第560回:Webコンサルティングの価値はプロセスにもある。専門家と納得するまで話すために

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

Webの制作会社やコンサルタント、広告代理店など、自分たちより詳しい相手と話すとき、皆さんはどう接しているでしょうか。専門家だからと、言われたことをそのまま受け入れることもあれば、自分たちの領域に入ってこられるように感じて、壁を作ってしまうこともあると思います。

私がお勧めしたいのは、相手を尊重した上で、皆さんも自分の商売の専門家として、納得するまで話すことです。そのやり取りの中に、成果物を受け取るだけでは得られない価値があります。

自分たちの商売のプロとして、疑問や違和感を伝える

Webやデジタルの知識が相手より少ないからといって、気後れする必要はありません。皆さんは、自分たちの会社で何が起きているか、お客さんから何を言われているかを知っています。それは外の専門家が、最初から持っている情報ではないんです。

うちはこう考えているけれど、どうなのか。現場ではこう言われていて、お客さんはこう反応している。あなたの提案と私の考えが違うのは、なぜなのか。そういうことを、遠慮せずに聞いていただきたいと思います。

専門家の意見を受け取るだけでなく、自社の実情と照らし合わせて納得するまで話してください。もちろん、喧嘩をしようという話ではありません。

お互いに、こうすればよいのではないかという仮説を持っている。でも、どちらかが最初から正解だと決まっているわけではありません。違いを確かめながら、もっと良いものを考えていく。その前提を双方が持つことが大切です。

ですから、そもそも相手を尊重できること、この人なら話を聞いてくれそうだと思えることが、パートナーを選ぶ条件になります。

成果へ至るまでに考えたことが、会社に残る

Webサイト制作なら、新しいサイトを運用できるようになること。コンテンツ制作なら、コンテンツが納品されること。仕事としての成果物は、もちろんあります。それをきちんと出すのは、受ける側の当然の責任です。

その上で、皆さんの会社に知識や判断の仕方が残るのは、そこまでに一緒に考えた過程からという部分が大きいと思っています。

例えば、月に三十件の契約を取るという目標があったとします。達成したら評価されるべきですが、そこへ至るまでに試したこと、テストしたこと、人に教わったことも大事ですよね。結果の数字だけでは、その後にも使えるものを全部は捉えられません。

成果を求めながら、そこへ至る対話や試行錯誤も、自社に残すつもりで関わってください。同じ費用を払っていても、その過程をどう使うかで得られるものは変わります。

Webサイトの制作や戦略を考えるときは、事業を棚卸しする機会にもなります。なぜ自社は選ばれているのか。なぜこの品質を保てるのか。競合が真似できない部分は何なのか。普段は立ち止まって考えにくいことを、会社の姿として形にしていけるんですね。

うちでも制作とコンサルティングを一緒に進める中で、気づきがたくさんあったという声をいただきます。反響や見た目だけでなく、こうした機会として使ってほしいと思います。

納得する時間を、最初から進め方に含めておく

分からないところを残したまま、なし崩しに進めると、最後に自分たちが納得できていないということになりかねません。それは相手との関係にも影響します。

公開する月や予定が決まっていることは分かります。ただ、できれば、議論して少し時間がかかることも考えたスケジュールで始めてください。過程を大事にするというのは、期限を無視してよいという意味ではなく、話し合う余地を持って進めるということです。

私たちも業界の勉強をして、基本的な共通の言葉を持てるようにしてから臨みます。でも、現場の知識は会社ごとに違います。遠方のお客さんを実際に訪ねて、こうなっていたのかと初めて分かることもあります。

専門家も最初から全部は分からないので、現場の話を出し合う時間が必要なんです。皆さんの質問から、こちらが気づくこともあります。

外部とのやり取りだからこそ、社内では話しにくいことを率直に話せる場合もあるでしょう。自分の考え方の癖や、見逃しやすい点に気づくこともあります。そういう機会を意識して使っていただくといいと思います。

初回相談は、実際に担当する人と話してみる

こういう対話ができる相手かどうかは、問い合わせや初回相談の段階から見ておきたいところです。メールでも電話でもビデオ会議でも、質問をするとどんな答えが返ってくるか、こちらの事情を引き出す質問をしてくれるかが分かります。

何でも一度持ち帰るだけではなく、その場でどう考えて返してくれるか。限られた相談時間でも、そうしたやり取りができるかを見てください。

その際、私がお勧めするのは、お願いした場合に実際にプロジェクトを進める人と話したい、と伝えておくことです。

初回相談で相性を見るなら、契約後に自分たちを担当する人との対話を確かめてください。最初の説明が得意な人と、実務を進める人が違う場合があるからです。

相談では納得できたのに、始まってみたらやり取りが違う。それを避けるためにも、担当する人と話すことを条件にしてよいと思います。こちらとしても、自分では十分に力になれそうにない業界や状況はあります。最初から具体的に話してもらえた方が、その点も判断しやすいんですね。

新しい担当者を、自社の代表として話せるように支える

入社したばかりでWeb担当になり、自分の会社のこともまだ分からないので、商売のプロとは思えないという方もいるでしょう。そういう場合は、その担当者だけに任せないでください。

一つは、会社のことが分かり、周りを動かす権限のある人と一緒にやり取りすることです。新人だから能力が足りないという話ではなく、社内を巻き込むことが難しいからです。

もう一つは、周囲が情報を渡し、会社を代表して話せるように支えることです。その体制がこちらにも分かれば、この部署の人に聞いてきてもらえませんか、社内で説明するためにどんな資料が必要ですか、と相談できます。

担当者を一人に決めても、会社の情報や協力まで一人で背負わせないことが大切です。人を簡単に替えられないからこそ、周りが支える形を考えてほしいと思います。

だからといって、経営者が全部出てきて担当すべきだとも思っていません。経営者には経営者の仕事があります。一人の会社や起業直後なら別ですが、会社として適切な人を置き、支えることを考えてください。

これは、私が長くプロセスコンサルテーションを大切にしてきた立場からのお話です。唯一の正解だとは思っていません。ただ、確かにそうだと感じた方は、自社の商売のプロとして、相手と話し尽くす姿勢を持っていただければと思います。

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