第175回:Web・ITの情報収集で終わらせない。自社で使うために何を考えるか

WebやITの情報は集めている。使ってみたいツールもある。それでも、会社の仕事はあまり変わっていない。そんな状態になっていないでしょうか。

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。新しい情報を見つけることは大切です。ただ、活用するうえで一番大変なのは、見つけたものを自分たちの会社の仕事に組み込むところなんですね。そこに手をつけて初めて、導入に向けて具体的に進み始めます。

「知っている」と「使える」の間にある仕事を見ておく

ご相談の中でWebやITの活用状況を伺うと、「何もしていません」という会社ばかりではありません。「情報は集めています。このあたりをやってみたいと思っています」というお話はよくあります。

そこで、社内の人に相談したか、実際に使ってみたかを伺うと、まだそこまでは進んでいない。頭の中では導入後の姿が見えていても、それを実現するための準備はこれから、という状態です。

良さそうな情報を手に入れた段階では、会社で使えるようにする仕事がまだ残っています。情報収集が無駄なのではありません。むしろ、その先が大変だと分かっていれば、必要な時間や費用を見込んで進められます。

「これを入れればうまくいくはず」と考えて始め、後から追加の作業や費用が出てくると、社内で話が通らなくなってしまいます。知ったところをゴールにせず、ここから何を詰める必要があるのかを考えてみてください。

頭の中のイメージを、一度手を動かして確かめる

例えば、画用紙にリアルな犬の絵を描いてくださいと言われたらどうでしょう。犬の姿は知っていますし、頭の中には浮かびます。でも、いざ描こうとすると、足のつき方や体の形が分からず、手が止まることがありますよね。

WebやITの導入にも、これと似たところがあります。考えているだけのときは、よく分からない部分を「何とかなるだろう」で通り過ぎてしまうんです。

実際にツールを使ってみると、欲しい形で結果が出ない。加工する作業が必要になる。周りに見せたら、思ったほど反応が良くない。こうしたことは、手を動かして初めて見えてきます。

実際の仕事に当てはめて試し、どこで手が止まるかを確かめることが、導入の準備になります。分からないところが出てきたから失敗、ではありません。頭の中では見えていなかった作業を、具体的に捉えられたということです。

誰が動くか、何が増えるかまで考える

新しいサービスの紹介を読んだら、「面白そうだな」の後に、もう少し自社の状況を重ねてみてください。誰に使ってもらうのか。その人はどんな作業をするのか。今の仕事に何が増えるのか。追加でどのくらい費用が必要になりそうか、というところです。

自社だけでは難しければ、誰に相談するのかも考えます。制作会社なのか、今のシステムを見ている会社なのか。相談相手が浮かばないなら、まずそこを探す必要があります。

担当する人、必要な作業、費用、期待する結果を結びつけて考えると、導入の話が具体的になります。すべてを正確に見積もれなくても構いません。見当がついているところと、確認しないと分からないところを分けるだけでも、次に何をすればよいかが見えてきます。

ホームページやSNSも同じです。始めること自体ではなく、人がどう動いて、会社にどんなプラスを生むのか。そこまで考える習慣をつけていただきたいと思います。

技術の面白さを、現場で役立つ使い方に変える

以前、トンネル工事で、掘削する面に地質の情報を映すプロジェクションマッピングの事例を見て、面白いなと思いました。映像を使った華やかな演出の印象が強かった技術を、現場で地質を見やすくするために使っていたんですね。

「すごい技術がある」と知ることと、「この現場の、この困りごとに使おう」と考えることの間には、大きな距離があります。商売で役立てるには、その距離を埋めなければいけません。

技術そのものよりも、自分たちの現場のどこで役に立つかに目を向けてみてください。新しいものを追い続けるだけでは、会社の仕事は変わりません。使い方まで一緒に考えてくれる相手を見つけることも、活用のための大切な準備です。

大成建設:切羽プロジェクションマッピングシステムの開発と運用(2019年)

自社に当てはめながら、集める情報を絞る

私自身も、情報を見るときはお客様の業種や状況を頭に置いています。「この会社で、こう使えば役に立つかもしれない」と考えながら読むんですね。よく分からなければ、自分たちで使ってみることもあります。

一方で、そのまま通り過ぎる情報もたくさんあります。新しい情報をすべて追いかけていたら、実際に取り組む時間がなくなってしまいますから。

情報収集のたびに「うちで使うならどうするか」と考えることが、必要な情報を選ぶ基準になります。誰も動けそうにない、今の課題にはつながらない。そう分かれば、今すぐ取り組むものから外す判断もできます。

次に気になる情報を見つけたら、社内の人に話を聞く、実際に触ってみる、相談先へ確認する。そこまで一歩進めてみてください。「知っているもの」が、ようやく会社で使えるものに近づいていきます。

配信スタンド

■Podcast /Webinar への質問は

こちらのフォームへどうぞ。
https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7

運営・進行

株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)

代表取締役・コンサルタント 中山陽平

Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/

このWebサイトをフォローする
中小企業専門WEBコンサルティング会社・ラウンドナップWebコンサルティング(株式会社ラウンドナップ)
無料公開中 令和時代の買い手を理解する Webコンサルの基礎資料