第178回:Web集客を始める前に、問い合わせ対応の準備はできていますか

ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。

ホームページを作れば、問い合わせがこれくらい増えるのではないか。広告を出せば、新しいお客さんが来てくれるのではないか。Webで集客を始めるときには、その部分を一番意識しやすいと思います。

ただ、問い合わせが来た時点では、まだ成約したわけではありません。その後の対応で、お客さんが頼もうと思うか、また利用したいと思うかも変わります。今回は、集客を始める前に考えておきたい、問い合わせを受ける側の準備についてお伝えします。

これまでのお客さんと、同じ前提で対応しない

Webを使い始める前にも、電話や来店での相談はあったと思います。ただ、そこで接していた方と、ホームページから初めて問い合わせる方では、会社との距離が違うことがあるんですね。

昔から知っているお店だったり、何度も前を通っていたり。チラシを見て来た方でも、実は何度か見かけていて、必要になったときに思い出してくれたのかもしれません。こちらが意識していなくても、相手はある程度お店のことを知っている場合があります。

Webからは、「とりあえず問い合わせてみよう」「見積もりだけ取ってみよう」という段階の方も来ます。サービスをよく知っているとは限りませんし、まだ頼むかどうかも決めていないかもしれません。

会社との関係がまだ薄い方からも、問い合わせが来ることを想定しておいてください。 これまでと同じように話が通じる、同じくらい成約につながる、と考えない方がいいんです。

もちろん、全国へ知られることで「こういうお店を探していたんだ」という方が集まる場合もあります。ただ、最初からそれを前提にするのではなく、いろいろな段階の方を受け止める準備が必要です。

電話やメールでは、相手が見えない難しさを見込む

これまで店頭で質問を受けていた会社に、電話やメールが増えてくると、対応する側も戸惑います。顔が見えず、場合によっては名前も分からない。その状態で、何をどこまで話せばいいかを考えなければなりません。

電話の向こうで少し間が空いたとき、怒っているのか、悩んでいるのか。それとも、こちらの説明が伝わっていないのか。目の前で話すときとは違う難しさがあります。

問い合わせ件数が増えることと、今までの応対で受け止められることは、分けて考えたいんですね。

運用を続ける中で、相見積もりだけの問い合わせが多すぎるなら、ホームページの伝え方を変えていくこともできます。業務の効率や社員の負担を考え、調整するわけです。ただ、始めたばかりの段階では、問い合わせがある程度入り交じることを見込んでおく必要があります。

広告を出す前に、受け付ける人へ内容を共有する

SEOやコンテンツ、広告にお金をかけて、ようやく一件の電話が鳴ったとします。その電話を受ける方が、ホームページで何を伝えているかも、どんな方が問い合わせてくるかも知らなかったら、どうでしょうか。

相手が何か言うのを待ち、聞かれたことにだけ答え、「とりあえずお店に来てください」で終わってしまう。お客さんが求めていた対応と違えば、それまでの集客の努力が実を結ばなくなってしまいます。

これは、電話を受けた人だけの問題ではありません。こういう問い合わせが来るから、こういう話をしてほしい、と先に伝えておく必要があるんです。

何を見たお客さんが、どんなことを知りたくて連絡してくるのかを、対応する人と共有してください。 そのうえで、答えて終わりにせず、次の話へ進める準備をします。

例えば、聞かれたことに答えながら自社のよさを伝えるには、何を話せばよいか。お客さんが黙ってしまったとき、どんな質問なら話しやすくなるか。そうしたやり取りを、トークスクリプトとして用意しておく方法もあります。

営業の人が持っている応対の工夫を、社内で共有する

社内に営業の方がいるなら、いろいろな引き出しを持っていると思います。「こう聞く方は、本当はこのことを知りたいんだよ」「この話を添えると、もう少し聞いてもらえることが多いんだよ」といったものです。

それを、問い合わせを受ける方にも伝えてもらってください。ただ、本人の好意に任せて待っているだけでは、うまく広がらないこともあります。自分の経験として持っているものを、改めてほかの人へ説明する機会は、なかなかないんですね。

経営者や上司から、応対の工夫を共有する場を作ってほしいと思います。 一人だけができる状態から、周りも使える状態にしていくわけです。

始める前に、すべてを整えられない場合もあるでしょう。そのときは最低限の準備をして、実際の対応を振り返りながら、分かる人が必要なことを教えていく。これから繰り返し対応する仕事なので、その都度よくしていくことを前提にしてください。

受け切れない場合は、研修や外部への依頼も考える

そもそも電話対応に慣れていない、という場合もあります。通販を始めて電話が次々に鳴るような状況なら、注文を聞き漏らしたり間違えたりするわけにもいきません。

そういうとき、最初は外部に受け付けをお願いするのも一つの手です。ある程度のトークスクリプトを用意し、サービスの詳しい話は社員が折り返す、といった分担も考えられます。

もちろん、お金がかかりますから、どの会社でもすぐに選べる方法ではありません。社内で対応するなら、電話対応をほとんどしてこなかった方に、ビジネスの電話応対を学ぶ機会を設けることも考えてください。

問い合わせを受ける仕事にも、準備や教育のための時間と費用がかかります。 集客できたのに、その後の対応で取りこぼしてしまうのは、非常にもったいないことです。

相手の話を聞くことと、時間をかけすぎないことを両立する

対応では、お客さんが言っていることをちゃんと把握する力が求められます。一度説明して伝わらなかったときに、「もう無理だ」で終わらせず、「こちらの言い方なら伝わるかもしれない」と考えられることも大切です。

ただ、長く話せばよいわけではないんですね。二時間話したけれど、本当は三十分で伝わる内容だったとしたら、お客さんの時間を余計に使っています。その間に、ほかのお客さんへの折り返しがたまっているかもしれません。

相手に合わせて伝えながら、必要以上に時間を使っていないかも振り返る。 応対には、そうした時間の使い方も関わってきます。

やることは意外と多いんです。まだ問い合わせが少ないなら、対応の練習をする時間ができたと考えて、準備を進めておくのもよいと思います。

対応の振り返りを、担当者を責める場にしない

自分の話し方を、ほかの人と一緒に振り返るのは、恥ずかしさもありますよね。私も昔、演劇をやっていたとき、練習のビデオを一緒に見てもらうのは嫌でした。自分の声を聞くことに慣れていないと、なおさらだと思います。

それでも、一人では気付かないことを教えてもらえる機会は大事です。お客さんの質問をどう受け取り、何を返したか。次ならどんな説明ができそうか。そうしたことを共有していきます。

振り返りは、誰かを吊るし上げるためではなく、次の対応をよくするために行ってください。 ここは、あらかじめ皆さんでそろえておきたい前提です。

対応する人だけに任せず、会社全体で育てていければ、Webからの問い合わせに限らず、お客さんと接する力にもつながると思います。

まとめ:問い合わせが来てから困らないよう、受ける側も準備する

Webからは、まだ会社をよく知らない方も問い合わせてきます。これまでのお客さんと同じ前提で対応せず、ホームページで伝えていることや、想定する質問を社内で共有しておきましょう。

集客の準備と一緒に、応対の共有・教育・振り返りまで考えておく。 電話が鳴るところまでで仕事を区切らず、その後もお客さんの期待に応えられるようにしていきたいですね。

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