第155回: Webサイトのデザインが決まらないとき、見た目より先に考えること

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。今回は、Webサイトやチラシを作るときに、どこから考えればいいのかというお話です。

「このサイトがかっこいいから、こんな感じにしたい」「爽やかなイメージにしよう」。そうした見た目から入るより、自分たちは何を伝えたいのかという内側の部分から、作り方を考えることをお勧めします。

チラシのサイズや紙も、目的から決まっていく

例えば、不特定多数の、ある程度幅の広い人たちに配り、反応を見ながら問い合わせを得たいのであれば、新聞に折り込むという選択があります。折り込みチラシならサイズはA4かA3。今回はそれほど予算がないから、A4の両面カラーで刷ってみようか。写真の質が重要だから、普通紙ではなく光沢紙の方がいいよね、と決まっていくわけです。

そうすると、ビジュアルも「このメッセージを伝えたいなら、この色合いだろう」と考えられます。商品の色が緑なら、強調する色には赤などの補色を考える。中身が決まると、外側の見せ方も決まっていく。これが本来の、マーケティングにおけるデザインやものづくりの考え方だと思います。Webサイトも同じです。

コンセプトから、デザインとコンテンツを考える

うちでは、基本的に三つのものを大事にしてくださいとお伝えしています。一つはコンセプト。そのWebサイトで何を伝えたいのか、皆さんは世の中に何を提供したいのか、という部分です。

そこに基づいて、視覚的にどう訴求するのかを考えるのが、デザインやグラフィックです。デザインは、コンセプトを増幅するものとして考える必要があります。

そして、コンテンツです。ビジュアルだけで伝わるものは、それほど多くないと思います。文章などでいろいろなことを伝えて、初めて正しく情報が届く。そうすると、「これを伝えるためには、この情報とこの情報が必要だ」「すんなり受け入れてもらうには、これがないと信頼してもらえないよね」と、コンセプトから考えていけます。

私は、これが正しい作り方だと思いますし、こう作っていく方が反応を取れると考えています。コーポレートカラーがあるから、大まかな色はそれに合わせたい。それはもちろん構いません。

ただ、「このサイトは売れているから、同じようにすればいい」「このレイアウトがいいに違いない」と、そこから入らないでいただきたいんです。まねして得られるものもありますが、まず何を伝えたいかから、逆算して考える癖をつけた方がいいと思います。

小さなバナー変更でも「そもそも何のためか」に戻る

作る過程には、制作会社などのプロに関わってもらった方がいいです。ただ、プロが入るにしても入らないにしても、Webサイトのような大きなものは、内側からの段階を踏んで作ることをお勧めします。店舗のデザインなどにも当てはまるかもしれません。

広告のバナーを変える、もう一度A/Bテストをする。売上や競合の出し方が変わってきたから見直す。そういう小さなものでも、「そもそも何のためにやるんだろう」と立ち返る癖をつけると、出てくるものがよくなります。

それを続けると、チームや会社の中でも、その「そもそも」の部分をそろえようという気持ちが生まれてきます。会社全体のマーケティングや営業の方向性も、自然と足並みがそろうことが多いんですね。

まずWhyを考えて、その上でHowやWhatを考える。そういう順番で捉えていただければと思います。

デザインがすぐ浮かぶ人も、頭の中では順番を踏んでいる

もちろん、デザインから入ってうまくやってしまう人もいます。そういう方は、デザインを考えるときに、自然と内側から考えていることが多いんです。

「このターゲットに、この情報を伝えて、こうなってほしい。だから、この見た目だよね」ということを、頭の中でさっと考えている。意識している場合も、していない場合もあります。

優れたデザイナーさんは、たくさんトレーニングして、無意識にそこまで考えられることがあります。外からは、いきなり見た目を思いついたように見えるんですね。

ですから、デザインがすぐ出てくること自体を、一概に否定するわけではありません。ただ、そうではない方は、きちんと段階を踏んだ方がいいということです。

最初に目につく部分は、とても重要です。目を引くことも、その後にどんな印象を与えるかも大事ですから、こういう形でデザインの作り方を捉えていただければと思います。

気になった折り込みチラシを、見えるところに置く

デザインそのものを深く考えると、大変な話になります。ひとまずマーケティングや営業に役立つ部分を底上げしたいなら、新聞の折り込みチラシを集めていくのは、一つお勧めです。

「これ、いいな」と思うものも、「よく分からない」「ピンとこない」と思うものもあるでしょう。なぜいいと思ったのか、どうすればよくなると思うのかを考えるんです。

折り込みチラシは、たくさんの方がテストしてきた、こなれた広告媒体です。ノウハウを持つ人が作った広告も、たくさんあるはずです。私は、ネット上でランディングページをいろいろ見るより、効率よく感覚を磨けると思っています。

私もオフィスに、大きめの黒いボードを置いています。「黒いホワイトボード」というのも変な言い方ですが、黒の方がいろいろな色が映えて分かりやすいので、そこに気に入った広告をいつも貼っています。

見えるところに置いて、何かの折にふらっと見る。「こういうところがいいのかな」と思いついたら、別のホワイトボードに書き込む。そんなふうに、偶然や隙間時間も使いながら、デザインやマーケティングの感覚を保つようにしています。

「デザインをどうしよう」からではなく、まずはその内側から考える。そういう形で取り組んでいただければと思います。

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誰に何を伝えるかを考えるときは、Podcast 第251回:相手に寄り添う提案やコンテンツを作る2つのポイントで、お客様を理解する視点をお伝えしています。

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