

自分たちが優れていると分かっていることを、そのままお客さんも感じているとは考えないでください。よさを説明したつもりでも、相手には十分に伝わっていないことがあります。そこに、Webサイトでの見せ方を考える意味があります。

よい商品だから買うのか、よいと感じたから買うのか

ここで、二つの商品を考えてみてください。Aは素材も縫製もしっかりしている。Bは、そうした点でAより劣っている。価格など、ほかの条件は同じだとします。Aの方が売れたなら、なぜ売れたのでしょうか。

「Aの方がよい商品だから」と答えたくなりますよね。ただ、もう少し厳密に考えると、お客さんがAの方をよい商品だと感じたから、選んでくれたわけです。商品の本質的な価値と、それをお客さんが受け取れたかは、分けて考える必要があります。

細かい言葉の違いに聞こえるかもしれませんが、よいものを作ったことだけで、お客さんへ伝える仕事が終わるわけではありません。よいと感じられるように情報が届いて、初めて選ぶ理由になります。

これは、見せ方だけをよくすればよい、という話ではありません。商品そのものの価値はもちろん大切です。ただ、その価値を作っていることと、初めて見る人が理解できることは別だという点を、押さえていただきたいんです。

作り手の思い入れは、初めてのお客さんにはまだありません

食品の通販などで、「よい素材を使って、こんなによいものを作っているのに、なぜ売れないんだろう」というお話があります。本当においしく、材料にも気を配っている。それでも、お客さんがそのよさを感じられなければ、選んでもらうのは難しいんです。

商品に思い入れがある方ほど、よいものなのだから自然に分かってもらえるだろうと、無意識に考えてしまうことがあります。作っている本人は、どんな材料を使い、どれくらい手を掛けたかを知っていますからね。

でも、お客さんにとっては、今初めて出会う商品です。作り手と同じ思い入れも、背景の知識も、最初から持っているわけではありません。だから説明する必要があります。

自分たちには当たり前のよさが、初めての方にも分かる状態になっているか。商品のことを知っている側の感覚から、いったん離れて見ていただきたいと思います。

写真や文章が、よさを受け取れる形になっているか見直す

五感で選ばれる商品を扱っていて、なかなか売れないときは、写真、文章、説明の順序、よさの表現の仕方を見てください。自分たちが言いたいことを載せただけになっていないでしょうか。

よい材料を使っていると書くことと、それを見た方がよいと感じることには距離があります。どのような話の持っていき方なら伝わるか、どんな写真なら商品のよさを感じられるか。マーケティングとして、その部分にも取り組む必要があります。

商品をよくする努力と、そのよさが相手へ伝わるようにする努力を、一緒に進めてください。私もコンサルティングでは、このようなところから商品やサイトを見ています。よい商品だからこそ、伝える部分が抜けていないか、改めて確認していただきたいと思います。

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